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カステル・ミラージュ/ダンシング・スピリット!

宙組/宝塚大劇場11/16~12/25・東京宝塚劇場2/16~3/24


JIMMY
  Date: 2002-05-14 (Tue)

広島公演から2週間。再び宙組全国ツアー公演、彦根5/12の昼公演を観てきました!

まず、下に書いた久遠麻耶テイラー「少年王 or 天才少年」説は、却下、却下!!
初日から2日目の広島限定の公演評という事にしておいて下さい(^_^;)。
(これだけは書いておかないと、久遠に申し訳ない・・。)

2週間たって、随分成長し、大人になっていました。
下に書いたような別方向からの深読みがなくても、自然に物語の中に存在できていたと思います。
広島のテイラーは、それはそれで、下のような物語が考えられて、私としては面白かったのですが(^_^;)、今回の彦根の方が、ちゃんと役に近づいていて良いに決まっています!

全体的に、台詞、歌に情感が増していたのでしょう。見た目は相変わらず若いのですが、それで随分違和感がなくなってしまうものなのだと感心。
特に別れたアリアーヌ(花總まり)を思って歌う歌が良かったです。下に書いた「可哀想に・・。でも、きっとそのうち、本当の恋ができるよ。」なんて考えは、全然浮かびませんでしたよ(^_^;)。

又、広島では「あの若さで、精神的にそりゃ出来過ぎだ。」と思えたラストのエヴァへの譲歩も、ちゃんと気持ちの流れが自然に伝わってきて、驚きました。
さらに、衣装の着こなしまで良くなっていました(^_^;)。特に「湖月わたるの衣装は大きいのね」と感じた紺のジャケットも体になじんでいましたし、難しそうなベージュのダブルのスーツも、ちゃんと似合ってスマートでした。
今までにない大役とはいえ、2週間でえらく変わるものです。
この全国ツアー公演を経た、次の大劇場公演の久遠が楽しみです!

他では、芝居では苑みかげの大家さん(ウェルズ)。広島でも十分上手かったですが、彦根では更にアル中入った演技をしていてびっくり(^_^;)。しかも、めちゃくちゃ上手い!
また、広島では今一歩だったドリスの美風舞良が、かなり台詞の声が自然になっていました。
2週間で明らかに変わったのがこの3人。さすが若手は伸びますね。


彦根の会場は新しい建物で、音響も良かったです。特にマイクの入りが大劇場よりも良いくらいで、ソロの人の声が、とても良く聞こえました(^_^;)。
ショーでは、「ジュエリー」で、久遠の兵士Aに見とれていたら(^_^;)、盗賊Sの和央ようかの「偉そうな奴が来たな。やっつけようぜ!!」っていうアドリブが、バッチリマイクに乗って聞こえてきましたよ。

炎の場面では花總が「おぉ~ぅ」みたいな低い声を発してくれたり、「ネズミ&ネコ」では、和央が「にゃ~お!」って鳴いたり、花總と「がぉ~!」「がぉ~!」って言い合いしたりして(^_^;)、なかなかサービス多くて面白かったです。

若手に良い役が回ってくる全国ツアーは、なかなか発見が多くて面白いです。
彦根なら意外と近いし、交通費も安いし、他の組でも観てみたいな~、と・・思ってしまいました(^_^;)。


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JIMMY
  Date: 2002-04-30 (Tue)

宙組全国ツアー公演「カステル・ミラージュ/ダンシング・スピリット!」、広島4/28の2公演を観てきました!

昨年大劇場で観て以来ですが、全体に芝居も充実し、台詞も少し加わっていて、さすが東京公演を経て面白くなっていると思いました。
中でも、和央ようかの充実に目を見張ります。一つ一つの動きに余裕が見られ、ちょっとしたしぐさに遊び、サービス精神があるのも分かり、「たかちゃん(和央)も貫禄出てきたな~」と頼もしかったです。
他組で遅すぎたトップスター就任が続いていますが、そんな中、トップになってから着実に公演毎に成長している和央の様子を見られるのは、やはり宝塚ならではの良さだと、しみじみ思いました。

又、役替わりも想像以上に良かったです。
確かに湖月わたるの役が久遠麻耶。伊織直加の役が磯野千尋。成瀬こうきの役が寿つかさです。スターは減ってますが、それぞれ良くハマっており、又、人数が減った分、スッキリ分かりやすくなり、正直に言うと、私はこちらの「カステル」の方が自然で良いのではないかと思った位です。


上記の「ハマっている」とか「自然だ」と書くのに、一番躊躇するのが久遠テイラーなのですが(^_^;)、私は久遠なりにハマっていたと言えると思います。こうなるのか~と思いました。

「最高の教育を受け、最高の地位を約束された青年。」という点に一番納得。見た目がピカピカに若いのに、何故か新聞王として既に地位を確立しており、しかも既に麻薬を注射する程病んでいて、更にエヴァ(花總まり)を愛人に囲い、妻とは離婚協議中である・・。

「どう育ったらあの若さでそうなっちゃうの?」と思うけれど、それを当然のように堂々とこなしていて危なげがないのです。
それである意味、一般社会の常識では考えられない超人化してしまって、生まれつき身分が違う少年王か、もしくは特別な才能を持つ天才少年のような、神々しい雰囲気が出ているのが面白かったです。きっとテイラー自身が、常にマスコミに注目されていそうな感じですね。

だから、王族か、天才かの久遠テイラーが、アンダーワールドの一人の男なんかと比べられたくないのが良く分かるし、「超人リチャード・テイラー」と台詞でも言われ、常に注目されている存在であったのは間違いないでしょうから、その点、そういう人物に見えたのは良いと思いました。

エヴァに関しては、きっと、仕事等に超人的な才能を発揮していた青年が、綺麗なお姉さんに初めて恋したのね・・という感じ(^_^;)。
有り余る権力を持っているので、彼女を強引に連れ帰り、デビューさせようとしたのは分かります。あのテイラーなら、まさかエヴァが自分の思い通りについてこないなどとは考えなかったでしょう。

エヴァの方としても、「最初、彼がまぶしかったわ。」という台詞には納得。でも、あの大人のエヴァが、少しでもあのテイラーに本気で恋愛感情を持ったとは考えにくいです。
あまりにも有名な権力者の援助に女優として逆らえず、また脱出できるとあって、世話になってしまった・・という所かな、と思いました。
根本的に、二人は別世界を生きていて、相容れず、本当の姿をちゃんと同じ目線で見られているのはレオナード(和央)だろうし、エヴァがレオナードを選ぶのは自然な事だと思いました。

だから、ジュリエッタ(出雲綾)が「大丈夫よ。彼があなたを好きなうちは。」という台詞に、若いテイラーが美しいエヴァに魅せられているだけで、それは本当に信頼できる愛ではない、という今までにない緊迫感があり、大人のエヴァにはそれも分かっていそうな気がしたのが、面白い所でしょうか。

「私は彼女に魅せられたのだ」という台詞、エヴァを思う歌の「私の築いた城にふさわしい王女がいた・・」という歌詞が、そんな久遠テイラーに妙にマッチしていたのも面白く、「可哀想に・・。でも、きっとそのうち、本当の恋ができるよ。」と思いました(^_^;)。

それだけに、最後、エヴァを理解し、妨害工作を止め、彼女をレオナードの元へ送り届けるのは、いくら超人であっても、あの若さで、精神的にそりゃ出来過ぎだ、という気がします(^_^;)。

イメージは全体にこんな感じでしたが、ピカピカに若く美しく、堂々とした品のある男役が見られて大満足でした。台詞の声も、歌声も良く、↑のように深く考えない人でも(^_^;)、見た目が若くてエヴァと釣り合わない事を除いては、良かったと思われるのではないかな、と思います。

ショーは全場面役替わりがあったのではないでしょうか。
プロローグではテイラーから一転、「明るいライトを体にあびて~♪」という歌詞がピッタリの、明るく可愛い笑顔、のびのびとしたダンスにホッとします(^_^;)。

以前はキザって踊る場面でも、すぐに男役形無しになるふにゃ~とした笑顔になって、「キザ顔が1分以上もたないのではないか?」などと書いた事もありましたが(^_^;)、今回はちゃんともっていました。
中では、プログラムを見た時から期待しましたが、「ダンシング・ジュエリー」の兵士A。青のコスチュームとハードな表情がとても美しかったです。
後は、伊織と椿火呂花の絡みで話題だった、炎の中詰後のコーナー(^_^;)が、久遠のソロになっていて、本公演で、このナンバーに入っていない事が秘かに残念だったので嬉しかったです。
色気があって良かったですよ~。最後は投げキッスにウインクで締めてくれて、大喜びでした。
笑顔も、以前のようなふにゃ~っとしたものではなく、見ている方は自然、たぶん演っている方は押さえている(^_^;)男役らしい笑顔になっていて、随分変わったな~、と思いました。


磯野のアントニオも予想以上に良かったです。「血と砂」のペスガデロも良かったのですが、その時は往年の人気闘牛士という雰囲気が、哀愁も伴って、良くハマっていた・・という良さだったのが、今回はショーでも大活躍とあって、スタイルも随分持ち直し、ダンディな色気を漂わした、磯野ならではの魅力あるギャングのボスになっていました。
和央レオナードを引き抜くボスという設定に無理がなく、伊織の方がもちろんキレイですが、この役は、和央より明らかに年上の磯野の方が合っていると思います。
歌もまずまず。これ程活躍しているのを見たのは、同期の大浦みずきトップ時代以来ではないでしょうか。

寿つかさのフランクも良かったです。成瀬こうきはどうしても「いい人」に見えてしまい、それが彼女の良さだと思うのですが、もっと単純に、レオナードにはどうしてもかなわないが、負けん気だけは強い小物、物語中でははっきり適役に見えて、人物像がスッキリ分かりやすかったです。
ショーでは流石にダンサーの威力発揮。特にジャパネスクの男Aの、棒を使ったナンバーでのソロが、鬘も良く似合い、かっこ良かったです。

各々4人ずついた子分達は、今回は2人ずつ。レオナードにつくのがリックの月丘七央とジャスパーの華宮あいり。華宮より月丘の方が、わずかながらも役が良かったのは初めてではないかと思うのですが、月丘の方がスーツが似合っているので、納得の配役だと思いました。
月丘は今まででベストの舞台ではなかったでしょうか。とてもキレイで目立ちました。

その分、ショーでは華宮が活躍していましたね。フィナーレ大階段前で成瀬こうきが歌っていたナンバーが華宮だったのですが、押し出しや歌は弱いながらも、相変わらず彼女ならではの危ういムードが出ていて面白かったです。

二人同期でバランスが良く、和央をはさんで歌う「夢のハリウッド~♪」のナンバーは華やかでとても楽しかったです。
子分役としてはバーテンのクリス(夏大海)がそのまま仲間に加わって活躍しているのも良いし、設計士のクラーク(風莉じん)ものびのび役を楽しんでいて、いつもながら宙組若手は秘かにチームワーク良く、遊びがあって好きです(^_^;)。

その他では、ステファーノ侯爵が登場せず、夫人の出雲のみの出演になっていたのですが、これが、絶対こちらの方が良かった!
テイラーが紹介する時点で、一人だけなので印象に残りますし、密輸交渉の件が、レオナードと夫人の二人きりになっていたので、危ないムードが出ていました。
こちらのバージョンで、陵あきのの夫人を見てみたかったです。それなら、消化不良にはならなかったでしょうに・・。
もちろん、出雲も一癖ありそうな夫人で上手かったです。
ドリスが美風舞良になっていましたが、元気は良いものの、声がバサバサしていて、キャリアの違いはあるものの、出雲の声の良さを痛感しました。

苑みかげはウェルズもマクガバンも上手くて期待通り。ガンピーノが巽希和で、一緒に出てくると背格好が似ていて、遠くから見ると見分けがつかないのがちょっと笑えました(^_^;)。

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莉花
  Date: 2002-03-27 (Wed)

東京まで役替りの樹里テイラーを観に行ってきました。
といっても大劇でも1回だけの観劇でしたのでそう何処がどう違うとかはわからなかったのですが、なんとなく全体に感じたことを・・・・。

『カステル・ミラージュ』

やはり始めのコートでの男役のダンスはかっこいい。途中でベルトをとる仕草などとても素敵で、お芝居が始まる前からワクワクさせてくれます。
で、これを観に行く前になんとなく「JFK」のビデオを見たばかりだったので、最初のレオの死の報告の場面から始まるのがまったく同じなのが笑ってしまいました。
レオナードはかっこいいですね(笑)。砂漠のところでエヴァに「歩けなくなったらおぶってやるさ。」って言う台詞を聞いて、「きゃーかっこいい~~。」と年甲斐もなく喜んでしまいました。レオはいつまでも若くて年をとっていく姿が想像できない。そのため最初から最後までエヴァ=マリーの方が年上に見えました。花總エヴァが落ち着いた台詞回しをしていたから余計なのでしょうけれども。あと店のお金を渡してエヴァをイタリアに送り出す時、「戻ってきたら結婚しよう(だったかな?)。」って言うのは、この後、もう生きるつもりがないのだったら期待させてしまう分、エヴァが可哀想だと思いました。
そして今回東京まで観に行った樹里テイラー。やはりわたるテイラーと比べると存在感の「大きさ」とか「強さ」というものは感じられなかった。わたるテイラーが自分の腕でのし上がって今の地位を築き上げた新聞王なら、樹里テイラーは2代目新聞王という感じで、先代の作り上げたものを必死で守っていて、そのプレッシャーから薬にも手を出しているという感じに見えました。(「デパートメント・ストア」のリッチーの深刻版(?)といった感じでしょうか。違うかな?・・・笑。)レオとエヴァの間に立ちはだかる障害としてはやはり少し弱かった。でもその弱さの部分がエヴァに対しての切ない程の気持ちとして現れていたのは良かったと思う。わたるテイラーは大きい存在だったけれど「本当にエヴァのこと好きなの?」と思うところがあって、物足りなかった。樹里テイラーは銀橋の歌がとても良く、テイラーの方が可哀想になってきて、私なら夢ばっかり追ってるレオよりテイラーのほうがいいなぁと思ってしまうほどでした。あの歌は東京じゃなかったら何度も聞きに行きたかったな、と思います。レオとテイラーが絡む幻想のダンスのところは、やはり和央レオが大きいのでわたるテイラーの時のような緊迫した感じが出ていなかったと思います。
あと今回気になったところは、伊織アントニオの存在感があまりなかったこと。前観た時は「渋くて、かっこいいわ。」と思ったのですが、声もあまり出ていないようだったし、何より小さく見えました。


『ダンシング・スピリット』

初見の時は、次から次へと踊っている感じで「わぁ、すごい。」と思ったのですが、今回はダンシングと言いながらも結構歌ってるんだなぁと言う印象でした。
伊織さんが黒のスーツで登場しての男役さんでのダンスは「アンダーワールド再び?」という感じで、思わず伊織さんのひげを捜してしまいました(笑)。
みんなが赤い衣装で踊るところなんですが、下がタイツなんですね。あれはちょっと苦手でした。顔を見ていると男役なんだけど足は女の人なのでどうも変な感じでした。
後は一つ一つの場面が長く感じたこと、特に「ダンシング・ジュエリー」のところは、前見たときも(?)だったのですが、やっぱり面白くなかった。ただたかこさんはカッコよかったです。こういう格好と鬘がすっと似合うのっていいですよね。
ロケットの登場の仕方は2段になっててなんか豪華に見えてよかったです。
フィナーレの伊織さんの場面、ここに限らずなのですが、寿・朝宮の2人に目が行ってしまって、真ん中をあまり見ることができなかったです。
樹里ちゃんは相変わらず「シャキシャキ、パキパキ」してて(?)見ていて気持ちよかったです。早く宝塚で踊る樹里ちゃんの姿が観たいです~~。


今回二度目をみて、私の中でお芝居の方のポイントは上がったけど、ショーの方のポイントは下がったと言う感じです。きっともっと回数を観ればもっと差が広がっていくのかも・・・・。ショーの方に感動できるようなダンス場面がひとつでもあればいいのですけど、ただ人数出てきてみんなで踊っているだけでは飽きちゃいますね。

ゆーみ
  Date: 2002-03-21 (Thu)

新しい東宝劇場になってからというもの、ぼんやりしていると1枚のチケットの獲得すら難しい。良かったからもう1回なんていう贅沢もなかなか許されません。しかもさばきは禁止という厳しいご時世。関西の方には想像できないくらいのチケット難が続いています。贔屓の退団発表ショックにも立ち直り、連続観劇40年の記録を維持すべく(汗)、なんとか2回の観劇ができました。トシのせいとは言いたくないけれど、1回では、特にショーはごく印象的な一部を除いては何がなんだかわからないことが多くなって、2回は必須です。今回、2回目をゲットする気力が湧いたのはテレビ『Starlight Passenger』に出演した伊織さんを見たから。とっても綺麗でしたし、花組関連の生徒はどうしても気になります。その意味で今回の萌水さん、朝比奈さんの退団はすごく残念です。

というわけで、今回の宙組さんは主役級には贔屓がいないので気楽に観てきました。

『カステル・ミラージュ』

ウーン、何も悪いところはないのだけれど、和央さんはじめマフィアがたくさん出てきて男役を堪能させてもらったけど、なぜか終わった後、感動がないんですね。これは主役二人の恋が燃焼しきっていないせいかなと思いました。切羽詰った世界情勢と厳しいマフィアの掟の中で必死で恋をしているって感じがしませんでした。でも、もしも私が和央さんのファンだったら、少年時代も見せてもらえて、悪の香りを漂わせながらも純粋さも失わないレオナードを終始惚れ惚れと見たことでしょう。でも、生徒への思い入れが加味されてはじめて完成するのでは、プロの作家とはいえないと思うのです。

小池先生の描く人物はいつも詰めが甘く、せっかくの素材、設定を十二分に生かしているとは思えません。ただし、場面の転換、ミュージカル処理ではなんといってもピカイチではあります。『JFK』の頃から進歩が見られないのが気になりますが、初めて接した方ならその変化を堪能されるのではないでしょうか。

和央さんは前述したとおり、爽やかな青年を爽やかに演じきっており、心地よくも又物語を薄味にもしていました。花總さんは綺麗なのですが、レオナードに出会うまで何故テイラーの元に居たのか心理がつかめませんでした。砂漠のシーンでのパンツスタイルに思わずジャクリーン・ケネディを思い出してしまい、いつも破綻がないとは言え幾多のヒロインを演じすぎかなと思いました。樹里さんは、妨害をするような人物には見えなかったのが難でしょう。銀橋の歌はとてもよかったのですが、テイラーと合致するかといわれれば?です。伊織さんはお髭とソフトが似合うのにウハウハ。直ちゃん、やる!って感じです。人物に厚みがあり、情味があるようで無いボスの怖さを出していたと思います。成瀬さんは三野村さんを見てしまった後ではいかにも役不足。掘り下げ甲斐のない役でもったいなかったです。水さんは舞台がどうこう以前に劇団側のあまりに露骨な売り出しに拒否反応を起こしてしまいました。プロローグなど和央さん?とも思い兼ねない扱いでした。こういう見方は邪道で、大事な元花組の水さんにも失礼と思いますが、劇団は本当に〔宝塚歌劇団〕という団体を育てていっているのだろうかと疑問に思った一瞬でした。水さん自身は軽々とアメリカ青年らしくてスターの華もあって悪くなかったと思います。彩乃さんが宙組に来てからすっかり普通の娘役になってしまい存在感を欠いているのが気になります。反対にふづきさんはいい味をだすようになりました。

その他の方では、陵さんの得体の知れない伯爵夫人が抜群の出来でした。最初しばらくの間(B席でした)あれは誰?とわからず、宙組の地図(?)をアタマに描いてアッと思いました。品も色気も貫禄もあって、でもニセ伯爵夫人かも?と思わせるミステリアスな雰囲気。決して好きな娘役さんではありませんでしたが、退めるのが今更に惜しまれました。テイラーの秘書の朝比奈さん、すっかりこういった色もの系の役が持ち役になってしまいましたが、行間に漂う雰囲気にはいつも心惹かれます。あの可愛いゼニス(ハリケーン)がと思うと感無量です。居並ぶマフィア達では、月丘七央さんのちょっと久世星佳さんを思わせる暗い美しさ、ごつい感じながら時代の雰囲気にぴったりの風輝マヤさんが印象的です。

こうやって思い出していると結構多士済済で、小池先生は座付き作者としての役割は立派に果たしているんだなと改めて思いました。まだまだ書きたい、書き落とした人がいるような気がしますがプログラムを買っていないのでこの辺で。

『ダンシング・スピリット』

まず題名と内容のギャップにがっくりしました。この題をつけるなら、ダンスと場面として語り継がれる場面をせめて一場面なりと作る気概が中村一徳先生にはあったのでしょうか?甚だ疑問です。そして何の配慮も感じられない色使いの場面の連続。一徳先生の手の内にはこれしか無いのかと落胆させられる場面の連続。もしこのショーの脚本が出たら気恥ずかしいと思われるような歌詞の数々。なんの発見もなく終わってしまった作品。もっと気楽に一夜の夢を楽しもうよと囁く自分もいないではありませんが、なんだか一徳先生のショーを見れば見るほど脳細胞が減っていくような気がしてしまうのです。私は青春期に全盛期の鴨川清作作品を多数見てしまいましたので、ある意味では不幸な宝塚ファンかもしれません。

そんなわけで生徒さんの印象も余りなくごめんなさい。ただ退団する朝比奈さんに1曲歌わせてほしかったとつくづく思います。『GLORIOUS!』全国ツアーでの活躍が忘れられません。花組で適材適所のショーを見てきたばかりですので、なおのことその感を深くしました。

暴言多謝!反論歓迎!!


すっぴん
  Date: 2002-03-17 (Sun)

宙組東京公演感想 役替わりを含めて書いてみました。


雪組のたっぷりとした芝居とゆったりしたテンポのショーの後で、宙組のさらっとした芝居と、ノンストップで踊って歌うショーを見ると組の色の違いというか、トップさんの持ち味の違いのような物を強く感じました。
2人とも雪組育ちなんですけれど・・・

「カステルミラージュ」は最初見た時ストーリーについていけなくて、何でこうなるわけ?
という気持ちが残ってしまいましたが、何回か見るとテンポのいい展開と音楽の良さもあって、楽しめます。
何よりも、背広姿の男役っていうのはカッコいい。

この芝居の疑問点は、何故テイラーが簡単にレオナードへの妨害工作をやめてしまうのか?という事と、何故レオナードは他の選択肢がありそうなのにあっさりと死んでしまうのか?の2点だと思います。

最初の疑問点は、新聞王としてのテイラーのプライドでしょう。
妨害工作をやめて欲しいと頼みに来たエヴァ=マリーの条件を受け入れても、拒否しても、石ころのような人間と、同じ土俵に立つ事になってしまうから。

もうひとつの疑問点。
これは主役がたかちゃん(和央ようか)だから。
リアリティーを余り感じさせない芝居をする人だから電信柱のように真っ直ぐな、マフィアなんていう矛盾した主人公が成立するんだろうなと思います。
エヴァ=マリーに対しても、自分の命に対しても執着があるようには見えないから自分の役目を果たしたら、蜃気楼のように、いなくなってしまっても不思議ではないのでは?

これが、チャーリー(匠ひびき)が主役だと、もっと真面目な主人公でひとつひとつ、律儀に悩んで、最後は自分を追いつめて自殺してしまいそう。

ぶんちゃん(絵麻緒ゆう)の場合、どうしようもなくエヴァに溺れて、あげくの果てに、裏切られて殺されてしまう。
死ぬ間際に裏切られた事に気づいてもふっと笑ってそのまま息絶える。

タータン(香寿たつき)は、組織に追われる事がわかっていても
愛する彼女と2人でどこまでも逃げる直球勝負のレオナード。

りかちゃん(紫吹淳)だとレオナードはプレイボーイで大人の選択をする。

公演の感想から離れてしまいますが想像すると、これが結構楽しいんですよ。


そして本題、役替わりのじゅりちゃん(樹里咲穂)について。
じゅりテイラーを初日近くに見たとき、どうしちゃったの?こんなに遠慮がちな新聞王ってないよな~と思ったのですが、
後半になればなるほどテイラーという役が、板についてきて、切れ者ビジネスマンという感じになってきています。

ただ、わたる君と大きく違う点は、傲慢で恐ろしい人物には見えない事です。
台詞まわしも、ゆっくりめにしているし、表情も仕草も細かいところまで気を配っているのですが、それをすればする程大物には見えなくなってしまうんですね。

自分を中心に世界が回っていると考えている人物だからこそ、エヴァ=マリーが強く自分を主張しても、いやな女に見えないけれど、じゅりちゃんの場合”誠実”なテイラーなので、銀橋での切々とした歌を聞くと、テイラーが悲劇の主人公に見えてしまいます。

大劇場では、わたる君のおおらかな演技と、なおちゃんの渋めの演技とおっちょんの細かい演技と3つのパターンの芝居があって、おもしろかったのですが、ジュリちゃんの芝居とおっちょんの芝居が似ているので、芝居が少し単調かな。
私としては、ナオちゃんのテイラーの方が良かったのではないかと思ってます。

しかしこの2人、他の人が芝居をしている時のリアクションが実に細かくて、見ていると飽きない。
レオナードが死ぬ時に「レオナー~ド!」と叫ぶフランクの台詞が東京公演で増えたのですが、そこに至るまでの、してやったりという気持ちが、驚きに変わって、最後にはレオナードへの友情のような感情まで見せてくれるので、たかちゃん見たりおっちょん(成瀬こうき)見たりなかなか忙しい。


ショーのほうは、じゅりちゃん本領発揮。
芝居だと、遠慮がちに見えますが、ショーになるとあの笑顔が実に魅力的!
ショーの専科の場面、下手からせり上がりで登場するじゅりちゃんにはいつもわくわくさせてもらってます。
ダンシングキャッツの場面の、ネこの耳を意識したヘアースタイルも可愛いし・・・。
しかし何よりもいいのが、ダンスにも歌にもキレがあること。
大劇場と変わらず、くどい色の衣装のオンパレードなのですが、じゅりちゃんが入った事によって、ショーの雰囲気が軽くなったというか、歯切れが良くなったという印象です。

最後に、今回の公演で私的に気になった人。
芝居では月丘七央、暗さを背負ってるというたたずまいがカッコいい。
ショーではふづき美世、目立つ場所で踊っているという事もありますが独特の雰囲気があって目につきます。






ふぶき
  Date: 2002-03-04 (Mon)

3月2日、二回目の「カステルミラージュ」を見てきました。この日はノルさんご観劇でかなり会場が盛り上がっていました。出演者の面々もいつもより力が入っていたと思います。

まず、「カステルミラージュ」について。
これは小池作品。小池先生の作品はよく「中身が薄い」という評価を受けていますが、確かに一度目は夢中になってみれるけど、二度目からは突っ込みをいれたくなるストーリー仕立てです。

スラム街に住むユダヤ移民のレオナードとイタリア人のエヴァ。
この二人の中に共通するのは「人種的なコンプレックス」ではなかったろうかと思うのです。特にレオナードはフランクらとのやりとりから随分蔑視されているような印象をうけましたから。そのあたりをもっと深く描き、その上で「砂漠の真中に夢のホテルを建てたい」とレオが決意したならどんなに素晴らしかったかと思うのです。
また、エヴァはリチャードに庇護されていますが、樹里咲穂演じるリチャードはいわゆる悪役の造形にはなっていません。ムッソリーニの親衛隊にいる弟のことを隠し、彼女を庇いつづける彼は人格高潔とでもいいましょうか。そういう人に「愛がない」と離れていく件はどうにも納得できないものがありました。
また、レオナードが潔く、あまりにも潔く死に向かっていくその心理状態が今一つ理解できませんでした。レオナード程の人物なら切り抜ける方法もあったかと思うのですが。

ともあれ、映画の始まりのような幕の開け方や場面転換のうまさ、観客を集中させる手法、どれをとっても見事でさすがに小池先生だなと思ってしまったのですが。

主演の和央ようか。今回は今までの舞台で最も熱演していると感じます。花總とのラブシーンもかなり綺麗ですし。でもそもそも表情が乏しいタイプなので
感情表現が今一つ。これは永遠の課題ですね。

エヴァの花總まり。今までならこういう役を演じるととっても身勝手でやな女になっていたのに、今回はそれなりに愛すべき女性になっていたのはさすが。
たおやかさが出てよかったと思います。

伊織直加は老け役が似合う学年ですね。樹里咲穂のリチャードは地味ではあるけどそんなに悪い人に見えませんでした。若い人は(私だって若い筈なんですけど)レオ様の強引さや情熱に惹かれるでしょうけど、私はリチャードの包み込むような庇護愛の方に惹かれます。どちらもやり方は多少強引ですけど、リチャードの方が大人にみえるんですよね。

成瀬こうきは前回の「猛き黄金の国」の実力をみれば、もはやどんなに美味く演じても驚きません。

水夏希は軽い役柄でとりあえずボロが出なかった程度。彩乃かなみもそれなりといったところでしょうか。専科3人に圧倒されて若手が引き立たない欠点はありましたが、だからといって専科がでなかったらやっぱり芝居が面白くなかったろうと思います。

「ダンシングスピリット」ははっきりいって「意味のない」ショーでした。
ダンスの羅列だけ。これまた一度目は音と激しいダンスの応酬に観客はびっくりしてハマるかもしれませんが、5年後あるいは10年後にビデオでみたら「どうしてこんな作品ニハマったのだろう」と思ってしまうようなものです。中村先生は宝塚のレビューとジャニーズの踊りをいっしょくたにしているような印象を受けます。

宝塚というのは「男役」と「女役」の織り成すドラマを歌や踊りで表現するのが基本だと思うのですが、今回は明確なテーマやわかりやすいストーリーといったものがほとんどなく、衣装を変えてがんがん踊っているだけのような気がしました。群舞の羅列で芯になるのはトップか専科の3人のだれか。若手が引き立つような場面もなければ退団する人の見せ場もない、トップコンビと専科の持つムードを際立たせる場面もない。要するに誰が芯になっても同じということでしょうか。かなりの手抜きだと思います。

けれどそれが軽佻浮薄で終わらなかったのはひとえに専科のおかげ。伊織・樹里・成瀬の3人がしっかりとタッグを組んでトップを支えたからだと思います。

莉花
  Date: 2002-01-09 (Wed)

宙組の「カステル・ミラージュ/ダンシング・スピリット!」の千秋楽を観てきました。初見が千秋楽だったので、アドリブとかはあまりわからなかったのですが、クリスマスということもあってなかなか楽しかったです。

「カステル・ミラージュ」

私にとっては久しぶりのスーツものだったのでそれだけで嬉しかったりしました(笑)。
話は登場人物が十代のころから書かれているわりにはすっきりとまとめられていて、無理はなかったのではないかと思います。レオナードとエヴァ=マリーの愛、ホテル建設への夢。この二つが軸になって物語が進んでいっていると思うのですが、どちらも結構あっさりと叶ってしまったな、という印象でした。そしてホテルが出来てクラウディオに売上の一部を渡して自ら引き金を引く。その部分もあっという間に進んでしまった印象です。ただ私は主人公があまり苦しんだりするのを観るのが苦手なので(笑)こういう展開はしんどくなくて嬉しかったですが・・。
後は舞台の使い方が、まわり舞台やセリをたくさん使っていて見ていてもあきませんでした。幕をしめて幕前で説明・・・・って言う進行はなるべく少ない方が見ていても楽しいです。

レオナードのたかこさん。怪我をされているということだったので悲壮感の漂う舞台になったらどうしようと思っていたのですが、これで怪我してるの?と思うほどでした。レオナードは・・・良かったと思います。ただこの役自体、だれが演ってもそれなりにサマになるような役柄で、和央ようかでなければ・・・・というような役ではなかったと思います。・・・・と書いていて、たかこさんはいったい何が持ち味で、どんな役が一番合うのだろうとちょっと考えてしまいました。私にとっては、なんでもできるけどこれだけはこの人に。というのもあまり思い浮かばない人なんですよね~~。

エヴァ=マリーの花總さん。う~~ん上手いと思うし、さすがだと思うのだけれど、最近は何を演っても「花總まり」さんという存在の方が役より前に出てきてしまって、見ていても「さっすがだな~~。」とか「上手いな~~。」の感想しか出てこない。大きな崩れはないけれど新しい発見もないという感じでしょうか。。。

リチャード・テイラー。主人公に対してこういう役が存在しているお芝居が好きなんです(笑)。わたるさんは見た目の大きさもあって、堂々として役にぴったりだと思いました。ただエヴァに対する想いというものがもう少し前面に出ても良かったのではいでしょうか。
東京ではこの役は樹里ちゃんがされるので、一体どのようになるのかとても楽しみです。たぶん観には行けないと思うので皆様よろしくお願いします。

アントニオの伊織さん。今回ちょっと見直しました。こんな渋い役ができるなんて・・・・。きらきらの2枚目~~!という役よりはこういう“でん”と構えている役が結構合うんだなと思いました。声も渋くてよかったです。

フランクの成瀬さんはすみません、あんまり印象に残っていません。きっと期待通りだったのでしょう。ジョーの水さんは、明るく振舞っている声を聴くと私の中でまだフィガロが出てくるのですが。ミュージカル映画のスターならもう少し歌を聞かせてもらえるといいのに・・・・と思います。


「ダンシングスピリット」

ショーの方は、これでもか、これでもか。って感じで水→成瀬→伊織→湖月→和央と次々と出てきて、周りも常に踊っている印象で、「みんな若いわ~~~~。」と感心しました。
見た目も派手で、いっしょに連れて行った子供などはとても喜んでいましたが、ただ歌になるとちょっと辛いところもあって、成瀬・和央が歌うとホッとする感じです。
湖月さんがセンターで大階段を下りてくる姿はとてもサマになっていて存在の大きさを感じましたが、ただやはり歌い出すと断然たかこさんの存在感の方がぐっと大きくなるんです。あともう少しだけ歌声に伸びが出るといいのになぁと思います。
場面的に私はダンシング・ジュエリーのところではあまりのれなかったのですが、それ以降はあっという間に進んでいき、とても楽しく、気軽にもう1回観たいな。と思えるショーでした。

惑惑
  Date: 2002-01-04 (Fri)

今頃ですが、落ちこぼれの感想文です。
生徒さんひとりひとりについては、あまり詳しく見てない
ので、主にストーリーについての感想です。
(バウの「フィガロ!」を見て、だいぶ生徒さんの顔と名前を
覚えたと思ったのに、大劇場では全然判別できませんでした。
私ってホント、ヒトの顔を憶えられないヤツ…)

    「カステル・ミラージュ」

上質のハーレクイン・ロマンスとNHKの「プロジェクトX」が
合体したような、よく出来た作品でした。
小池修一郎の脚本は、たくさんの生徒に、出番は短くても印象に
残る役がつくので毎回楽しみです。
ただ、石田昌也には負けますね。石田センセの作品は娘役の
出番も多いけど、小池センセのは男役に片寄りがちです。

和央ようかさん、ステキでした♪
でも、レオナードという人物は、よくわからなかったです。
エヴァ=マリーが好きだ!という気持ちが伝わってこない…
テイラー邸で再会した時に「エヴァ=マリー」と呼びかける場面、
テイラーのプライベート・リビングでエヴァに「電信柱くん」と
言われて「レオンって呼べよ」と言う場面、なんだか怒っている
ようにしかみえません。
エヴァは、いつレオンを好きになったのだろう?

同じ疑問は、花組の「タンゴ・アルゼンチーノ」の時も感じ
ました。
月組の「LUNA」は、珍しく主人公が女性に夢中になる話
だったので素直に楽しめました。
ラブロマンスは、男性が女性に求愛するカタチがいちばん
安心して見ていられるような気がします。
女性が、冷たい男性に求愛する話だと、ちょっと痛々しく
感じてしまいます。(好みの問題か?)

あと、エヴァにキスしようとして「駄目」と言われて、
「女に拒否されたのは初めてだ」なんていうセリフがある
くせに、あとで伊織直加に「仕事一筋の男が女にハマると
やっかいだ」とか言われてるし… 
JIMMYさんが書かれていたので気がついた、公爵夫人の
陵あきのに誘惑されるシーン、確かにありました。
テイラーのプライベートルームで、後ろから腕に触られて
いるんですね。
でも、そういうシーンに見えない。多分台本には「さりげなく
かわす」とでもあるのでしょうけど、レオナードってば全然
気がついてないか、または、なれなれしく触られて気分を
害したというふうにしか見えません。
レオナードって、「冷酷で仕事一筋の女たらし」というタイプ
なのだろうか? (いるのか、そんなタイプ?)

レオナードが最後に自殺する理由もよくわかんないですね。
ただ、演出があまりにもカッコ良かったので、全然気に
なりませんでしたが。
(掟を破って仲間に殺されるほうが自然ですが、宝塚では
それだとちょっと後味が悪いですもんね)
強引に理由をつけると、「エヴァ=マリーとの結婚は組織が
許さん!」と言われて絶望したとも考えられます。
しかし、ここで死んじゃったらエヴァを放り出すことに
なるけど、いいのか、レオナード?
「凱旋門」のジョアンなら、ケロッとしてテイラーのもとへ
戻っていくだろうけど…

普通なら「こうなったのもエヴァのせいだ」と思っちゃう
ところですが、そうは全く感じないのは、レオナードも
エヴァも、信念を持って毅然と生きていくタイプだから
でしょうね。
主役の2人に限らず、小池作品には「ミもフタもない悪役」が
ほとんど登場しないから好きです。
成瀬こうきも、憎まれ役かと思ったけど、いい人でしたね♪

湖月わたるの新聞王は、貫禄ありましたね。
薬物依存という設定でしたが、麻薬の種類にも色々あって、
何日も眠らなくても頭がスッキリと冴えた状態になるもの、
痛みを感じなくなるもの、やたらに陽気な気分になるもの、
ボンヤリ夢心地になって何もしたくなくなるもの等が
あります。
テイラー氏が使っていたのは最初にあげた種類のものだと
思われます。多分、習慣性もないんじゃないかな?
ガウンを着て、くつろいだ様子で注射していたから、てっきり
「夢心地タイプ」のものだと思っちゃいますよね。
あそこは、回りの人間が皆ガウンを着ている中で、ひとり
仕事着で書類の山に埋もれている状態で打ってたほうが
わかりやすいのに、と思いました。(余計なお世話か)

レオナードの友人、ジョーの水夏希はよかったですねー。
あれは、誰がやっても好感を持たれる役ですよね。
(たとえば「3番手時代の和央」が演じてもピッタリだった
だろうな、なんて思ってしまいました♪)
最後の「レオナードの幻想」のシーンでも、ちゃんと
庇いに出てきて感動しました。
しかし、オープニングではマフィアの格好で踊るので、
てっきりジョーも暗黒街の人間なんだと思った。
あれは「ジョー」ではなくて「エンジェルA」なんですね。

このお話がアメリカ映画だったら、ジョーとエヴァ=マリーは
絶対に後で無惨に殺されてしまう役ですが、宝塚では
その心配はないので安心でした。
(いや、谷正純なら殺しちゃうかも?)

あと、小池作品は舞台のあっちとこっちで違う話が同時に進行
したり、銀橋もただ通り過ぎるだけじゃなくて、途中で芝居
してくれたりするので、短い時間にたくさんのエピソードが
盛り込まれて気持ちいいです。
テンポが良すぎて、テイラーのレオナードに対する妨害工作が、
始まったと思ったら終わるのは拍子抜けしましたが。
(あれをじっくりやってたら1本立てになってしまいます
もんね)

    「ダンシング・スピリット」

「引き続き、ラスベガスのショーをお楽しみください」と
いう感じで始まって、楽しかったです。

「ダンシング・リズム」がいちばん気に入りました。
ジャパネスクな群舞って大好きです。
「ミレニアム・チャレンジャー」の大漁ソーランを思い出します。
ワタルくんもいるし♪

「ダンシング・ジュエリー」は、和央さんがこういうハッタリを
きかせる衣装がとっても似合うことを再認識しました。
和央さんの部下たちをボンヤリ見ていたら、なんとなく
華宮あいりに目が行っちゃいました。おデコの広いヒト好き♪
でも、「宝石を守る兵士」の登場、遅くないですか?
盗賊たちが宝石に手を触れる前に出て来るべきだと思うなー。

ダンシング・キャッツは、ちょっと深読みして、白黒テレビと
カラーテレビの戦いかと思ってしまいました。
(「カラー・オブ・ハート」という映画を、この前ビデオで
見たもので)
ダンスもコミカルで良かったけど、衣装も面白かったです。

ロケットでの久遠麻耶、表情がホントに楽しそうでハツラツと
踊っているのがいい感じでした♪

都さんが、このショーの主役は「群舞」だとおっしゃって
いましたけど、同感です。
あきらかに、体育会系の雰囲気がありましたね♪
あとは、ひと組のカップルが何もない舞台にスモークをたいて
カゲソロで5分くらい踊る、という場面がどこかにあったら
言うことナシでした。
(まあそれは宙組でなくても良いですが♪)

フラワー
  Date: 2001-12-27 (Thu)

初めて感想をアップするのでちょっと緊張しています(^^;
「カステル・ミラージュ~消えない蜃気楼~」
「ダンシングスピリット!」
本公演を、千秋楽を含めて@回観てきました…
ご贔屓さんがいるというのは恐ろしいです(^^;

「カステル・ミラージュ~消えない蜃気楼~」
始まった瞬間の印象と言いますか心の中の第一声は「カッコイイ…」でした(笑)
回を重ねるごとに良くなっていくのは宙組さんの特徴ですよね。(もちろん他の組もそう感じますが宙組は特に…)
トレンチコートにソフト帽…宙組では観たことのないスーツ物。やはり下級生がスーツに慣れていないのは仕方ないのかもしれないですが和央さん始め専科の方々はさすがといってよかったのではと思います。
レオナード・ルビーの和央ようかさん。たかこさんの本来の<ナチュラルな演技>が生きた作品だったのではと思います。銀橋での歌、さすがたかこさん!と言いたいですね。JIMMYさんが書かれていらっしゃいましたが何かが欠けているスターさんの多い中、たかこさんの実力は貴重だと思います。幻想のダンス、あの髪の乱れ具合…なにからなにまでカッコイイです!
あの乱れ具合、たかこさんの長年の男役の中から出来たものだそうでご本人もかなり満足していらっやるとか…すぐに元に戻るのも「毎日いいこいいこしてる」(笑)からだそうです。
死ぬときの表情、倒れ方、美しいです…エピローグでのあの笑顔は忘れることは出来ません。

エヴァ・マリーの花總まりさん。やっぱり期待にこたえてくださいます(^^)子供時代の「どいてよ~電信柱!」から、アリアーヌの「だめよ、だめ」まで…自然な流れと言いますかあの短い時間できちんと10年ほどの時間が流れているのだなあと思いました。
お衣装の着こなしもさすがです!!黒のドレス姿で歌われているときは完全に目が釘付けになっていました(^^;
たかこさんとのデュエット、美しいです(^^)本当に絵になります(^^)「歩けなくなったら、おぶってやるさ」と言われたときのレオへの嬉しそうな笑顔や「生まれたままのエヴァ・マリーよ、それでもいい?」のあと、両手を広げたレオナードノ胸に飛びつくときの笑顔はツボです(^^;

リチャード・テイラーの湖月わたるさん。アメリカを動かす新聞王…貫禄がありますね。ちょっとわからなかったのは、なぜ薬の場面があったか…なんだかとって付けたような感じだったように思います。最初のころはほんとにアリアーヌのことがすきだったのかなとも思いましたが回を重ねるごとに銀橋での歌に感情が乗っていったように思われ、切なくなるほどでした。歌のうまさは…といわれるとやはりもう少し頑張っていただきたいです。

アントニオ・ジェレミーの伊織直加さん。コーサノストラのボスとしての威厳があったのではと思います。「大海賊」は観ることが出来なかったので1年ぶりぐらいで伊織さんの舞台姿を観たのですが「ルートヴィヒⅡ世」の誠実な役とはまた違う新たな一面を観せていただきました。

フランクの成瀬こうきさん。専科に配属になってはじめての舞台でしたが、とてもよくなじみつつ専科としての良い浮き方(上手く書けなくてすみません)をしていたと思います。大人になってからもちょっと少年の部分が残ったフランクは成瀬さんならではではないでしょうか。

ジョー・ガーナーの水さんとその恋人パティの彩乃さん。
最終的に結ばれることの出来なかったレオとエヴァとは対照的に最初から最後まで一緒にいて仲のいい二人です。
水さんはコメディセンスが光っていますね。「フィガロ!」の成果でしょうか。銀橋でのパフォーマンスもいつも楽しかったですし、あとは、歌ですね…
かなみちゃんはやせましたね(^^)水さんと並ぶとすごくお似合いのカップルのように思います。

他の方では、退団される組長さんと陵あきのさん。さすがの演技と存在感でした。ただもともと役があまり…だったので残念な感じもしますね。
朝宮真由さん、朝比奈慶さん、萌水せりかさん…いつもお芝居を締めてくださるこの方たちが退団されるなんて残念でなりません。
そして、退団者ではありませんが私の中で今回のヒットは久路あかりさん!前からお上手な方でしたが成瀬さんとのカップルがすごくいい感じです。大人の女の人ですが、「やめて!一発でもあたるかもしれない!!」の前後、本当にフランクのことが好きなんだなあと…。
カップルといえば、伊織さんと城華さんもお似合いだったと思います。
気になったのは遼河はるひさんの「すごい盛り上がりだぜ~!」のセリフ。毎回、いつ聞いても同じイントネーションというか全く変化がなく…これから研究してほしいです。

長くなってしまいましたので、ショーの感想はまた後日…

ベール
  Date: 2001-12-10 (Mon)

宙組新人公演「カステル・ミラージュ」を見てきました。

今回、ゆうかちゃん(椿)はご贔屓さんの1人なので、ちょっとドキドキしながらの観劇でした。結果は・・・予想通りで、期待以上でも以下でもなく、無難にこなしていたなというのが正直な感想でした。どうも私は、ご贔屓さんの舞台はすごく気に入るか、かなり批判的になってしまうかの両極端の感想になってしまうことが多く、今回は後者になってしまったようです。新人公演全体としても、大きく破綻はないけれど、作品的な要素もありますが、小さくまとまった舞台で、新人公演らしいパワーに欠けたように思います。宙組としてはメンバー的には新鮮だったのに、あまり目新しいものもなかったのは残念です。

皆さんが書かれていることとダブりますが、本公演を見たときから役の書き込み不足には不満を持っていましたし、1人1人が人物として薄っぺらくあまり見応えのある舞台ではないなと思っていましたが、新人公演を見て、それでも本役はそれぞれ一応個性的に演じていたんだなと感じました。また、都さんの書かれているように、スーツ物というのは難しいんですよ。最近の舞台で、どのような衣装がよく使われているのかあまりよく考えたことはありませんが、純粋なスーツ物の新公というのは全組見渡しても久々だったのではないでしょうか?宙組に限らず、多分どの組でやっても難しかったとは思いますが、シンプルな衣装の大切さを今回痛感しました。

レオナード・ルビー:椿(和央)は、良くも悪くもクールビューティ。今まで演じてきた役も、無口なセイタハト、残忍なエムサ、冷酷な基経と、冷たい系統の役ばかりです。カンパネルラもどこか寂しげで、でも少し冷たい印象がありました。今回もその印象は消えず、私にはどうも色々なことに情熱を傾けてる人には見えず、エヴァ・マリーへの愛すらもどこか空虚なもののように思えてしまいました。あの整い過ぎた綺麗な顔が、そういう印象をもたらすのかもしれません。でも、そういうゆうかちゃんだからこそ、女性を愛する役を是非見てみたかったんですが、私的には、何だかしっくりこなかったです。技術的には、とりあえず歌が上手くなりましたよね。もともと下手な人ではないですが、きちんと声が出るようになっており、かなり安定してきたと思います。ダンスは、今回衣装(コート)に振り回されてる印象があり、またちょっとロボットぽくて、幻想のシーンはもう少し色気が欲しかったです。

エヴァ・マリー:彩乃(花總)は、とりあえず見た目の違和感がまず一番印象的だったのがツライかも(^^;。今回、特に花ちゃんのスタイルを強調するような衣装が多かった気がするので、余計でしょうか。あとは、基本的にかなみちゃんっていうのは笑顔が似合う人。無邪気な笑顔から魔性的な笑顔まで、「微笑み」ではなく、「笑顔」。今回の役は、そういうかなみちゃんの魅力が出しにくい役だったのだと思います。基本的に陽性の人なので、退廃的な雰囲気というのはいまいち感じられなかったのが、この役に関してはマイナスだったのだと思います。

リチャード・テイラー:遼河(湖月)は、私はJIMMYさんとは反対で、前回の「愛のソナタ」の方が良かったなと思いました。あの強面の顔とは対照的に、案外軽い役の方が似合う人ではないかと私は思います。エヴァへの愛情があまり感じられず、主役3人ともに関してになりますが、「恋愛」の要素があまり感じられなかったのが、今回の新公の大きな不満点だったような気がしました。「大恋愛」というのではなく、さりげない内に秘めた愛ってのは表現が難しそうですね。

ジョー・ガーナー:華宮(水)は、今回はすごく役にハマってましたし、無理なく演じれていて彼女の持ち味にあっていたのだと思いますが、反対に言えば、永遠の少年なのかなという気もしました。今このような役を与えられたことは彼女にとってプラスだったのかどうか?ちょっと疑問が残りました。

アントニオ:夢(伊織)は、完全に脇の役になってしまっていて、何となく直ちゃんってやはり路線として育ってきた人なのね~と妙な感心をしてしまいました。歌のシーンが結構あった気がしますが、それが歌えてなくて、全体的に印象が薄かったです。

フランク:速水(成瀬)は、妙な貫禄があって、それはなかなかすごいことだと思うのですが、この役に関しては、世間を上手く渡ろうとするヘナチョコチンピラという感じの役だと思うので、ちょっとイメージではなかったです。夢と役が反対だった方が、良かったのではないでしょうか?

今回一番の収穫だと思ってしまったのが、ジュリエッタ:ふづき(陵)。新公ヒロインを2回見てますが、あまり良いと思ったことない人だったのですが、要するに女役だったんですね、この人も。(この「も」は、私の中では久路あかりを指します(^^;。彼女もヒロイン系より断然女役が似合う人。)何か企んでるような目線といい、妙な色気といい、貫禄といい、素晴らしかったです。その同期生であり、旦那役でもあったクラウディオ:苑(大峯)も、相変わらず上手い。今回は役不足の感はありましたが、しっかりと芝居を締めてくれました。2人並ぶとかなりゴージャスで見た目も良かったです。

ドリス:美風(出雲)は、セリフ廻しが本役そっくりだったのが気になりましたが、上手い人ですね。前回フィガロの可愛い役も似合ったましたが、こういった役もできるのかと新発見。見た目(体型も^^;)やセリフ廻しが少しエリカちゃん(美椰)に似ているような気がして、ちょっと気になる存在です。その対とも言えるヘレン:音乃(鈴奈)も、下級生らしからぬ落ち着きがあってなかなか良かったです。

手下4人組ずつは、本公演でもですが、特に書き込みもなくやりようのない役で残念。その中で、月丘のスーツの着こなしが案外良かったのが印象に残りました。

その他、クリス:甫純(初嶺)の細かい芝居、クラーク:風莉(夢月)のコミカルな演技、エイミー:あくら(優花)の抜群のスタイル、バート:十輝(貴羽)の端正な顔立ち、ルチア:白河(萌水)の上品なおばさんっぽさ等が印象に残りました。カーターの夏(朝比奈)は、本役の妖しさ(^^;を再認識してしまったというか、普通に演じると面白くない役だったんだなと思いました。前回の国王様(大峯)が良かっただけに少し残念。

今回、かなり辛口になってしまいましたが、多分、このお芝居自体が新公で演じるには難しかった部分が大きいと思います。それでも、ここから、椿・苑・ふづきが抜ける次回の新公は、少し心配ではあります。

マーガレット
  Date: 2001-12-09 (Sun)

宙組「カステル ミラージュ」新人公演

新人公演に先立ち1時の本公演を見た時、正直言ってこの役で最初で最後の新公主役をやる椿さんは運が悪いと思いました。
主人公のキャラクターがあまりはっきりしておらず、特にすごい波瀾万丈の人生と言う訳でなく、コスチュームでもなく、泣いたりわめいたりするわけでもないアクセントのつけにくい役なので、本役の和央さんはいざしらず新公学年がこなすには大変な役だと感じたのです。

果たして幕が開いてみると、心配していたように一本調子のきらいはありましたが、思いの外にセリフと歌が良いと感じました。クールビューティーと言われている椿さんの持ち味は、言いかえれば表情がないということに通じる諸刃の剣だと思いますが、最終場面のロシアンルーレットで、最後の引き金を引く前の、愛する人を思い浮かべているかのような幸せそうな表情が、とても印象的かつ効果的に感じられ、グっときました。

フィナーレの舞台中央で一人で歌う場面は、本公演を見た時も「失われた楽園」で真矢さんがコート姿で歌う場面を思い出させると思ったのですが、ミキちゃん似といわれている椿さんが演じると、本当にそっくり!言葉は悪いのですが、ミキちゃんが化けて出て来たかと思ったほどです(笑)。

リチャード・テイラー役の遼河さんは男役らしい雰囲気が出て来たなと思いました。本役の湖月さんより麻薬中毒という雰囲気は出ていたかも(^_^;)。歌の場面は情感がちゃんと歌詞にのっているのに、セリフにそれがあまり感じられないのが残念です。

ヒロイン エヴァ・マリー役の彩乃さんは、すぐ明日からでもトップ娘役が出来そうな雰囲気・力があると思いますが、今回の役は彼女の持ち味的にもうひとつはまっていなかったかなー・・・。経験・貫録すべてが椿さんより上と言う印象が強く、椿さんに包容力が感じられなかったのが残念です。でもさすがに上手なので、芝居を締めていたと思います。

ジョー・ガーナー役の華宮さん(本役・水)、役のキャラクターに良く合っていました。軽い動きがきれいです。

フランク役の速見さん(本役・成瀬)、地に足のついたお芝居でうまいと思いましたが、この役にしてはすごみがありすぎかな(^_^;)。本役さん演じる所のへっぽこぶりも出ていないと役としての説得力にかけるかもしれません。

その他印象に残ったのは、ステファーノ公爵夫妻の苑さんとふづきさん。検事役の鷹羽さん。
苑さんはスーツ姿がもう一つの宙組若手のなかで、スーツもすっきり着こなし、なかなかの二枚目でした。最後も長として挨拶していましたが、まだ新公学年だったのねーというのが正直な感想です(笑)。
椿さんも音楽学校の時から同期に「兄貴」と呼ばれていた彼女らしく、落ち着いてまったりとしたご挨拶でした(^_^;)。

すっぴん
  Date: 2001-12-09 (Sun)

宙組新人公演を見てきました。

今回の「カステルミラージュ」という作品、本公演を見た時、本役さんに当て書きされているにもかかわらず、何か物足りなさがありました。
ドラマチックな展開があるわけではないし、それぞれの性格の書き込みが充分ではないので、新人公演で演じるのはとっても大変そうなお芝居だと思います。
主要メンバーは組替で来た人、それも別々の組から。
おまけに慣れないスーツを着こなさなくちゃいけないと・・・。
本公演と同じなのは、どちらもしっかり者の娘役さんにちょっと頼りなさそうな男役さんという構図でしょうか?

開演の挨拶で「宙組の椿火呂花です」というアナウンスを聞いた時
本当に宙組のメンバーになったんだな~とちょっと感動!
星組の『皇帝』の新人公演の時”このきれいな男役さんは誰?”と思ったのが椿さんの初めての印象でした。
星組では朝澄さんと真飛さんの影に隠れた形になっていましたが、真ん中の似合う人ですね。
”真矢さんに似ている”というのが定番ですが、私には初風さんとイメージがだぶって仕方がありませんでした。
何よりも声がいい!歌も台詞も気持ち良く耳に入ってきます。
しかし、淡々とした印象を受けるのは、歌も台詞もダンスもすべて
同じテンションで表現しているからでしょうか?
最大の見せ場であるレオナードの幻想のダンスで、魅せてくれないと不完全燃焼のまま終わってしまうのです。
まあ、このダンスは和央さんの手の長さと”くねっ”とした動きに合わせて振りを作っているようなので、むずかしそうではありますが・・・。
役作りは、和央さんがレオナードパートⅠだとすれば椿さんはパートⅡ。
同じ人物を表から見るか、裏から見るかの違い。
『風と共に去りぬ』のように2人で登場すれば、面白かったかもしれません。
本公演ではあまり見えなかった、アンダーグラウンドに生きるレオナードの影の部分をうまく表現してました。

エヴァマリーの彩乃さん。
台詞は花總さんがお手本だったようで、本役さんとそっくりな言い回しが結構目につきましたが、歌はさすがで、彩乃かなみとして、聴かせてくれました。
笑顔の似合う人なので、少女時代は良いのですが、大人になってからの、どこかけだるい雰囲気はだせてなかったような気がします。
スレンダーな花總さんと健康的な彩乃さんのスタイルの違いで余計にそう思うのかもしれませんが・・・。
しかし、見ていてとても安心できる娘役で、いいですね~。

テイラーの遼河さんは、本役さんの衣装が一番ぴったり合っていて
その点ではお得。
月組の時と同じテンションのように見えるのですが、宙組の雰囲気
にうまく溶け込んで、余り違和感がありません。
湖月さんよりスケールを1回り小さくして、ちょっと影を足したようなテイラー。
台詞はちょっと棒読み風ですが、歌になると感情がこもっていて良かったです。

ジョー役の華宮さん、「俺達はワルだったというよりやんちゃだった」という台詞がこれ程似合う人はいないかも。
不良少年役をやらせたらピカイチですね~。
結構クセのある芝居なんですが、今回のようにはじけた役だと、ぴったりはまります。
わかりやすいキャラクターだから作りやすいという事もありますが。

フランク役の速水さんは、本役の成瀬さんとは違って、骨太なイメージの人なので、レオナードとテイラーの微妙な力関係が本公演とはかなり違っていました。
貫禄もあって、レオナードにとっては手強いライバルというところでしょうか。
宙組の中ではこういう持ち味は貴重です。

アントニオ役の夢さんは、頑張っていましたが、ボスとしての大きさが不足。
パティの美羽さんは、お行儀のいいお芝居でしたが、余り印象には残ってないです。

もう新人公演に出る必要ないんじゃないの?という苑さんは、今回組長さんの役。
本公演にはベテラン専科さんが出演していないので、最上級生である組長さんの役がまわってきたのではないでしょうか。
ジュリエッタ役のふづきさんと共に本公演のレベルのお芝居で、助演賞。

見終わった後、纏まりのなさは感じましたが、それぞれの出演者は自分の個性を見せてくれたし、本公演より遊びの部分は頑張っていたし、楽しむ事ができました。







  Date: 2001-12-06 (Thu)

宙組新人公演「カステルミラージュ」観てきました。

ゆうかちゃん(椿火呂花)主演で注目を集めていた公演。本公演も専科が多数でているため、キャラクターが多彩でそれを下級生たちがどう演じるのか見てみたいと思っていました。チケットが手に入らず半ば諦めていたのですが、譲っていただくことができ、喜んで行ってきました。

まず全体的な感想ですが、なんだか、かみ合ってなかいように感じてしまいました。ちぐはぐ、まではいかないんですが、何か、それぞれが自分のことで精一杯、とても相手との掛け合いや芝居、全体にまで気を配る余裕がなかったように思います。
ま、私は新人公演観るのはこれが2度目(1度目はお正月の業平。本公演メンバーの前列の席に座ってしまい、観劇どころじゃなかったんです・・・)なので、新人公演の平均的な像がわからないので、こんなものなのかもしれませんね。やや厳しい感想になったらごめんなさい。

それはおそらくは「スーツ」のせいだと思います。ゆうかちゃんが最後の挨拶でも言ってましたが、ここ最近、宙組は剣を振り回したり、宮廷で生活したりと、スーツを着る機会に恵まれていなかった。本公演ですらスーツの着こなし、動きこなしに難点があったのに、新人公演ではなおさらでしょう。
まずは“男役たるものスーツを着こなさなきゃ!”との意識があって、次に自分のセリフ、歌、ダンス・・・この辺りで力尽きてしまったかな、と思います。

本公演の感想でも書きましたが、劇団による「宙組・差し湯大作戦(かどうか知りませんが・笑)」は新人公演にも展開されていて、主演は星組から来たゆうかちゃん。わたるくん(湖月わたる)の役は月組からのあひちゃん(遼河はるひ)、ヒロインはこれまた花組からのかなみちゃん(彩乃かなみ)と、主要な3役を組替組が占めていました。宙組生としては、まやちゃん(久遠麻耶)、さららん(月船さらら)が抜けて、なおちゃん(伊織直加)の役を夢大輝、おっちょん(成瀬こうき)の役を速水リキ、水くん(水夏希)の役を華宮あいり、という布陣になっていました。

まずなんと言っても注目のゆうかちゃん。私の感想としては、可もなく不可もなく、いや、やや可、というところでしょうか。声もよく出ていたし、ダンス、歌、芝居、そつなくこなしていたと思います。なんといっても見た目、姿の美しさは印象に残りました。これは大きな武器になるでしょう。
少年時代はやはり緊張していたようで、動きもセリフも固かった。余談ですが、“電信柱くん”はやはりちょっと無理があったかな?どうしてもたかちゃん(和央ようか)のためのアダ名ですね。スーツ姿になると逆にほっとしたのか、俄然輝いてきました。もちろんたかちゃんの衣裳を着なければならないハンディは感じてしまいましたが、これはしょうがないですね。よく着こなしていたと思います。
欲を言えば、あと一歩、何かパンとしたものが欲しかった。なんだか想像通りだったんですよね。新人公演ならではの、思い切ったものが欲しかったというのは欲が深いでしょうか。もともとの役もなんだかつかみどころのない役柄なので難しかったと思います。「レオナードの幻想」のところの前で、頑張れ!最後の見せ場だ!と思わず心の中で声をかけてしまいましたが、うーん・・・でした。
が、最後の引き金を引くとき、彼女はうすーく、笑ったんです。それで私ははっとなりました。ゆうか・レオナードは、アンダーグラウンドの世界も、カジノビジネスの世界も、そしてエヴァ・マリーとの愛にも・・・もう全てに疲れていたのだな、と。もう死にたかったんだ、そう思い、ラストシーンでゆうかちゃんの役作りに、彼に共感したとたん、死んでしまいました。
その分、たかちゃんよりもリアルなレオナード像が印象に残りました。

月組でお馴染みだったあひちゃん。彼女もこれが勝負のときだと私は思ってました。
よかったと思います。わたるくんの役ということで、スタイル的にはトクしましたが、わたるくんとはまた違った迫力が出ていました。銀橋でのソロも歌詞がよく伝わるていねいな歌い方で好感が持てました。ただ、彼女もやはり芝居までは気が回らなかったクチで、エヴァ・マリーを手放すところの苦しさや切なさは出てなかったです。

マフィアのボスを演じた夢大輝。よく歌えていたと思います。最初のカジノの場面でのはりきり具合が微笑ましかったです。

速水リキは私はあまり意識していない生徒さんだったのですが、存在にパワーがありました。オリジナリティもあったと思います。

あいりちゃんは水くんの役で、ぴったりでした。見た目の華やかさもよかった。彼女が一番芝居でのびのびやれていたのではないでしょうか。表情もよく出ていました。本役さんとの差が一番小さいと感じたのも彼女でした。

逆に私が残念に思ってしまったのが、ヒロインのかなみちゃんでした。やはり花ちゃん(花總まり)の役は難しいのでしょうね。見た目も痩せて、髪型も工夫して頑張っていたと思うのに。少女時代ですら、なぜ花ちゃんの方が可憐に見えるのだろう!?と観ている私が頭抱えてしまいました。
黒いドレスで登場したときは美しく、歌はさすが!よく通る声、張りと艶のある声が劇場に響き渡って、聞かせてもらいました・・・・が!この歌はそんな風に聞かせるべき歌だったのか、と思い直しました。
かなみ・エヴァはちっとも絶望していないんです。最初っから。テイラーに囚われの身となっていても生気に満ち溢れ、砂漠でしか生きていないといってもそうは見えなかった。
花ちゃんのセリフ回しを真似るなど、なぞったエヴァの型と、彼女の中から湧き出るものが全く一致していないのです。だから、エヴァ・マリーがどういう人か全然像を結ばなかったし、ひいてはレオナードとの精神的な結びつきもわからなかった。エヴァはなぜレオナードが好きだったのでしょう?レオナードが必要だったでしょうか?かなみ・エヴァはレオナードの助けなしに弟を助け出してしまったような迫力さえ感じてしまったんです。
かなみちゃんはかなみちゃんに合った役をやるべきだと思いました。

この二人が芝居の上でかみ合わないので、全体的にどうもちぐはぐな雰囲気が漂ってしまったのだと思います。

新人公演担当の演出家は植田景子先生。大きな演出上の変化はなかったようです。

いろいろ考えることはあっても、新人公演は楽しいですね。なかなかチケットを入手するのが難しいし、平日の夜なので「いくぞ!」と気合を入れないと観られないのですが。今回は見てよかったなぁ、ゆうかちゃんの最後の本当にほっとした顔を見られて嬉しかったなと思いました。


JIMMY
  Date: 2001-12-05 (Wed)

宙組新人公演「カステル・ミラージュ」観てきました!

本公演も初日近くに一度観ただけで、あまり本役の細かい演技や演出は覚えていなかったのですが、その時の公演評にも書いた通り、私には本役でも物足りなく感じたこの作品。良く出来てはいますが、派手さがなく、演じ手の魅力や力量に頼る所の多い作品だと思います。椿火呂花のプログラム談や、苑みかげの終演後の挨拶にもあった通り、新人が演じるにはさらに難しい題材だと、改めて思いました。
しかし、組替えで一新された宙組新人メンバーにはそれぞれ成長が見られ、非常に興味深い公演になりました。

レオナードは初主演の椿。スッキリスマートに、薄くなった真矢みきが、レオナードを演じていると想像して下さい(^_^;)。本当に、何度も既に書いていますが、良く似ていますね~。
顔の骨格も近いのか、声も似ていたような気がしますし、特に青年時代の芝居で見せる笑顔など、似すぎていて恐いくらいでした。とても可愛らしくて良かったです。割と大人っぽいイメージのある人なので、新鮮でしたね。

かえってスーツを着てからのほうが、しっくりきているような気もしました。とてもキレイな男役さんで、歌もなかなか。銀橋で歌う姿に「やっぱり星組で朝澄けいや真飛聖の影に隠れていては惜しいよね~。」と思いました。
何か望むとするならば、もっとパーっと主役らしい押しや迫力があれば、もっと目を引くと思います。非常に発散しにくい役で、難しいとは思いますが。実力的にはかなり安心して見られるタイプだと思いました。
きっともっと派手な、形で見せる作品の方が、彼女の場合は見た目で押せて良いでしょうね。

エヴァ・マリーの彩乃かなみ。まだ新公ヒロイン二作目なのが意外な程、既に大役の経験が多く、華やかさといい、上手さといい、花總に続く娘役としては誰よりも相応しい人だろうと思います。
しかし、さすがの彩乃も、花總の役となると、見劣りがしました。特に、以前よりはものすごく痩せたと思うのですが、スタイルの違いで差が出てしまいましたね。
毎回思いますが、新公で花總の役を演じる人は損です。大人っぽい演技も、当たり前ですが花總の方が上手い。

良かったのは、歌手アリアーヌとして登場した時の歌。素晴らしかったです!
しかし、他のどの組のトップ娘役の役を演じたとしても、きっと彩乃の方が良いと思うだろうな、と思える程の実力、魅力は十分あると思います。
新公でヒロインをする必要は、もうあまり感じないですね。いつトップになってもおかしくありません。

リチャードの遼河はるひ。冒頭の花道での登場から、大人っぽい容姿が生きていて、落ち着いた台詞、銀橋での歌の安定感といい、前回「愛のソナタ」よりずっと印象が良かったです。
湖月と比べると、エヴァを愛しているという愛情や、新聞王として世の中を渡っている大人っぽい洒落た部分が出ないのが物足りないですね。
フランケンシュタインみたい(すみませんっ)な暗い怖さがあって、エヴァを歌手として売り出すというよりは、城の暗い一室に閉じ込めそう(^_^;)な陰湿な雰囲気があったのが面白かったです。麻薬中毒者であるという点では、遼河の方がニュアンスが出ていたと思います。

ジョーの華宮あいり。明るく華やか、色気もあって、一回り頼もしくなったような気がしました。
「砂漠の黒薔薇」くらいまでは、雪組「アナジ」の頃から何度観ても上手くなくて(^_^;)、あまり好きではなかったのですが、ようやく少しずつ、上手くなっているのが感じられて嬉しいです。オスカルに引き続き好印象。
他の役に比べると、演りやすい役だろうな、とは思います。容姿は恵まれているので、今はひたすら、実力アップを目指して欲しいです。

フランクの速水リキ。見た目も成瀬こうきとは全くタイプが違い、地に足ついた、強めの役作りが良かったです。目線を生かして勝負を挑むやんちゃさ。麻薬でひっくり返された時の従順も、上辺だけなのが分かります(^_^;)。成瀬の方が、優しい人に見えますね。
いつでもやり返してやろうという、単純な男らしさが良かったです。

アントニオの夢大輝は手堅いですが、上記の二人に比べると、役が脇役に見えてしまったのが残念。伊織はさすがにスターだと思います。

今回のヒットは何といってもステファーノ公爵夫人のふづき美世。花組でヒロインをしている頃は、あまり良いとは思わなかったのですが、この役になるとさすがに艶やか。ただの夫人ではない迫力があって、上手い人だと思いました。良い女役さんになって欲しいです。

公爵の方は宙組新公ではおなじみの苑みかげ。このコンビは最高でしたね(^_^;)。
今までに比べると、活躍しどころのない役で物足りないですが、申し分なしでした。
終演後の挨拶の方が印象的。前回とは違い、軽~く客席の反応を見ながらの挨拶で、余裕ありましたね(^_^;)。

パティは美羽あさひ。彩乃に比べると華やかさが段違い。上手くて、スタイルは良くて、良い娘役さんだとは思うのですが。
もう少し、美羽なりの冒険が観たかったかも。でないと目立ちません。

娘役ではドリスの美風舞良、ヘレンの音乃いづみ、マクガバン夫人の華絵みくが頼もしい。
サラの朝菜いるみの個性的な容姿と役作りが目立ちました。麻生あくらもスタイルが良くてキレイですね。

男役はマクガバンの貴羽右京がスマート。クラークの風莉じんが役柄を工夫していて面白かったです。
レオナードの部下4人(天羽珠紀・和涼華・月丘七央・聖野花珠)もアドリブを入れていました。意外と宙組はやるんですよね(^_^;)。
執事バートの十輝いりすの見た目が良い。カーターの夏大海は、朝比奈慶に比べるとあまりに薄すぎて、その役だと終盤まで気付かなかった位です(^_^;)。

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すっぴん
  Date: 2001-12-03 (Mon)

11月27日の宙組公演、見てきました。

宙組が出来てから初めての背広物、スーツ姿の男役が舞台にずらっと並ぶのはなかなかいい眺めでした。
しかしスーツを着て様になるには年期と経験が必要なようで、スーツ姿が板についていない人も多かったような・・・。

見終わった後、話は纏まっているし、男役のカッコ良さも楽しめるし、しゃれたラブシーンもあるし悪くはないけれどなんかもどかしい気分が残りました。

何故かなと思ったら主人公を取り巻く人間関係が、敵と味方の単純な対立関係になっていないので、恋人のエヴァマリー、恋敵のリチャード、ライバルのフランク、ボスのアントニオそして親友のジョーとそれぞれの性格の設定がわかりにくいというか曖昧なんですね。
もっと、それぞれの性格が書き込まれていればいいのでしょうが、足りない部分を演じる側がふくらませていかないと薄っぺらな役になってしまうので、そこがなかなか難しそう。

その中で、1番わかりやすいキャラクターの水さんはお得な役で目立ってました。かなみちゃんとのカップルもお似合です。

伊織さん演じるアントニオは、もっとキレた演技をするのかと思っていたら、落ち着いていて貫禄もあって、好演。

1番安定しているのが花總さん、歌姫アリアーヌとして黒いドレスで登場するところは、はっとする程美しい!
けだるい雰囲気の中に真っ直ぐな気持ちを持っている大人の女を表現していたのはさすがです。この人の悪女役を見てみたい。

成瀬さんのフランク、これはちょっと屈折した役でレオナードとは仲間であり、ライバルであるけれど、卑屈な気持ちを持っているという人物。
お芝居の上手な人ですが、あまりにも小心者に見えてしまったのが少し残念。レオナードが自殺するつもりだとわかった時のおろおろした姿が印象的でした。

リチャード役の湖月さん、この役も難しい。
主人公が、ピュアな性格に書かれているので、リチャードはただの
お金と権力を持った人物というだけでなく、薬物に頼るような精神的に脆弱な部分もある人になっています。
私の先入観のせいか、どうしても湖月さんと麻薬中毒が結びつかなくて、精神的に健康な人物に見えたのですが、エヴァが彼のもとを去った時の悲しさは、ストレートに伝わってきて良かったですね。

レオナードはなんで、あんなにあっさりと死んでしまうのか?
愛する恋人の為に自分を犠牲する人物として書かれていますが、実際に舞台を見ると、彼にとって1番大切な物は自分の夢であって、それが実現してしまえばこの世に未練はないのねという人物に見えました。
和央さんの芝居にはどこか”地に足ついてない”ようなところがあって、心の熱さとか、執着心とかがストレートに伝わってこないせいかもしれません。
ピストルで死んでいくシーンはなんともいえず、キレイだったし
ラスベガスの映像の中で歌うところも現実ばなれしたキャラクター
にぴったりのラストシーンで、そこが今でも印象に残っています。

ショーは、とにかく踊って踊って!
宙組の生徒にとって必要なもの、それは体力。なにがなくても体力だな~と思いました。

テンポも早いし、舞台の上の人数も多いので、1人1人をオペラで追っていると、全体の流れが良くわからなくて、楽しいけれど、見る方も結構大変。という訳で細かいところまで覚えてないです。

音楽が「レ・シェルバン」に良く似ているなと思ったのですが、JIMMYさんが書いてらっしゃるようにプロローグの構成も似ているんですね。
プロローグで約70名が一度に舞台に並ぶと、2階から見ても豪華!お芝居では人数はあまり気になりませんが、ショーはやっぱりたくさんの人が舞台の上にいる方が見応えがあります。

専科の3人はそれぞれ個性が違っているところが、おもしろかったです。
湖月さんは”男らしさ”担当で、伊織さんは”アブナさ”担当で、成瀬さんは歌担当という感じでしょうか。
今回、この人が入って良かったなと思ったのは、伊織さん。
いい意味での違和感があって、ショーのスパイスとしていい味をだしていたと思います。






JIMMY
  Date: 2001-11-25 (Sun)

宙組公演「カステル・ミラージュ/ダンシング・スピリット!」、11/18に観てきました。
実は今週もう一度観てから感想を書きたいと思っていたのですが・・チケット全然さばいてなかったんですよ~。予定が狂ってしまいました(^_^;)。
和央ようかのお茶会や組総見などで、特に混雑が予想される連休だったらしいですが(^_^;)、芝居、ショー共、大入りになっても納得の佳作だと思います。
私も、素直に持っているチケットで観劇するまで待とうと思います(^_^;)。次の観劇は12月半ばになってしまうので、とりあえず、初見の感想を。

「カステル・ミラージュ」は、小池先生の最新オリジナル。冒頭の、左右上下へ同時に開く幕の開き方から、好きだった「JFK」を思い出しました。花總まりが出ているから余計かも。
「JFK」では「アポロ」を名付けていた花總が、今度はラスベガスの「Blue Bird」を名付けているのも、何だか感慨深かったです。
まず冒頭のトレンチコートにソフト帽の男役の群舞が格好良い! 開演時間には絶対に遅れてはならない作品だと思います(^_^;)。

レオナードの和央。スマートにスーツを着こなし、銀橋で歌う姿に「若くてキレイで、歌も上手くて良いわ~。」としみじみ安心して楽しめるのが何より。何か欠けているスターさんが多いですから、最近(^_^;)。
ギャンブルの才能があり、アンダーグラウンドで頭角を現しはしますが、純粋で、「まっすぐな青年」とエヴァ(花總)が言う二枚目像にピッタリ。持ち味のまま上手く、力まず、お洒落に、物事に対処し、恋人の窮状にあっさりと身をささげて死んでしまいました。
こういう物語もアリかな、と思います。とても素敵で、格好良い男性でした。
でも、面白い話だったか、と言われると、そうでもない気がします。
作品は地味で、盛り上がりに欠けます。
そして和央も。前作「ベルばら」の時も、あっさり目の演技が物足りないとの意見が他の人から良く聞かれましたが、私はフェルゼンに関しては、あれで十分良かったと思いました。見た目が派手でキレイですし、形通りの演技で文句なく酔えましたから。
でも、今回の公演では物足りなく感じました。エヴァへの思い、死への覚悟、ラストのロシアン・ルーレットの緊迫感。地味な舞台だからこそ、もっともっとたっぷり見せてもらわなくては見どころがありません。
根本的に、何か悪い所がある訳ではないのですが。公演を経る毎にどんどん変わってくる事を期待したいです。

エヴァの花總。「美しい」、これに尽きます。パーティで再会する際に登場した時の、他を圧するムードは花總ならでは。黒のドレスの着こなし、砂漠でのパンツ姿も他の娘役には真似できないだろうもので、花總の貴重さを実感します。
今回はテイラーのリビングで見せる大人っぽさが見物かな。これだけ色々な役を既に見せている花總を、どう使えば新鮮に見えるか、作者はプレッシャーがかかるだろうと思いますね(^_^;)。

テイラーの湖月わたる。ちゃんとビジネスの才能があり、エヴァを純粋に愛し、別れた後も、エヴァがレオナードの為に攻撃の手を緩めるように頼みに来た時、願いを聞いてあげる優しさもある。素敵な男性ではないですか~。私なら、ご贔屓さんが演じるなら、この役が観たいです(^_^;)。
専科の出演者が多く、水夏希の活躍もあり、純然たる三角関係にまでは役が大きくならなかったのが惜しいです。エヴァに対して、もう一歩押す場面が観たかった(^_^;)。
湖月は男らしく、包容力があって魅力的。歌が弱いのだけが惜しいです。

伊織直加はマフィアのボス。髭もスーツも抜群に似合っていてダンディです。月組公演に引き続き、好調ですね。
成瀬こうきは和央のライバル役。ちょっと貫禄の出ない所が成瀬らしいかな。青年時代から見せ場のある良い役だけに、キーポイントのロシアン・ルーレットなど、もっと面白くできるのでは?

水夏希はレオナードの親友の映画スター。華やかな場面担当で、ショー部分もソツがなく、芝居も爽やかで自然。
彩乃かなみはその恋人パティ。砂漠の場面など、ちゃんとエヴァと対等に話せる大人の女性に見えるのがすごい。

大峯真友、陵あきのはミステリアスな大人のカップルで良いムードでしたが、座談会を読む限り、誘惑云々のエピソードはカットになってしまったのでしょうか? それ程良い役とは思えず、残念でした。
朝比奈慶は湖月の秘書のような役で、ラストの幻想シーンで湖月の後ろで手をうねらせながら登場するのが妖しくてツボに入りました。また観るのが楽しみです(^_^;)。

一週間後にもう一度観てから感想を書きたいと思った一番の理由が、ギャング役の男役達が総じて今一歩、スーツが似合っていなかった事(^_^;)。パーティ場面の黒エンビは悪くないですし、冒頭のトレンチコートも素敵なのですが・・。
2年前の「Crossroad」のギャング達にもかなり笑えたのですが、期待した程成長が感じられなくてがっかり。また、当たり前ですが、下級生まで、ギャング役の人が多い、多い。これが皆素敵だったら、作品の印象はずーっと変わってくると思います(^_^;)。
確かに、宙組結成から、大劇場では一度もスーツ物がなかったですものね~。
タカラジェンヌがギャングをかっこ良く演じるのは、相当経験がいるのだと痛感しました(^_^;)。一ヶ月後の観劇を楽しみにしたいです。


「ダンシング・スピリット!」は、中村B(一徳)先生の作品。観れば、タイトルの意味が良く分かる、って感じの、正に踊りまくるショーでした。和央に特別ダンサーのイメージはなく、構成も群舞中心。しかし、そんな踊りまくるショーのセンターも無理なく勤められる、和央のオールラウンドの実力はすごいと思います。

ずっとダンス場面が続くだけに、トップスターが出ずっぱりという事はなく、専科三人を含めた豊富なスター陣を交互に出演させる、とても贅沢な形のショーでした。若手が少人数グループで使われる事も多く、観ていて楽しかったです。あえて言うなら、どの場面も迫力があり捨て難く、反対に突出した場面はないとも言えます。
でも、私は見応えがあって、とても気に入りました。出演者の運動量がすごそうなので、千秋楽まであのテンションが保てるのかどうかが心配です(^_^;)。他の組だったら、ちょっと考えられないショーですね。

プロローグはいかにも中村B先生、って感じの、「レ・シェルバン」のブルーをゴールドにしたような構図。でも、調べたら4年も前の作品ですし・・それに、美しいからOKです。続いてラインダンスに突入しなかった所が違いますね(^_^;)。
今回目立つのは上級生娘役達の、ゴールドのつなぎパンタロン(?!)みたいな衣装(^_^;)。なかなか新鮮です。久路あかりが中でも似合っているような気がしました。フィナーレのパレードでも着ていて、ついつい見てしまいます。

続いてスーツの男役達と大人っぽいレディが踊るジャズの場面。文句無くかっこ良いです。デュエットが少しあった所が、この場面は貴重です(^_^;)。

続いてダンシング・ジュエリー。コスチュームで出てくる和央がキレイ。やっぱりコスチュームに鬘を付けている方が、和央は似合うと思います(^_^;)。ブランコで降りてくる花總もキレイ~。
宝石役で、彩乃と対の位置にいた美羽あさひが、なかなか華やかになってきたのではないかと思いました。他の場面でも良い位置で踊っていましたね。

中詰ダンシング・リズム。ジャパネスクも文句なし。続く炎の総踊りも迫力ありました。
比較的体のラインが見える赤の衣装は、男役には難しいと思うけれど、色がキレイなので良いです。久遠麻耶はこの場面の衣装が一番華やかでキレイでした(スーツもがんばれよ~)。
リプライズでの伊織中心の若手男役の場面が、宙組らしからぬ色気ある場面で美味しい(^_^;)。伊織はもちろん、若手の中では椿火呂花と華宮あいりが良い。椿はさすがに組替え初公演とあって、良い位置を与えられ、彼女にしては積極的にアピールしているのが見えて嬉しい。華宮の小悪魔的な危なさはちょっと見ものかも(^_^;)。

ダンシング・キャッツは和央中心のネコと花總中心のネズミの対決。皆とても可愛くて、動きが良いです。花總の表情の可愛さに、ついつい目がいってしまいました。
ネコで登場の和央の歌の歌詞が、なかなか面白くて笑えたような・・。良く覚えていないのですが。

フィナーレはオーソドックスでしたが、もう一歩、衣装が豪華であって欲しかったです。
ロケットのセンターは久遠。もっと男役ならではの妖しいダルマ姿を期待していたのですが(おいおい)、ものすごーく普通で、かなり残念。結構フォーメーションにも凝った、長いロケットでした。でも、2度もバッチリ特大ウインクが見られて大喜び(^_^;)。

エトワールは彩乃。今思うとソロはここだけでしたが、上手くて文句なしでした。かなり痩せてキレイになっていたのも嬉しいです。

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  Date: 2001-11-22 (Thu)

宙組大劇場公演「カステル・ミラージュ/ダンシング・スピリット!」観てきました。

まだ一回しか観ていなくて、もう一度観てから書いたらもっといろいろ書けると思うのですが、予定がずいぶん先になってしまうので、とりあえず初見の感想をまとめさせていただきます。

私はなぜか宙組には縁が薄くて、今まで観たのは今年の「ベルばら」「フィガロ!」一回ずつです。そのせいかどうかわかりませんが、どうも宙組というと、「持ち味の薄い組」という印象でした。しかし今回、新専科から3人が参加、若手の組替えもあり、濃くなるかな~と期待して楽しみにしていました。そう、たとえていえば、お風呂に熱い「差し湯」をするように。
そして、お芝居・ショーともに、「差し湯」効果絶大だったといえると思います。トップとしての存在感を増したたかちゃん(和央ようか)と花ちゃん(花總まり)のコンビに加え、専科の3人はそれぞれ自分の持ち味を理解した上で発揮、そして心機一転の組替え組、それに刺激された宙組若手・・・退団を控えたメンバーまで、それぞれの生徒が自分の場所で精一杯の頑張りを見せてくれる、「熱い」舞台になっていたと思います。その「熱さ」も飛び上がるほどの熱さではなく、心地よい範疇で、何度でも観たくなるいい感じでした。初日明けすぐでこのように感じましたから、これからさらに全体がかみあって、良くっていくことは間違いないと思います。


まずお芝居「カステル・ミラージュ~消えない蜃気楼~」。

今年は年初から、洋の東西を問わずコスチュームプレイが続いていて、そろそろこんなの観たかった~と思っていたところでした。
いわゆるスーツ物ですが、そう地味に思わず見られたのは、簡素ながら貧素ではないセットと、潤沢に出てくる登場人物のせいでしょうか。とくにオープニング、スーツ姿でポーズを取る男役の大群にはどこを見ていいやらとわくわくしました。
たかちゃんは最初の少年時代、“電信柱くん”はちょっと苦しい~と思ってみていましたが、スーツに着替えて出てくると背の高さに衣裳が映えて、格好よかった!品もよく、頭も良さそうです。
花ちゃんも同様で、少女時代は横顔とかがもう少女ではないので、これまた苦しい~と思ってたのですが、ドレスに着替えて出てくると、さすがの美しさ、存在感です。セット内の小さな階段なのに、大階段を降りているようにさえ見えるんです。タバコを吸う仕種もサマになります。そして私はやっぱり花ちゃんのセリフ回しは好き。耳に言葉が心地よく届いてきました。
おっちょん(成瀬こうき)は最初っからひとくせありそうな油断ならない雰囲気を漂わせていて、うまいな~と思ってみていました。同様に、ナオちゃん(伊織直加)も髭をつけて、マフィアのボスとしての存在感を出せていたと思います。やや遅れて登場のワタルくん(湖月わたる)も、野心満々な中にどこか寂寥感のある新聞王の雰囲気があった。3人が三者三様、お互いに“自分はこう違うんだ、こう表現するんだ!”という意欲みたいなものが感じられたのです。厳しい状況にある新専科ならではの意気込みかな、と嬉しくもあり、哀しくもあり、でした。
水くん(水夏希)は気のいい主人公の友人役。舞台の上を走りまわる元気な部分担当といった感じで、専科さんたちとの役柄とはちょっと印象が違いますね。学年的にも無理がなくてよかったと思います。

ストーリィの方は、「今年は女のために身を滅ぼす男ってのが流行りなのか~!?」と終演直後に思ってしまいましたが、またも、そんな話でした。
でもただそれだけに終わらず、ラスベガスにカジノを作るという夢に向って進む主人公がいるので、飽きさせず、最後までわくわくどきどきしながら見られました。私は今回も予習なし、で観劇したため、ラストシーンを知らずに見ていたので(オープニングにそれを暗示する場面はありますが)、手に汗握るとまでは言い過ぎですが、かなりのめり込んでお芝居観てしまいました。
登場人物がそれぞれの使命や思惑を持って、活き活きと動き、ストーリィを作り出しているのがよかったです。
ただ、たかちゃんの持ち味なのか、小池先生の脚本のせいなのかわかりませんが、レオナードが、なぜそこまでのし上がろうとしたのか、そしてエヴァ=マリーを救おうとしたのかがイマイチわかりませんでした。お金が欲しいだけなら東で充分成功を収めていますし、命を捨ててまでエヴァの幸せ(弟を助けること?)を願うことの動機づけがはっきりしないんですよね。たかちゃんの演じるレオナードには、全てに対して執着心がないような人物に見えました。そう、彼が抱いたのは「野望」ではなく「夢」でした。
たとえば、実はレオナードはアンダーグラウンドの世界に空しさを感じていたとか、過去にエヴァのお陰で命を救われたことがあって今度は命をかけてその恩返しをしたかった・・とかあれば、もっと共感できたかも、と思いました。

もしかしてストーリィ上に何度も出てくるエピソード付の小道具「ミネルヴァのペンダント」と「ロシアン・ルーレット」がそれを象徴しているのかもしれませんが、ちょっとわかりにくい。上手いおしゃれな使い方だとは思っています。

私が人物として印象に残ったのは、レオナードは別として、わたるくんのリチャード=テイラーでした。麻薬に依存し、それでも世界を動かすことに命を削り、本当は愛が欲しいのに素直になれない、でも人間的に大きなところも見せる見栄をきって、エヴァを手放す・・・いつぞやのアトラクション、海賊の親玉役よりよっぽどよい役だと思いました。
花ちゃんのエヴァ=マリーも割合と好き。芯が強い女性でそれを表に出せる役が気に入るようです。

若手もまやちゃん(久遠麻耶)や月組から来たあひちゃん(遼河はるひ)、星組から来たゆうかちゃん(椿火呂花)もそれぞれに目につく位置が与えられていたように思います。今回は帽子やカツラが少ない演目なので、若手でも顔がはっきりわかってチェックしやすくてとっても楽しかったです。
ただ、若手さん方(水くん含む)は、スーツの“動きこなし”がまだまだだなぁと思いました。オープニングとかで、スーツ姿を美しく見せることに集中できる間はいいのですが、お芝居やダンスなど他のことに気をとられはじめると途端に、何着ているのか忘れてしまったような動きになってしまってちょっとがっかり。立ち姿も同様。その中ですっしぃ(寿つかさ)はさすがに格好よかった!オールバックの髪型といい、ほれぼれしました。
宙組はスーツ物は久しぶりだと聞きましたので、これから期間が進むとよくなるといいな、と思います。

好きなシーンは「レオナードの幻想」。ネクタイをゆるめ、髪をかき乱したたかちゃんの格好よいこと!そして次々と現われる登場人物との葛藤のダンスのなか、激しく踊る姿は迫力もあり、よかったです。
そして最期のシーン。「なぜあなたは死ななきゃならないの!?」とは思いましたが、ロシアンルーレットの最後の一発が放たれたとき、頭を後ろに落し、そして崩れ落ちるレオナードの姿は、赤い照明に照らされて、美しかったです。
最後のシーンはコート姿のたかちゃんの後ろ姿に幕が下りていくのですが、格好よかった!まるで蜃気楼のようにこの世にこの世にふっと現われて、ふっと消えていった人物を象徴するかのように私には思えました。


ショー「ダンシング・スピリット!」の主演者は・・・・群舞でした。

たかちゃん・はなちゃん・専科3人と水くんが中心になり、それぞれに出演者が3~4人・・・ではなく7~10人ずつついて、かわるがわる出てくるんです。それが最初から最後まで続くので、圧倒されてしまったと同時に、
双眼鏡で出てくる出演者を次々観ていたら、休むヒマがなくなって、最後には疲れてしまいました。途中で飽きてしまったりダレる場面がなかったということと同義です。
ブツ切れという印象はなくて、場面テーマごとにはひとつが長いので、じっくり楽しめました。

どの場面も甲乙つけがたいですが、印象に残ったのは「ダンシング・リズム」、和太鼓から赤い衣裳にかけてのところ。宙組にしてはフェロモン全開、とくに銀橋にナオちゃん中心に出てくるメンバー、頑張りました!って感じでした。あいりちゃん(華宮あいり)がやばいぐらい色気出してました。ゆうかちゃんも、ですね。
猫とねずみの対決シーン「ダンシング・キャッツ」も楽しかった。耳やしっぽをつけているわけではないのに、ちゃんと猫とねずみの対決に見えるのが面白かった。

衣裳も特にヘンと感じたところはなかったのですが、唯一、「ダンシング・ジュエリー」の水くん率いる盗賊団(?)のつなぎの衣裳が、なんだかへっぽこ日本忍者映画の忍びのモノみたいで笑えました。印象に残った衣裳はリズムの全身赤のもの。赤いスパッツに赤い上着、かな?体、とくに脚のラインが見えてしまいます。男役・娘役ほとんど同じなので、若手になればなるほど、男か女かわからず、全体ユニセックス状態でなんだか変なムードでした。でもとてもキレイだしイヤな印象ではなかったです。

ロケットの芯にまやちゃんが出ていましたが、これも最近の流行りなんでしょうか?ひとり違う衣裳や振付けで出ていると、どうしても視線が集中してしまいます。退団者に華をもたせたりする分はいいと思いますが、単に振り付けのバリエーションを豊かにしたいがためであれば、なんだかもったいないような。
ロケットはロケットで、若手全員に共通の見せ場として置いておいて欲しいなという気もします。


この公演は、東京に行ったときはわたるくんは抜けるということは、はっきりしています。ショーはなんとでもなると思うのですが、お芝居がどうなるかが気がかりです。順に繰り上がるのか、別の人材を持ってくるのか。せっかくきちんと当て書き(に近い)がされているのですから、無理な配役でせっかくいい全体像ができているのを壊して欲しくない気はします。

また観る予定ですので、付け加えたいこと、印象が変わったことがあれば書かせていただきたいと思っています。

YUKIMARU
  Date: 2001-11-17 (Sat)

宙組公演「カステル・ミラージュ」「ダンシング・スピリット」幸運にも、初日を観てきました。
お芝居のご報告。 全体的にいえば、「バレンチノ」と「ベイシテイ・ブルース」と「失われた楽園」をたして、3で割った感じです。
 タカちゃん扮するレオナードは、ユダヤ人って感じはしなかったけど、すごく運が強くて、自分の夢を真っ直ぐに、見据える事ができる、アンダーグラウンドの世界の人にしては、前向きで、純粋な気持ちの持ち主。

幕開きは、ちょっとショーっぽく、ロングコートの群舞で、気持ちがワクワク。
冒頭は、借金取りに絡まれてる母親、ってどこかで見たような場面から始まる。レオナードの少年時代。水さん扮するジョーは、タカちゃんの一の仲良し。
ウエストサイドの、ジェット団とシャーク団みたいに、タカちゃんレオナード組と、なるぴょんフランク組がいる。
なるぴょんは、猛きの野村さんのような、大きな人も出来るようになったけど、「ローン・ウルフ」に戻ったみたいに、ちょっと手下だった。
ハナちゃんは、レオナードの事を,憎からず思っているエバ・マリー。少女時代,髪も、みつあみをあげたようなヘアーで、子供を強調しているのが,ちょっとやりすぎみたいで。10年経って,あんなに大人の女性になるの?って,思ってしまった。
なおちゃんの,アントニオ。押し出しが強くて、なかなかよかった。カジノのボス,かと思ったら,マフィアのドンだそうな。
この人が、若い輩の揉め事に,ピストルなんて物騒なもの持ち出したのを,うまく止めて,「お前なかなか見込みがあるな」って,レオナードの強運を見出す。 レオナードを裏の世界へ導いた人。

で、お話は10年の後。
裏の世界で,その名を知られるようになった、レオナード。なぜか,アントニオに,西海岸を,物にしろ,ってけしかけられる。西海岸に,フランクが。その雇い主が,ワタルくん扮するリチャード・テーラー。
ワタルくんのファンにとっては,ちょっと残念かも。わざわざ専科のワタルくんが、演じるほどの人には見えなくて。ハナちゃんとの絡みも,あまり無くて。正塚さんセンセなら,ハナちゃんの変貌ぶりの,屈折度が,もう少しあったかなあ。ワタルくんのことも,全然,愛していないって言うし。三角関係になれば,もっとお話に奥行きが出るかな。
若手男役の見せ場はいっぱいありました,たとえば、銀橋を渡る,あひる君やゆうかちゃんに,目が行ってしまって。この二人に,まやちゃんたちが,タカちゃんの,子分。
一番、おいしかったのは、水さん。 ハリウッドの、ショースターに見えた。華があって、たかちゃんの親友、違和感無かった。「スイング・スイング・スイング」が,観れるとは思っていませんでした。 明るいひと,フィガロの経験が,生きているのかな,と思いました。(水さんの,影のある役,結構好きだったので,今度は濃い役が見てみたいな。)このショービジネスのスターはおいしい役だし,水さんだからできるんだ,って納得。

お話には破綻が無く,主人公の魅力もあるし,若手においしい役があって。日を追って行けば,どんどん,よくなる事でしょう。 

お芝居では、娘役さんの出番が少なくて、残念だったけど、ショーのほうは、娘役も踊りまくっていました。 衣装も、赤のパンツスーツや、銀色のミニスカート、といったふうに、定番の長いドレスが目立たなかった。
群舞がいっぱいで、もう舞台は、絶えず何人かで、踊る踊る。
タキシードもあったし、長い某持ってエンヤコラふうに踊るのもあったし、ワタルくんの、3~4回転ピルエット、何回か観ました。
ソロ、デユエットの場面がほとんど無くて、なおちゃん+若手7~8人、おっちょん+若手7~8人、ワタルくん+若手7~8人というふうに、流れていくし。今男役の群舞だったと、思っていたら、娘役が混じって組んでダンスしてたのに、今は娘役ばっかりだった、みたいな。男役が何人かで、銀橋渡るのも、あったし、 なおちゃん、さすがに群舞は花組育ちだなあって。
そう、楽しかった。 流れがあって、場面が間延びしないで、展開していく。それも、群れになって。

たかちゃん、なんだか疲れていました。「お稽古、毎日2時くらいまであったのよ!!」って、隣に座ったたかちゃんファンの方が教えてくれた。どうぞ,体には,気をつけてくださいね。
ゆうかちゃんの並びは、麻耶ちゃんの隣。え?そんな内側?路線じゃん。って、思いました。
たかちゃん、なんだか疲れていました。「お稽古、毎日2時くらいまであったのよ!!」って、隣に座ったたかちゃんファンの方が教えてくれた。どうぞ,体には,気をつけてくださいね。
ゆうかちゃんの並びは、麻耶ちゃんの隣。え?そんな内側?路線じゃん。って、思いました。

JIMMYさんの予想通り、はずれではありませんでした。

JIMMY
  Date: 2001-11-14 (Wed)

「カステル・ミラージュ」は、小池先生の最新オリジナル。あまり期待のしすぎは禁物と思いつつ、たかちゃん(和央ようか)始め、わたる君(湖月わたる)、なおちゃん(伊織直加)、なるちゃん(成瀬こうき)、みずさん(水夏希)と華やかな男役揃いのスーツ物、花ちゃん(花總まり)のミステリアスな美女? とくれば、大ハズレにはならないはず。

「ダンシング・スピリット!」もオーソドックスな佳作続きの中村B先生担当。期待できますね~。
大峯真友、陵あきの、朝比奈慶・・など、惜しまれる退団者も多く、彼女達のラストアクトにも注目。組替えの椿火呂花らの活躍も楽しみ!

皆様の書き込みをお待ちしております!

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