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猛き黄金の国 雪組・大劇場新人公演・・3/13 良いもの観ました! 雪組新人公演「猛き黄金の国」です。 初主演の音月桂。初舞台の時から可愛らしい顔立ちが目立っていたし、成績も良かったし、もちろん期待の人なんだろうな~、とは思っていました。しかし私自身は、多分、一路さんファンだった頃に身長でさんざん悔しい思いをしてきた反動で(^_^;)、最近は小柄な男役をどうも敬遠していて、音月も好みのタイプではないと思っていたんです。しかし「月夜歌聲」でも上手い所を見せてくれていたので、今回、思わぬ早い時期の初主演とは言え、ちゃんと演るのだろうな~、とは思っていました。 それが予想以上に良かった! まず似合わないだろうと予想していた彌太郎中年時代の髭! 舞台中央に登場した音月は・・轟悠そっくりの男前でした(^_^;)。化粧をしてもらったのでしょうか? 良く考えたら背格好も近いし、どちらも少年顔・・いや、新旧ジャニーズ顔?! とにかく良く似ていて、しかも台詞の声が良いのは期待通り。冒頭部を迫力たっぷりに乗り切れていたのに感心しました。 とはいえ、良かったのはやはり若者時代。特に喜勢との結婚が決まり、手を引いて銀橋を渡るナンバーのフレッシュで可愛らしかった事! 見ている私が照れちゃいましたよ(^_^;)。 歌も良く、アドリブもちゃんと入れていて、生き生きと舞台を引っ張る申し分ない主役振りでした。「ニュースター誕生!」って、宝塚駅前付近で号外配りたい気分になりましたね、私は(^_^;)。 坂本竜馬の天勢いづる。本役絵麻緒ゆうよりもさらに小柄で華奢な天勢に竜馬とは、これも似合わないだろうな~、と思っていましたが、そういう見た目の柄違いは仕方がないにしても、目線、台詞で徹底的にキザに大きく見せていて、さすがに上手いな~、と感心。歌が良かったのも大きいです。また、音月より一学年上なのが、彌太郎より一歩先を行く大人物という設定に良くハマっていて、開眼の場面は、夢を語り合う若者二人が、新公を協力して乗り切ろうとしている超若手の二人と重なるようで、息が合っていて好感が持て、微笑ましかったです。 後藤象二郎の蒼海拓。愛嬌のある容姿がこの役に良く合っていて、これまた愛らしい象二郎でした(^_^;)。台詞や歌は上手い印象があっただけに、それ程インパクトがなかったのが残念。 喜勢の紺野まひる。本公演でも芝居、ショー共二番手格で活躍していますし、新人メンバーの中に一人だけスターが交ざっているかのような違和感がありました。非常に控えめに役に徹していて、デビューの頃から大役に体当たりしていた事を思うと、お姉さんになったなぁ~、と思います(^_^;)。紺野自身、まだまだ完成していない所があり、新公で勉強しなければならないのも分かりますが、他の娘役に機会を与えてあげて欲しかったなぁ、という気はします。華やかで、歌も良く、音月のデビューを思うと、強力な助演であった事は間違いないですね。 丸奴の千咲毬愛。「凱旋門」から注目している娘役さんで、しっかりした台詞にパワーがあったのは期待通り。もう少し見た目にすっきりすればヒロインも見てみたいです。 利佐衛門の玲有希はまずまず。矢島彌太郎の聖れいは甘い容姿が目立ちます。ヒトミの山科愛は彼と二人っきりになりたい、という可愛い彼女役になってました。そして、神宮寺の牧勢海は二人の中にちょっかいをかけたくて仕方がないおやじ、みたいな役に変えていてユニーク。前向きな姿勢を買いますが、番頭の方も似たようなキャラクターだったのが惜しい(^_^;)。 アドリブを入れやすい作品だとは思いますが、全ては挙げきれない位、役を工夫して変えている人が多くて、その点見ていて非常に楽しかったです。やっぱり雪組若手、達者で芝居好きが多いのは相変わらずなのかな~、って嬉しくなりました。 中でもピカ一はメイド役の緒月遠麻。プログラムを見ていたので男役だと分かっていたのですが、あの役なら男役の方が迫力あって良いかな~、くらいに思っていたんです。それが振り返って開口一番ドスの効いた声での「コーヒープリーズ!」で爆笑。すごい恐い顔で象二郎にせまり、蒼海がまたあの愛嬌ある顔で「助けてくれ~」って無言の演技をしているのが最高! 胸のパットを引き上げてみたり、金髪ロングの鬘を脱ぎ捨てたりして、もう釘付け。最後にはやってきた音月彌太郎の方へ行って、またはっしとにらみつけたまま、可愛い音月のほほをヒタヒタと手でさわっているのがもうたまらん、って感じでした。面白かった場面として、私の記憶に長く残るでありましょう(^_^;)。姿のせいで良くわからなかったけれど、多分なかなかの二枚目なのでは・・。とにかく名前は完璧に覚えましたよ! 初舞台の時に目についた研一の凰稀かなめに川上音二郎の役がついていたのも楽しみの一つでした。台詞もなかなか素直な声で良かったです。その他の場面でも何度も登場していて、丸山料亭の場ではアドリブにもチャレンジ。竜馬にピコッと音の鳴るおもちゃのハンマーでたたかれて嬉しそうな顔をしているのが可愛かったです(^_^;)。 長の挨拶をした麻愛めぐる。達者な人が多かった中でも台詞の安定感ではさすがに一歩前をいっていました。吉田東洋の扮装と挨拶の声の可愛さのギャップで客席また爆笑。それで少し動揺していましたが、その後は考えてきた挨拶をしっかり話してくれて、内容が立派で感動しました。そして初主演の音月を「せーの!」と先導し、皆で「おとづき~!」って呼ばせていたのがまた良かった! 雪組新公は「浅茅が宿」以来の久しぶりだったのですが、すごくチームワークあって良いな~今の雪組若手も! と思いました。そんな中デビューした音月。雪組を観る楽しみがぐっと増した新公でした。 (満足度 ★★★★★) |
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