永遠の祈り
星組/シアター・ドラマシティ12/19~30
■ JIMMY |
Date: 2003-12-31 (Wed) |
星組ドラマシティ公演「永遠の祈り」、12/23、12/28の2回、観てきました!
宝塚ファンなら大概詳しい(^_^;)フランス革命、ルイ16世とマリー・アントワネット。その王太子ルイ・シャルルを軸に描いた作品なので、観ていて時代背景が分かりやすいし、ビジュアルもキレイ。良い題材だな、と思いました。
物語は破綻なく、特に結末は良かったと思います。
二幕物にするには内容が少なく、ゆったりと進行していくのがややじれったくもありましたが、若手男役に黒天使のような格好をさせてコロスに使うなど、間を埋めていたので、それほど退屈はしませんでした。
ジェラールの湖月わたるは、まず若いのにびっくり! 未熟だとか、不安定だとかいう意味でなく、純粋な村の青年を演じ、柚希礼音と肩を並べて会話しているのに違和感がない(^_^;)、という良い意味の若さに感心しました。
素直にピエール(涼紫央)が持ってきた証拠の品を信じてしまうし、コンスタン(柚希)の言葉にも簡単に乗ってしまうし、彼はどうなってしまうのだろうかと、お姉さんは見ていて心配してしまった位です(^_^;)。
でも、そんな心根が純粋で、温かい青年役がとても良く似合っていましたね。そんな持ち味とは別に、芝居は緻密に工夫していて上手かったですし、見た目は堂々としていていかにもトップさんでしたし、主役としてとても頼もしかったです。
アンヌの檀れい。今更檀に、またえらく可愛い役だな、と思いましたが、これも素直に演じて違和感がなかったのに感心。ベテランが無理してブリブリしている風でなく(^_^;)、とても真摯に演じていたので、こちらも真摯に共感して見る事ができました。彼女の一生懸命さが、意外と役に合ったのかもしれません。
歌は「王家」で見直した事を思うと、ひっくり返りそうな位マズかったですが、どう見ても村一番の娘に見える美しさには、ヒロインとして納得せざるを得ません(^_^;)。
ニコラスの立樹遥は、初見の時は、アンヌ(檀)を助けにかっこ良く登場して、男たちを殴り倒・・しきれずに、アンヌの一緒に縄に括られちゃう辺りとか(^_^;)、アンヌに手を握られて、すぐ「ぽっ」となっちゃう所とか(^_^;)、立樹らしくて、可愛くて好きだな~、と思ったのですが、二度目には何か出そうと苦戦しているのか、変にキザってみたり、捕まった後にニヤッと笑ってみたりしているのが、良く分からなくてイマイチでした。
気持ちは分かるのですが・・アンヌを好きっていう方を、もっと素直に気持ちを込めてくれた方が良い役に見えたかも。
それにしても、パリ育ちの貴族(?)のようなニコラスが、村娘に一目惚れっていうのも、純粋すぎてどうなんだろう? とは思うのですが・・。
コンスタンの柚希は、上記の通り湖月と肩を並べて芝居をしても違和感のない雰囲気を出し、下級生ながら頼もしかったです。大きさや華やかさだけでなく、しっかり台詞も話せているから良いですね。
ただ、衣装も良くなかったですが、全体にもっちゃりして、見た目にホープらしい美しさがなかったのが物足りなかったです。一緒にいる湖月の方が若さが輝いて見える(^_^;)のは、柚希のスター性にとっても期待している私としては、ちょっと残念でした。
ピエールの涼紫央も、真摯な芝居で上手かったです。歌も良いですね。
マダム・ロワイヤルの矢代鴻は、歌は流石に良かったですし、ラストの芝居も良く、場面が盛り上がりました。しかし、この役を矢代に振るのは安直な気がします。上手いから安心できるでしょうけれど。もっと思い切った配役を見てみたかったです。個人的には涼か、嶺恵斗でやってみても面白いのではないかと(^_^;)。
ロザルジェの一樹千尋は随分濃い役作りで、胡散臭くて、文句なく上手かったです。ちょっと他のメンバーに比べると作り過ぎな位かも。
万里柚美、にしき愛、高央りおは見ていて安心。ダングラールの涼麻ともも、良く工夫していましたね。朝峰ひかりはお婆さんになってしまうと、さすがにちょっと若い気がしました(^_^;)。
嶺はまた悪役でしたが、同じ悪役でもだんだん表情などにバリエーションがついてきたような気がします(^_^;)。琴まりえが成金のお嬢様役で、それらしい雰囲気が出ていました。彼女の誘惑にそれなりに流されているジェラール(湖月)も、なかなか良かったです(^_^;)。
村人メンバーでは、やはり仙堂花歩の上手さが光りますね。彼女に告白しようとする麻尋しゅんがキレイ。彼女のまともな男役姿は初めて見た気がしますが、スタイルが良くてなかなか男役としても良いような気がします。
上記の黒天使風のコロスの若手男役達もかっこ良かったですが、偽のルイ17世として出てくるコスチューム姿の若手男役達もなかなかキレイで、見ていて楽しかったです。
子役の銀河亜未も可愛かったですね。
■ ベール |
Date: 2003-12-29 (Mon) |
星組ドラマシティ公演「永遠の祈り」を見てきました。
感想は、一言。面白かった~(*^o^*)。最近何だか幸せでほっこりする話が好きなのかな~。「黄金のファラオ」も「大海賊」も好きだったので、今回もきっと気に入るだろうな~と思ってたんですが、予想通りでした。こういう王道をいく物語って、結構好きなんですよね。
暗転が多いとか、1つの場面が長すぎるとか、演出的にいまいちとか、そういう不満がないわけではないんですが、そんなことは観る前から分かっていたというか、中村A先生だからね・・・(^^;という感じで、殆ど気にならない。プラスご贔屓が出ていないので、素直に単純に楽しめるんだろうなという気もします。
とりあえず、この作品で号泣しまくる自分ってバカ・・・?と思うものの(笑)、本当に幸せな気持ちになれる作品で、私的には大満足でした。(横で観劇していたJIMMYさんに、どこで泣くの?と突っ込まれましたが^^)。
では、主要メンバー&印象に残った人の感想を。
ジェラール:わたるくんは、あらすじを読んだ限りでは、悪い人なのか?と思ったんですが、良い人だったので、嬉しかったです。私は、悪人のわたるくんがあまり好きではないんですよね・・・。しかも、無茶苦茶若い~。王家で見れなかった檀ちゃんとの絡みも見れて満足。この人のお芝居は、暖かい人物を演じると、まるで底なし沼のようにどこまでも優しく穏やかで・・・芸風的には好みでないんですが、この大らかな持ち味は好きだな~と改めて思いました。
アンヌ:檀ちゃんは、ずっとずっと苦手だったはずなんですけどね~。今回のあまにり素直で可愛らしい女の子(そう、正に「女の子」)が妙にツボにハマってしまって、「あなたに会いたかったの」なんて単純なセリフに、思わず泣いてしまう自分がいたりして・・・。大人っぽい役が似合うように思っていたんですが、案外、こういうひたむきさを強調する役の方がいいのかな。でもまあ、歌とダンスは、もう少し頑張って頂けたら嬉しいな・・・と(^^;。
ニコラス:しいちゃんも、やっぱり良い人だわ~。本人CSで曰わく「ただの良い人ではない」そうですが、ただの良い人に見えてしまいました(^^;。アンヌがジェラールを好きだと分かりつつも、ひたすらアンヌの手助けをし、一緒に捕まり、アンヌがジェラールをひたむきに思う様に拗ねたりして・・・ホント可愛い。手首を縛られながら、「そんなにあいつがいいのか」という姿が妙にハマりました。前回王家に引き続き、しいちゃんのひたむきさ・一生懸命さが生きる役で良かったな~と思いました。
ピエール:すずみんは、押さえた役柄で、格好良いとか、そういう路線っぽい役ではないですが、私はこの人の真剣なお芝居が好きだし、歌も歌っていたので満足。野心を持ちながら、その思い半ばで倒れてしまう無念さはよく伝わってきました。前回王家のサウフェから、心なしか顔が綺麗に見えるようになってきたのが嬉しい。
コンスタン:礼音ちゃんは、いや~やっぱり彼女はスターですね。新公を見ていても思いますが、公演毎に面白いくらい成長してるのがホント嬉しい。わたるくんをそそのかす悪友、トップさんと対等に、若しくはそれ以上に見せなければならないという、まだ新公学年の彼女にはかなり難しい役だと思うんですが、背の高さのせいもありますが、それなりに見せていたのは素晴らしい。歌も安定してきたな~と思うし、これからがますます楽しみです。
その他では、きんさん(朝峰)の真剣なお芝居が、思いの外良い感じでした。月組のゆらちゃん同様怪演系の人ですが、まともな役の方が良いと思います。コトコト(琴)は、セリフの声が、ちょっと昔に戻ってしまったような・・・少しこもりがちなのが気になりました。まいまい(仙道)の歌は、とにかく聞いていて気持ち良い。十分に歌わせてもらってますが、もっと歌って欲しいかも・・(^^;。お芝居は少し大袈裟なのが気になりました。岡っち(嶺)は、そろそろ良い人の役やらしてくれ~!という感じでしょうか?(笑)。悪役顔が板についてきてしまってちょっと悲しい。スタイルの良さは健在ですね。
星風の村娘の設定が妙にツボにハマったり、ふありちゃんの王女がとっても可愛いかったり、娘役たちも大した役ではないながら、それなりに楽しめました。ご贔屓麻尋しゅんくんは、やっぱりプッシュされてますね。あんな村の場面で目立つ役をもらって・・・まだまだ可愛いだけですが、ちょっとわざとらしすぎるような気もしました。彼女含め6人のコロスたちは、オイシイ役だなと思うものの、もう少し顔が見えたら嬉しかったかな~。
この作品が好きだなと思えるもう1つの理由は、フィナーレナンバーが、なかなかファンのツボを押さえてくれてることかなと思います。思い返せば、どうしようもなく駄作だと思った「夢・シェイクスピア」も、オープニング・フィナーレは大好きだったのを思い出します。最近、バウやDCで、あまりフィナーレを重視してくれてない公演が多いように感じます。時間の関係もあるんでしょうけど、やはりフィナーレは欲しい。男役群舞・娘役とのデュエット等、本当にシンプルな定番でいいんです。それがあるとないでは、やはり「もう1度見たい」度も変わってくると思うんですけどね・・・どうでしょう?
とりあえず、今年最後の観劇を締めくくる作品としては、とっても満足な公演でした。
■ JIMMY |
Date: 2003-08-17 (Sun) |
掲示板を設置しました。
皆様の書き込み、お待ちしております!