熱帯夜話
月組 宝塚バウホール12/9~11
彩輝直バウ・パフォーマンス「熱帯夜話」、12/10に観てきました。 何と言ってもバックメンバーが粒ぞろい。面白くなるだろうと期待して客席についたのですが、思った以上に良くなかったです。 まず、藤井先生の作品が無茶苦茶。サエール(彩輝直)主演の劇中ショー、不思議な船長(高翔みず希)とティンク(白華れみ)の存在、打ち上げでの劇団員たちのビル探検と、隕石落下による都市滅亡(?!)が、上手くつながっていなくて中途半端。最後には劇団員たちが順番に死んでいくのですから、谷先生もビックリです(^_^;)。 サエール主演の劇中ショーと、舞台裏の劇団員たちとの物語・・程度で十分だったのではないでしょうか。 二幕の黒蜥蜴風の場面も、彩輝の和服姿の艶やかさと、美青年の妖しさが正に本領発揮。誘惑される純情青年が北翔海莉で、探偵が越乃リュウで・・申し分ない設定なんですけれど~、描き切れてないんです。ニュアンスしか伝わらない・・もどかしかったです。 あと、衣装もイマイチ。彩輝はまだ良かったけれど、あと全員、特に劇団員の私服がかっこ悪い~。今調べたらお気に入りの有村さんだったので、ちょっと信じられないのですが・・(^_^;)。 樹里咲穂休演で急遽変更が沢山あったのだろうな・・という点を考慮しても、彩輝のサヨナラバウなのですから、もうちょっと、何とかしてあげて欲しかったですね。「TAKARAZUKA舞夢」で藤井先生には「サヨナラショー作家」の称号をあげたばかりなのですが・・今回は良い所ナシです。 そして彩輝。急ごしらえのオスカルでもキレイ。前述の黒薔薇館で見せた色気。感心する所もありましたが、やはり、というべきか・・歌えないんですよね・・<(_ _)>。 バックメンバーが粒ぞろいなのに、どうしても盛り上がらなかったこの公演。藤井先生の作品による所も大きいですが、彩輝の歌のせいもあると思います。 特別出演の高翔は、歌にダンスにピリッと上手い所を沢山見せてもらえた気がするのですが、これと言って「これぞ高翔!」って程のものはなかったような気がします。 樹里が休演でしたし、いっその事樹里の代役! くらいの勢いで、もっと目立たせても良かったのではないかと思うのですが。 北翔は、まず黒薔薇館の青年が、二枚目で良かったです。劇団員のカーリーも、三枚目な部分も上手いし、ラストはちゃんと男役っぽい甘さも出ていたし、まずまず。 「EXOTICA!」で彩輝がやった女役のダンサーを北翔がしたのには、客席もザワめいていましたが、いや、私もあんなに大真面目な娘役ドレス姿を見られるとは、思ってもみなかったので驚きました。ゴツかったけれど、可愛かったですよ(←少数派?)。観に来て良かったと思いました(^_^;)。 マズかったのはベルばらの白軍服。パツパツで・・もう少し痩せてスッキリして欲しいのもあるけれど、着こなしなど、かっこ良く見せようとする意識が、もっと欲しいです。 歌も良い声で毎回楽しみなのですが、特に「サザンクロス・レビュー」の「星の海」で感じたのですが、やはり香寿たつきの方がすっと良く感じるんですね。情感の込め方とか、そういう所も足りないと思うので、がんばって欲しいです。北翔に足りないものって、ちょっとした心がけとかやり方次第で、これからいくらでも良くなりそうな事ばかりなんですよね。新公卒業しましたし、そろそろ化けて欲しい所です。 花瀬みずかが、少し大人のヒロインっぽい役柄で、良く合っていました。彼女ももう少し痩せたら、もっと本公演で活躍して欲しい人になると思うのですが。 越乃が、歌に芝居に久しぶりに活躍している所を見られたのは嬉しい。探偵はもっとちゃんと物語として絡めて欲しかったです。 光樹すばるはほんわかやさしい役所。悪くはないけれど・・ちょっと物足りない。 瀧川末子は気持ちの良い姉さん振り。 椎名葵はキレイだったけれど、あの可愛い役柄は、ちょっと持ち味と違う気も・・(^_^;)。 研ルイスの歌も、久しぶりに聞けました。やはり良い声です。 星条海斗の歌もなかなか。彩輝のダミー役の所のスタイルの良さが目につきました。 夏月都は、可愛らしい見た目にピッタリの、もうけ役。彼女とアドリブで会話している時の彩輝に、確実に「おっさん」が入っていた(^_^;)のが意外と言うか、学年を考えれば当然と言うか・・おかしかったです。 白華はティンクは可愛くて良かったですが、振袖の令嬢の方が似合っていなくてイマイチ。 夢咲ねねは、次回新人公演でのエリザベート役が決まった所だったので注目しましたが、今回は同期の白華の方が全体に良く使われていました。大柄で華やかな娘役さんで、台詞等はほんの少しだったので良く分かりませんでしたが、見た目なら抜擢も納得です。
(満足度 ★★★★★)
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