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ガイズ&ドールズ

月組/宝塚大劇場1/1~2/12・東京宝塚劇場3/29~5/6


SAL
  Date: 2002-05-09 (Thu)

ガイズ&ドールズ千秋楽に行ってきました。
素人の初書き込み、要領を得ないかもしれませんが、よろしかったら読んでくださいませ(^^)。

この作品、大劇で2回観ましたが、2回で十分・・・って感じで、(月組ファンなのに)ホームグラウンドの東宝では楽のみの観劇となりました。
客席は千秋楽気分で盛り上がっていました。でも、舞台はこんなもんですかね~最後なんだからもっとはじけてもいいかなと思いました。
ウーン、決してつまらなくはなかったですよ・・。場面場面や生徒さん個人を見る分には楽しかった。特に男役の群舞にはときめきました。でも~全体としてちぐはぐな印象は大劇で観た時と変わらず、評価の定まったミュージカルなのに、結局ガイズの世界に浸った(^^)って満足感が得られなかったんです。

スカイの紫吹・・・スカイがあまり魅力的な人物に思えませんでした。でも「この人はリカさんなんだ」って見れば男役を引き連れたダンス、ちょっとした仕草までカッコイイです。トップの貫禄みたいなのもさすが!映美との相性については様々意見あるようですが、私は2人の時の紫吹がいちばん退屈してしまいました(;;)。

ネイサン、今の大和がどんなにがんばっても無理のある中年役ですが、がんばればある程度はできるんですね!大劇よりはずーっとよかったです。丁寧に演じていたし、華も存在感もあって、本人も役にのってる様子で、気持ちよく見れました。
もう1人、ナイスリーの大空もよくなったと思います。大劇では斜に構えたユーヒ君が無理にはしゃいでいるようで気の毒なくらいに感じましたが、今回は楽しそうなナイスリーでした。
(何か私、低いレベルで満足している気がするな~。)
それにしたも、「もしあの人が演ったら」と想像をかきたてられる配役でした・・。

霧矢は歌もダンスも本物で、プロですね!ちゃんとした哀れなアデレイド(変な言い方だな)じゃないし、霧矢の場面だけ浮いているみたいなのはどうかな~とも思いましたが、このガイズでは舞台盛り上げる場面はありがたく、実際、霧矢アデレイドには、いいものを観せてもらったと思います。
そして、汐美ビッグ・ジュール。存在感あり、しっかり受けてましたけど、汐美の素敵なところを出しようのない役・・・、演技力のある汐美ですから、もっと二枚目捨てて、思いっきりメチャメチャやっちゃってもよかったのに。
若手では、楠のきれいなダンスが目につきました。あと、ルイルイ最後の男役をしっかり見ておきました。

次回は月組みんなの実力が発揮できる配役のお芝居が観たいな~。





ふぶき
  Date: 2002-04-23 (Tue)

一口にいえばとっても面白かった公演です。
さすがに脚本もしっかりしているし、音楽の流れと舞台の進行が絶妙でしたから。ただ、さすがにラストの結婚式はちょっと唐突のような気がしますが。

けれど・・どういうわけかあまり印象的ではなかったというのが本音です。初演を見ていないのでなんともいえないのですが、多分もっとドキドキしたのではないかと思います。

スカイもネイサンも魅力的な人物ですし、宝塚の男役としてはおいしい場面が沢山あるし・・これぞ力の見せ所のはずなんですが。

舞台の間中、どうしてなんだろうとずっと考え続けました。
紫吹のスカイはとてもかっこよかったと思います。
だてに男役15年以上もやってきたわけではないなあと思いました。
「大海賊」の時のようにあからさまに声がおかしいとか、手抜きして踊っているというような雰囲気ではありませんでしたし。

大和のネイサンも顔さえみなければそれなりに「14年間も婚約中の色男」に見え、最近の大和としては抜群の成長を見せてくれたと思います。
他の汐美真帆の面白さ(でもこんな役でいいのか!歌劇団)、大空・月船・北翔の楽しさ、映美くららの可愛らしさ。全てそこそこに出来上がっていて、よかったと思います。

でも・・印象的にはならなかった。
その理由を最後の方になって思いつきました。

そう、あまりにもスカイが立派すぎる、老成してみえるという事です。
この物語って、世慣れたふりをしているギャンブラーが清く正しい乙女に翻弄されるというコメディでしょ?
なのに、紫吹と映美くららをみていると、そういう軽妙なおかしさより老成したおじさまが、胸キュン乙女相手に自分が失った青春の光を見ているような感覚に思えたんですね。つまり、とても微笑ましく。
スカイが座っているシーンや立ちっぱなしのシーンが多かったのでよけいにそう見えたのかもしれませんが、「若さ」への郷愁のようなものが漂っていたのです。
しかもギャンブラーの癖に聖書をよく読んでいる人。これはもう「罪深き野郎」ではなく、「いい人」そのものではないですか。
そのいい人が最後にいい人になっても盛り上がらないわけです。

ブロードウエイミュージカルですから書き換えは無理なのはわかっているけれど、ここはネイサンとアデレイド中心の話の方が面白かったかもしれません。
つまりそれだけ今回大和ネイサンと霧矢アデレイドが元気よく、感情移入しやすい人物として映ったということ。

また、教団に男役が勢ぞろいするシーンはファンにとってもおいしい場面でしたが、どうにも濃いばかりでぱっと目立つ若手がいないのが残念。あまり明るい印象を受けないのです。北翔海莉の笑顔くらいですか。
組カラーなのでこれは仕方ないですが、もう少しきらっとする元気が服着て歩いているような男役が欲しいところ。
そういう意味ではやはり大和悠河は貴重かもしれません。

話がずれましたが、要するに「華やかさ」が今一つだったのかなというのが本音です。
ダイスのシーンなども本当に楽しみにしていましたし、月の群舞も大分まとまって綺麗になったなあと思いつつ、いつ紫吹のはじけるようなダンスが・・と待っていたら結局はあまり踊らずじまい。
今回、あまり声が出なくなったり、踊れなくなったりというのがないのは、出番が少なく、あまり動かない振り付けが多かったからなのだと気づきました。
あの紫吹淳が・・と信じたくない思いでしたが確かに振り付けは上半身だけのものが多く、ひところの一路真輝を見ているような印象さえ受けました。
フィナーレでの映美くららをリフトするシーン。あれが唯一の救いだったと思います。

今回、特に目立ったのは霧矢大夢のアデレイド。本当にキュートで可愛いアデレイドでした。
この人をみていると「宝塚」を忘れてしまうくらいに本格的にいいものを見せてもらっているという気がして嬉しかったです。
役不足に見えたのが汐美真帆と大空雄飛。もう少しどうにかしてあげたかった。

どうにかといえば美々杏里。星から雪へ、そして宙へと移っても実力派なのに中々役に恵まれず、月にきてやっとエトワールを獲得したと思いきや、またしても役に恵まれず。今回の踊り子も上手だったけど・・そろそろ「血と砂」で見せたあの美々を本公演でもみたい。「愛のソナタ」のテレーズは幻だったのかと悲しくなりました。

若手では先に上げた北翔海莉。月船さららより目立っていました。新聞売りの彩那音はお姉さまよりいい感じ。
男役最後の紫城るい。この華やかさが惜しい。楠恵華も素敵でした。娘役がいっしょくたになってしまったのが残念です。
かては娘役の宝庫だった月組。ばらけてしまいまたね。

なんだかとりとめのない文章になってしまいました。すみません。

http://www.kjps.net/user/heika/http://


Coo&Bee
  Date: 2002-04-21 (Sun)

月組の「ガイズ&ドールズ」、1回限りでおまけに2階席の観劇となりましたが、hiroさんと同じ4月19日に観てまいりました。

個人的お楽しみポイント以外、あまり期待せずに行ったのですが、そのお陰か知っている歌が多かったせいか、とにかく充分楽しかった!です。(私としてはS先生を誉めたくはないのですが、良かったのは事実です。)タイトル通り、うさんくさい野郎共と頭空っぽのお嬢ちゃんがあっちにもこっちにも、といった感じ。いろいろ云われていたネイサンもそれなりに努力しているのが伺えて、無理しないのがかえって良かったのかしら、と思わせました。

何と言っても主役の2人。見るからに住む世界が別だからこそこのコンビ、と思わず納得。奇しくもぶんちゃんの退団発表直後の観劇で、少々へこんでいたのですが、えみくらちゃんの声を聞いているうちに癒されました。リカちゃんも今までのように手加減しながらやっている様子はゼロ。当然周りも盛り上がります。ゆらちゃんも笑いを取りやすかったのでは。この調子で千秋楽まで頑張ってほしいです。

月組の全国ツアーには都合がつきそうにないため、しばらく生・汐美君ともお別れです。哀しい限りです。皆様のケロちゃん報告をお待ちしております。

hiro
  Date: 2002-04-20 (Sat)

月組「ガイズ&ドールズ」を19日にやっと見てきました。
まずは、楽しかったです。久しぶりのミュージカルで、一幕のはじめの頃は、ミュージカル芝居のテンポについてゆけず、「ちょっと・・・」と感じたのですが、徐々に慣れて、途中からは「カラフルで、やっぱりミュージカルだわ」と変な感想を持ちました。

さて、出演者それぞれについて感じた事を。
リカさんは、さすがにカッコイイです。カッコよすぎて、酸いも甘いもご存知でしょうに、どうして、あんなにころりとえみくらちゃんに恋してしまうのでしょう?そのあたりが、よく分からない。そして、意外に歌も、ダンスも少ない。また、同じ曲なの~と。
たにちゃんは、無理に老けさせず(でも、14年も婚約中・・・いったい幾つから?)かわいいネイサンでした。歌の発声もよくなってきて、聞けましたし、その姿には、少しづつ風格も出てきましたね。
キリやンは,さすがです。そのまま、外の舞台に持っていってもOK。
彼女一人が、ミュージカル女優に見えましたよ。
でも、たにネイサンときりアデレイドは、いいコンビでした。二人ともに、チャーミングでした。
汐美ビッグ・ジュールは、難しい役です。あの熊さんには、ちょっとついてゆけない(笑)。横で演じている越野リュウちゃんのほうが迫力あって。でも、なんか憎めない可愛い奴って思いました。
大空ゆうひちゃん、どうも、台詞も歌詞もはっきりしません。表情の変化も少なくって。もっとはじけて欲しかった。
月船さららんは、色々と工夫していて、楽しかったです。でも、一人で空回りしているような気がするところも有りました。
北翔くんは、明るく大らかで、そのまんま。特に演じていると思わせませんでした。若いから素直でいいんですよね。もう少し若い役作りでも良かったのではないかな。そうそう、歌声は、さららんがよくとおる声でしたね。

群舞はよく揃っているし、コーラスも、厚みがあり、よかったです。全体にこなれてきて、まとまっていました。
ちずさんの、素晴らしい歌声は、かげソロでは勿体無いような。
りかさんの声が出ていてホッとしました。でも、横で10年ぶりに観劇している友人には、「かすれてる」と言われてしまいした。

最後に、ここに書きながら、思い返していて、りかさんには、スカイは合っていないのかなと思いました。「俺は、酸いも甘いも分かる大人の男だ」っていきがってるギャンブラー。もう少し若者の方が、サラとの恋に落ちることの説得力があったのではないでしょうか。ふと、たにちゃんだったら、どうだったろう・・・なんて思いました。宝塚では、組という呪縛?の中で演じなければなりません。個々に適役で見ることなど望めません。ですから、まずは、楽しめればいいんですよね。もう一度観劇の機会があります。また、楽しく見てきたいです。

莉花
  Date: 2002-02-13 (Wed)

月組「ガイズ&ドールズ」千秋楽を見てきました。前の宙に続き楽が初見でしたので、アドリブなどはわからず、ただ皆さんが笑っているからそうなのだろうなぁ。と思ってみていました。初演は観ていません。

全体の感想としては、顔を曇らすこともなく笑顔で最後まで観ることが出来た。という感じです。同じスーツ物でも前の宙が渋いダーク系、今回はこんなん誰が着るの~~というくらいのカラフルな色のスーツで、この派手さも結構楽しみました。
ただ、第4場の「タイムズ・スクエアの近く」から第5場の「ブロードウェイ」への進み方に、私の頭がついて行きませんでした。「えっ?もうこんな関係になってるの??」と思っている間に終わっていきました。この間にもう少し2つのカップルの気持ちの通じ合うところが見てみたいです。

リカさん、スタイルがいい~~ですね。声もまったく危なげなく出ていたと思います。
エミクラちゃん、小さい・・最初に出てきて台の上にのっても周りの人と同じくらいに見えました。でもお芝居はしっかりしていると思います。時々、麻乃佳世さんのように見えるときもありました。歌の方は思ったより声が出てなかったかな?台詞から歌になったとたんこちらに伝わるものが半減するような気がします。それにしてもプログラムを見て思ったのですが「本公演での初台詞は?」の質問に一年前の業平の時の台詞・・・・・、この一年間での状況の変化に良くがんばってるなぁと思わずにはいられません。
タニネイサン・・・かわいい・・・。この役でこんなにかわいく見えるのはどうなのだろうと思いました。このかわいさで「14年婚約中。」と言われてもちょっとなぁ・・・と思います。歌は苦手といわれているけれど、これだけ思い切りよくうたってくれたら何か納得してしまいます。
きりやんアデレイド・・・。逞しいです、腕も背中も・・・。歌はこれだけ自由自在に歌えたら気持ちがいいだろうなと思います。14年待っていたのかな、と思える貫禄がありました。
汐美さんのビッグ・ジュール、もう少しドスの効いた感じを想像していたので、ちょっと物足りない感じ・・・。姿かたちと行動との落差でおかしさを誘うので、もう一段落差が欲しいと思いました。
ゆうひナイスリー、今日のアドリブ?担当でした。もう少し表情がはっきりするといいのに・・・・。もう一声何か足りないような気がします。歌は後ろで歌ってる月船・北翔の方が目立ってました。

私にとってはフィナーレがあったのはとても嬉しかったです。ただトップコンビのデュエットダンスは、どうもカップルというよりも兄と妹という感じに見えてしまいます。リカさんのエミクラちゃんを見つめる眼差しが優しすぎるのかなんなのか、危険な香りというものがまったくしないです。リカさんの妖しい雰囲気は何処へ行ってしまったのでしょう(笑)。
フィナーレの中でドレスで踊っているにもかかわらず、きりやんには「男前・・」という言葉がぴったり合うような気がしました。
それにしても美々さんの声は気持ちいいですね~。もっと聞いていたいです。

どちらかと言うとショーを見るのが好きで、一本物は敬遠しがちなのですが、今回は結構楽しめた方ではないかと思います。

ひさよ
  Date: 2002-02-03 (Sun)

心配していた月組公演でしたが、いざ観劇してみると
思ったよりずっとよかったです。でも、何か物足りないとい
うのが正直なところです。
それに初演では結構、笑いも起きていたと覚えている場面
が何気に流れててあれ?と思うところもありました。

一番の心配だった大和ネイサンは思った以上によかったです。
童顔なのはどうしようもありませんでしたが、表情や動きに
工夫が感じられ大健闘だったと思います。
もちろん、まだまだですけど。

注目のひとつだった霧矢アデレイド。
確かに歌も上手いし、芝居もキュートな感じを
出そうとしているのがわかりますが、イメージが
ちょっと違った気がしました。
この役はいわばマリリンモンロー系の役ですよね?
色っぽくてキュートでちょっぴりおバカで、哀しくて。
ちょっと違ったかな?

ネイサンにしろ、アデレイドにしろ、生徒さんご本人は
頑張ってるし、とてもいいのですが、如何せん柄ではない
のがつらいところでした。

初お目見えの映美くららちゃんはとにかく可愛い。
笑顔が元花組の詩乃優花さんの若い頃に、芝居中の手の
使い方は檀れいちゃんに似てると思いました。
もっと子供、子供した演技をするのかと思っていたら
意外にも思っていたよりもずっと大人っぽい演技を
するので驚きました。
母性も感じられる不思議な人だなぁと感じました。
歌はまだまだですが、これからが楽しみな娘役さんです。
但し、今回はスカイと違う世界で生きてきたふたりという
設定なので紫吹さんとの違いも違和感ありませんでし
たが、それは今後の役柄でどうなるのか?
コンビとして似合っているのかは次回に判断したいと
思いました。

大空さん、月船さん、北翔さんのトリオはそれぞれ
工夫して楽しそう。特に月船さららさんが活き活き
しているのが目につきました。
しかし、この役も少し前なら大空さん、霧矢さん、
大和さんの3人がしそうな役だったのに、世代交代を
感じると共にこの役をこの3人がしてネイサンと
アデレイドにしかるべき配役をしていればグッと厚みの
ある舞台になっただろうなとも思いました。

汐美ビックジュール。この役はいわゆる美味しい役な反面
非常に難しいと思います。
ビックジュールを見て私が一番にイメージしたのは
「安岡力也」でした。
この役は例えば力也さんみたいな男性がヌイグルミを
持っていたらそれだけでおかしいわけですよね?
それを男役とは言え、女性がやるわけです。
下手したらヌイグルミが似合ってしまうわけです。
汐美さんは男役の中では男らしい男役のひとりですが、
力也をやるにはやはり可愛い過ぎる。

紫吹スカイ。これがお披露目?と思うほどの余裕、
貫禄です。いかにもリカちゃん!と思わせるキザなしぐさも
似合います。でも紫吹さんだけが妙に落ち着き過ぎて全体
から浮いている気がしました。
周りがどうしても演技的に若く、それはどうしょうもないこと
なので、紫吹さんがもう少し若く演じてくれれば全体の
バランスも違うように思うのですが、どうでしょう?
スカイはそんなにおさまりかえった人ではないと思うので
すが。
やはり紫吹さんと大和さんの間に男役さんが欲しいです。

この作品の題名「ガイズ&ドールズ」そのまんまの作品
だったということが今回でよくわかりました。
男は自由に夢に追いかけたがる。女は愛する男との安定
した暮らしを欲しがる。
一見、弱い女は男を変える強さがあり、男は女の為に
自分を変えることにいつか幸せを感じるようになる。
男と女の性質の違いとでもいいましょうか、初演を見た
時には感じなかった面白みを感じました。
初演時は私も子供でした(^.^)
もっと演じ手が男との女の違いやかけひきを見せて
くれたら客席の男性も女性もニヤリとするところも
あったんじゃないかなぁと思いました。
それとやはり外国物のコメディーを日本でやるのは
難しいです。基本的にノリが違います。
役者も観客もテンションが高くならないとちょっとつらいです。

ベール
  Date: 2002-01-30 (Wed)

月組新人公演「ガイズ&ドールズ」を見てきました。
少し遅くなりましたが、感想を書かせて頂きます。

まずは、都さんの「へったくそでした」を読んで笑ってしまったんですが、まあみっちゃん(北翔)以外は、そんな感じでしょうか(^^;。でも、この作品の持つ楽しさってものは新公の方が良く表れていたと思いましたし、本公演より「遊び」の部分が多く弾け具合もなかなか、また役へのハマり方は本公演以上ということで、私的にはかなり楽しめました。また、「嫌いじゃないけどもういいだろう~^^;」と思ってしまう、大和・花瀬が抜けたせいで、メンバー的にとても新鮮だったのも大きかったです。新公に関しては、実力云々よりも「パワー」と「新鮮さ」を重要視する私としては、なかなか満足な新人公演でした。

スカイ:月船(紫吹)は、基本的にイモくさい~というイメージがする人なので、こういうスマートな役は似合わないような気がするんですよね・・・(^^;。りかちゃんの役ということで、まずは衣装の着こなしが心配だったのですが、思ったよりは悪くなかったです。ただキザな仕草はホント似合っておらず笑ってしまいそうだったんですが、サラを介抱するシーンなどは、「ベルばら」のような様式美とは違うさららん(月船)なりの包容力が見え、なかなか格好良く男役らしかったです。本来、優しげな感じがよく似合う人なんだと思います。歌は、「ベルばら」の時同様、かなり雑でしたが、声がよく出る人なので聞き易く、その辺りは強みかと思います。ただ、まだまだ「勢い」に頼ってる部分が多いので、もう少し丁寧に演じて欲しいような気がします。最後の挨拶は、「ベルばら」同様、あなたは一体何考えてんの~??と言いたくなるくらい、完璧というか芝居がかったというかユニークなもので面白かったんですが、「素」の部分が全然見えない挨拶というのは少し物足りないように思います。

サラ:城咲(映美)は、なかりの大抜擢で、今回の公演でやっと顔と名前が一致した人でした。本公演で見たときからスタイルいいな~と思ってましたが、最初の赤い衣装で出てきた時「これがえみくらちゃん(映美)とホントに同じ衣装なんだろうか?(^^;)」と思うくらい全然印象が違ってかなりびっくりしました。演技・歌は、研2にしてはえらく落ち着いていて、破綻はないけれど面白みに欠けるといった印象で、特に酔っぱらう辺りの演技はもっと弾けて欲しかったです。また、これは個人的意見ですが、どうもヒロインらしい華やかさに欠けるのが気になりました。それとも、もっと大人っぽい役だと魅力を発揮する人なのでしょうか?

余談になりますが、今回のサラという役は、本役のえみくらちゃんが背伸びをせず無理なく演じれる役で、非常に合っていたと思います。また次回作も彼女に合わせた年齢設定の役のようで、反対に月組のヒロイン候補(椎名・音姫・憧花・城咲あたりでしょうか?)たちは大人っぽい子が多く、そういった意味のアンバランスさがこの先の新公で少し気になります。

ネイサン:北翔(大和)は、前々から上手い人だなという印象がありましたが、まさかこれほどとは!もともと素顔はそんな派手な人ではなく、今回の本公演でもどちらかと言えば地味っぽいお化粧のように感じたのですが、新公ネイサンはタニくん(大和)に化粧してもらったのでしょうか?見た目はタニくんにそっくりのダンディさ、更にセリフを言えばタニくんより大人っぽく、申し訳ありませんが、本役より良いと思ってしまいました。仕草・セリフの1つ1つが非常に丁寧で、かと言って小さくまとまってるという訳でなく、綿密に計算して演技をしてるんだろうなと思わせてくれました。特に印象に残ったのは、ジョーイ:良基(本役:光樹)との電話のシーン。新公で、こんなセリフだけの場面で拍手が起こるってのはなかなか珍しいと思うのですが、ちょっとした言い回し・仕草でこんなにも面白い場面になるのか!と結構感動してしまいました。同期である雪の音月と並んで、スゴイ2人です。

アデレイド:紫城(霧矢)は、配役を聞いたときからきっとハマるだろうなと思ってましたが、予想通り。男役としては弱点になってしまう「声」が、今回は本当に良い方に働き、ちょっとマヌケなでも愛すべき人物といったアデレイドでした。14年はちょっと無理があるものの、るいちゃん(紫城)の持ち味も手伝い、こういう女性なら男に騙され続け待ち続けるだろうなという説得力があり、本役きりやん(霧矢)も大好きだったんですが、アデレイドに対しての印象がちょっと変わりました。歌は「血と砂」の時もまあまあ歌えるかなという印象だったのですが、今回もまあまあ歌えていたと思います。しかし、今までの女役経験の多さから思っても、今回この役を振るべきだったのかどうか疑問が残りました。

ビッグ・ジュール:研(汐美)は、初の大役がこの役ってのはかなり不利だったかも・・・毎回、新公見てると思いますが、ケロちゃん(汐美)の役って結構独特で、新公で演じるとどこか物足りないというか面白みのない役になってしまうような気がします。今回も特に1部のみの上演だったので「クラップやろうぜ」くらいしかセリフがなく、雰囲気・小道具(フィリックスくん(ですよね?)とあめ)は工夫してるものの、それだけではなかなかインパクトは弱かったです。但し、「いついつまでも~」の歌は、短いながらも、思わず「上手い!」と唸ってしまいました。

ナイスリー:青樹(大空)、ベニー:真野(月船)、ラスティ:彩那(北翔)の3人は、同期3人が演じたこともあり、まずは3人の差が全然ありませんでした。ただ、今回の関してはそれはそれでいいかなという気もします。真野・彩那は今までも少し役が付いていましたが、それでもかなり新鮮な3人で、私的にはそれだけで見ていて楽しかったです。中では、真野のチョコチョコした演技が目をひき、すっとした2枚目の人かと思いきや、体当たりのコメディぶりが好印象でした。とりあえず、次回からも楽しみな3人ですね。

アーヴァイド:風雅(嘉月)は、見た目のダンディさに思わず「あんたはいくつや~!」と言いたくなりました(^^;。本役より更に落ち着いた人物像で、この学年でこの雰囲気は大したもの。クバーナの歌手:榎(研)は、横の女役(椎名・音姫)に少し押されていたものの、歌はなかなか。クバーナの男S:龍(紫城)が、綺麗な容姿で目をひきました。

ミミ:憧花(美々)は、本役ほどではありませんが、それでもなかなか大袈裟な演技がハマっており、長身な容姿も相まって目をひきました(というか、私好みなんです・・・^^)。私的に気になる涼城(タバサ:茜)は、本役そっくりの外見で、もう一工夫欲しかったです。クバーナの女S:美鳳(瀧川)は、出てきた途端「小さい」とは思ってしまったんですが、その身体に似合わないダイナミックなダンスには惚れ惚れします。酔っぱらい振りもなかなか豪快で良かったです。クバーナの歌手:椎名・音姫(花瀬・花城)は、真ん中が研1のせいもあるのか迫力満点で、見ていて気持ちの良い2人でした。ただ、2人ともこれでは役不足です。

今回は、前回の宙新公と比べると新人公演としてやりやすい演目だったと思います。ただ、その演目を面白くしたのは今回の月組メンバーであり、大きなメンバーチェンジがあったわりには、パワーでうまいこと乗り切った良い公演だったと思います。また、私的には、久々に月組の新人公を楽しめたような気がします。(ころころとメンバーが変わってくれた方が、楽しめるんですよね~(^^;困ったもんだ)

カレン
  Date: 2002-01-28 (Mon)

「ガイズ&ドールス」の新人公演を観劇した公演評

1月22日新人公演を見ましたので自分の感じた事を書かせてもらいます。
まず主役の月船 さらら 見た目のかっこよさは紫吹 淳にははるかに及ばないけれども本役さんが、声の調子が悪かったのに比べて力強い発声で聞きやすいでした。 でもキユーバへいったあたりから、急に芝居が上手になってきました。髪形からか、大地 真央さんに似ていると感じました。何より最後の赤い兵隊さんのような衣装が紫吹 淳より似合っていたのはなぜでしょうか?
次は 城咲 あい 背が高くてスタイルが良いし、セリフの言い方もきんきんしないのでかんじがいいです。歌がもう少しうまくなったらいい娘役さんに成長されるのでは。私個人の感じで恐縮ですが、この人は イチロー選手と結婚した 福島 弓子アナウンサーに似ていると思うのですが。
その他3人トリオの 青樹 泉・真野 すがた・彩那 音・が息が合って若々しく熱演でした。また アガサ役の芽夢 ちさと が芝居が上手で場面をひきしめていました。 カートライト将軍の宝生 ルミはあの夏河 ゆらにはおよびませんが、スカイと初めて会うところなどは、工夫をして笑いをとっていました。
全体に背広の着こなしなどは良かったのですが、うまい歌は聴けませんでした。がんばってほしいですね。
月船 さらら の最後のあいさつで「お客様の笑いのご出演ありがとうございました。」といったのは好感がもたれただろうと思い賢いなと感じました。



JIMMY
  Date: 2002-01-23 (Wed)

月組新人公演「ガイズ&ドールズ」観てきました!

観る前から「この配役なら本公演より新人公演のほうがしっくりくるんじゃないか?」と思っていましたが、その期待通り。実力派揃いで全員上手い、という事はないですが(^_^;)、配役のバランスが良く、各々持っている力を精一杯出して、アドリブも丁寧に工夫し、難しいミュージカルを、出来うる限りに良くまとめていて好感が持てました。

スカイの月船さらら。オープニング、スポットが当たった瞬間、ニヤッと笑った口元が愛華みれに似ていてびっくり。良く言われているので今更なのですが、これほど似ていると思ったのは初めてでした(^_^;)。
本役紫吹淳に合わせた衣装が、やはり背丈の違いで似合っていませんでしたが、顔がキレイで、精一杯キザって演じていて、彼女なりの魅力はありました。背丈と髪を立てている外見は大地真央の方に近いですね。

前半の教団内のやりとりなどは、台詞の声やテンポがあまり良くなくて、「やっぱり紫吹は上手いんだな~。」と思ったりしましたが(^_^;)、歌は紫吹よりずっと声が良くて安心して聞けました。
ハバナ以降の芝居はなかなかお兄さんっぽくて、素敵に見えました。

サラの城咲あい。「血と砂」でスタイルの良さや、少年時代の芝居などにも良い印象があったのですが、今回のヒロインは、かなりの抜擢。興味津々でしたが、歌も十分で予想以上に安定した好演でした。
化粧が上手くなれば、もっとキレイに出られると思います。背が高く、映美くららよりも大人っぽい雰囲気で、「お堅い救世軍の女」というキャラクターが良く出ていました。

酔っぱらい振りも映美の方が可愛らしく、城咲の方が絡みっぷりがリアルだったかも(^_^;)。体格がかなり違う為か、ここの衣装は本公演と違う純白のスーツでしたが、これがまたスタイルの良さが強調されていて、大人っぽくて良かったです。

ネイサンの北翔海莉。予想はしていましたが(^_^;)、良かったです!
もともと似た雰囲気があるのと、化粧も見てもらっているのか、見た目は大和悠河に良く似ていましたが、話し出すと、声の良さ、安定感、余裕が全然違う!
「スターの小部屋」のトークなどで、可愛らしいおっとりしたオフのイメージもありますし、たばこの吸い方など、良く見るとすごく工夫して頑張っているのが見えるのですが、全体にはそんな素顔の全く見えない、貫禄たっぷりの演技で惚れ直しました(^_^;)。

上級生の相手役アデレイド(紫城るい)に対しても、年齢を感じさせない包容力があってお似合い。電話ボックスもアドリブを交えた自在の演技で、拍手が送られていました。「古い顔の老舗」ナンバーも立派。二幕も全部見たかった! (二幕は5場以外、全部カットでした。)

そのアデレイドの紫城。登場第一声の歌が、予想外に可愛い声が出にくそうで苦戦。やっぱり男役だったんだと思いましたが(^_^;)、持ち前のポケモンキャラ炸裂で、とても可愛らしくて良かったです。
北翔ネイサンの方が年上に見えたのは良かったけれど、結婚を14年も待っている女には見えなかったですね。もっと純ヒロイン向きに見えます(^_^;)。

ナンバーも霧矢に比べると迫力がないですが、十分上手い。女役をするつもりがなさそうなのに、どうして演らせるんだろう、とは思いますが、女役での大役経験が豊富なだけに、安心して見られる贅沢な配役だと思いました。最後のウエディングドレスが素晴らしくキレイでしたね。

ビッグ・ジュールの研ルイス。「愛のソナタ」新公ベンヤミンで、妙に怪し~い雰囲気を醸し出していたのが面白かったので期待していましたが、持ち物にお揃いの白ソフト帽をかぶせた黒ネコ(見た事あるキャラクターなのですが、名前が思い出せない・・。)を準備し、初演で使ったらしいキャンディーも使って、出来うる限りの工夫をしたものの、肝心の存在感や台詞の迫力が段違い。やっぱりまだまだ若手だったんだと思いました。何か汐美が貫禄たっぷりみたいで、あまり書きたくないんですけれど(^_^;)。
そのシーンで「いついつまでも~♪」と歌い上げたのはさすがクバーナの歌手! って感じで、「やられた~」と思いましたね(^_^;)。

ナイスリー(青樹泉)、ベニー(真野すがた)、ラスティ(彩那音)は三人とも高身長で見た目良く、同期で合わせやすかったのかズッコケアクション(?)を本役以上に良く合わせて工夫していて面白かったです! 歌も歌手だとは思わないけれど(^_^;)、三人ともまずまず聞きやすく十分。
中では大人しいイメージがあった真野が、大柄で華やかなのに転びまくっていて(^_^;)、良く目立ちました。一皮むけていると良いなぁ・・。

同じく勝手に今回から私の中で同期トリオを結成した(^_^;)、研一の榎登也、龍真咲、麻月れんか。
榎は個人HPで初舞台時のお気に入りに選んでいた子なのですが、ロケットでの見た目で選んだので、今回のクバーナの歌手役は「歌が得意だったの?」と嬉しい誤算。実際ちゃんと落ち着いて歌えていて、何よりフレッシュで可愛い~♪ と心の中で大喜びしました(^_^;)。
龍はその場面のクバーナの男Sに抜擢。頭が小さく、スタイルが良く、とても目立つ容姿です。タクシー運転手をしていた麻月れんかも可愛い。これから月組を観る際のお楽しみトリオにしようと思いました(^_^;)。

他も演技を本役と変えている人が多くて面白かったです。司会者の萌希彩人は本役より上手い(^_^;)。ビッグ・ジュールを迎えるハリー(瀬央みつき)やギャンブラー達が「パンパカパーン♪」って言って盛り上げたり、ジョーイ(良基天音)に撃たれるギャンブラー(白鳥かすが)が「うぉー」ってゾンビのように蘇ったり(^_^;)していてウケていました。ミミ(憧花ゆりの)も役作りが全然違いましたね。

映美くららが参加していて、プロローグのスーツ姿などは華やかさがやはり目立ちます。ハバナでは変な髭を付けた給仕のおじさんになっていて、秘かに面白かったです。本公演も大変でしょうに、ご苦労さまです(^_^;)。

新公の長は楠恵華。ブラニガンの方は可もなく、不可もなく。プロローグのダンスの動きがキマっていて、目を引きました。本公演の時から思っていたのですが、化粧がまだ少し、本来の美しさが出せていないような気がするのですが・・。
挨拶はとても謙虚なもので、感動しました。
月船は相変わらずしっかりと芝居がかった挨拶で、面白かったです(^_^;)。可愛いのに、男役でキザるのを楽しんでいますね、多分彼女は(^_^;)。

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  Date: 2002-01-23 (Wed)

月組新人公演「ガイズ&ドールズ」観てきました。

へったくそでした。本公演と比類するという新公もある中で、ある意味新公らしい新公でした。でも、よく分かりました、「ガイズー」という作品が。私は初演を観たことがないので、あのまま今の本公演しか観ずに公演を終えていたら、「ガイズー」という作品を誤解したままだったかもしれません。

ひとつは、役のバランス。もうひとつは役へのはまり方です。

ネイサンはスカイの回りをちょろちょろする役ではなく対等であった方がより魅力的であり、スカイは実はうさんくさくそして根は真面目なギャンブラーであり、アデレイドは実は気弱で14年×365日ネイサンにごまかされ続けてきて、それでも男が欲しい、生きていくのに男が必要な可愛い女であると。
(初演をご覧になられたかた、これが正しいんじゃないでしょうか?)

今回の新人公演は、1幕全部と2幕目の最後だけが演じられました。

幕が開いて、最初はスーツ姿の男たちのダンス。宙組新公よりはスーツ姿は様になっていましたね。でもやはり本役さんたちより、重みが無かったです。それはしょうがないかな?
センターでスポットを浴び、帽子を取ったスカイ役・さららん(月船さらら)はオールバックでそれはもう、タモさん(愛華みれ)そっくり!お化粧もそっくりで、もうあきれるばかりでした。
スタイルはどうしてもリカさん(紫吹淳)にはかないませんが、観ているうちにそのがっちりさ加減がちょうど良く思えてきました。腹の据わったギャンブラーという雰囲気が良く出ていました。さらに、片頬で笑う表情がうさんくささを出していたと思います。

救世軍の一員として出てきたサラ役のあいちゃん(城咲あい)はスタイルの良さが際だちました。腰の位置がとても高いのです。とてもキレイなのですが、えみくら(映美くらら)ちゃんよりも年上に見えたし、雰囲気が堅め、ドライな現代っ子というか、えみくらちゃんが醸し出していたどこかいもっぽい(失礼)羽目を外したいけど外せない不器用さは出てなかったです。お芝居もはじけ方がイマイチ物足りなかったです。

ネイサン役のほっくん(北翔海莉)はメイクがタニちゃん(大和悠河)そっくり!でも話始めるとタニちゃんより声が低く、タニちゃん以上におっさんに見えました。もちろんしぐさ、芝居もしっかっりおっさんになっていて良かったです。歌も上手かったし、実力のある人なんですね。

アデレイドのるいちゃん(紫城るい)は難しかったと思います。本役のきりやん(霧矢大夢)があれだけの評判を取っている役ですから。でもちゃんと歌は歌えていたし、本人男役志向のはずなのに、ちゃんとしぐさは女役になってました。
そして持ち味の違いというのでしょうか、るいアデレイドは気が弱くって男に頼って生きていきたくって、けなげで可愛いんです!きりやんアデレイドはバリキャリウーマン、元気で強くて・・・どうして14年もくだらん男を待っているのか腑に落ちなかったのですが、るいアデレイドを今日観て、やっと私は理解できました。あんな男でも欲しいんですね、アデレイドは。だから14年もごまかされ続けてそれでも待てているのです。
もちろん、技術的には絶対きりやんの方が上ですよ。芸を見せてくれるのもきりやんです。でも役として、芝居を構成する役のひとつになっていたのはるいアデレイドの方だと思いました。

スカイとネイサン、この2人のバランスも新公の方がはまっているはずです。二人がきちんと対等に見えました。だから最初、スカイをネイサンが賭けに誘い込む場面も、きちんとやりとりとして見えたのです。小物が大物をひっかけるのではなく、似たもの同士の小粋なやりとりなんです、本当は。芝居の上手い下手でいえば下手でしょう、本役よりは。でも二人が対等であるからこそ、生きてくるセリフがあるのだとしみじみ思いました。

スカイの役作りも、リカちゃんがひたすら格好よく作っているのに対し、さららんがうさんくさいギャンブラーになっているのは、私は気に入りました。うさんくさい男が、賭けを清算するために、よっしゃ、ここはいっちょ頑張って、真面目な女の子をひっかけに行くぞ!という挑戦する気持ちがあって、次へのわくわく感というか、どうなるのだろうと興味が沸きました。リカさんみたいに格好よかったら絶対ひっかかるのは決まっているのですもの。リカさんにもひっかける自信があるのですもの。

役作りだけではありません。新人公演ということで、必死にセリフをしゃべっている、それはつたないお芝居なのだけど、だからこそ、セリフが流されず、しっかりこちらに内容が、何が言いたいかが伝わってきました。それが本公演でわからなかった私に気合いが入ってなかったためのか、それとも本役さんたちの雰囲気を重視し、より役らしさを出そうとする演技が邪魔をしていたのかはわかりませんが。

他の出演者で印象に残った人は、ナイスリーの青樹泉ちゃん。声がはっきり出ますね。セリフも歌もよくって、本公演で何と言っているかわからなかった歌詞がやっとわかりました(これはスカイの歌も同様です)。ベニー、ラスティの真野すがた、彩那音も上手かったです。3人組のバランスとしてもなかなか良かった。そのせいか、ネイサンを中心とした3人組、ギャンブラーのナンバーはよくまとまっていて聞かせてもらえました。歌詞もそうだけど、シチュエーションも・・・回りの若いギャンブラーたちが中年古株のネイサンを称える歌だったんですね・・・。

ブラニガン警部ののぞみちゃん(楠恵華)は役不足気味。上手いです。オープニングのダンサーでいい位置で踊っていましたが、ダンスのキレがひと味違います。

ビッグ・ジュールの研ルイスくん。出番が少なくて気の毒。その中でも小道具を本役さんと少し変えたり(くま→黒ネコのぬいぐるみ&キャンディ)、ぬいぐるみの出し方もタイミングを変えたり、頑張って個性を出そうとしていました。大物感を出すのは難しかったようです。婚約を祝う歌は朗々と歌っていて、自分の得意技がわかっているな、と思いました。

HOT BOXの司会者・萌希彩人・・・本役さんより上手かったというのは言い過ぎかな?(笑)。ちゃんとネイサンとやりとりしていましたもの。

ジョーイ・ビルトモアの良基天音。うーさん(光樹すばる)ほどの低音の迫力は出せて無かったですが、冷酷な感じでそれもよかった。

ミミ役の憧花ゆりの。本役とは明らかに役作りを変えてきていて面白かったです。私は2F席から観ていたのですが、上半身が特に細くって、上から観るとちずさん(美々杏里)の衣裳がぶかぶかで可哀想でした。

場面としては、ハヴァナの場面は人数が若干少ないものの、充分な迫力で見せてくれました。クバーナの女Sのみっぽうちゃん(美鳳あや)も上手かったです。なまず髭をつけたえみくらちゃんなんかが舞台の端っこにいて面白かった。

公演の長はのぞみちゃん。ご挨拶がとても良かったです。落ち着いてよどみなく、でも感動と感謝の気持ちがあふれていました。さららんのご挨拶は大分慣れというか、余裕があったように思いました。

演出は児玉明子先生。細かコメディ部分を変えたりしてきていましたね。あとほんの少しで、ドタバタコメディになってしまうギリギリのところでしたが、新人公演らしい若い楽しさが出ていたと思います。3人組をオーバーアクション気味にしてくれたので、わかりやすかったのは嬉しかったかな。

繰り返しになりますが、決してレベルが高いとは言いがたいのですが、私はとても作品を楽しむことができました。あのまま2幕まで通して観たかった。東京方面の方、ぜひぜひ、本公演と新公、両方とも観てください。本公演の役バランスと新公の役バランス、全然違うということがおわかりいただけると思います。

ルナ田
  Date: 2002-01-20 (Sun)

19日に,2回目の観劇に行ってきました。たぶん、ガイズは、この日の2公演で最後なのでしっかり見てきました。
11時公演を見出してまず、りかさんの声がいい調子じゃないの、と思いました。えみくらちゃんの声も前よりも良く聞こえます。それにもまして、アンサンブルというか、全体の声も大きかったです。そして、昨日はなによりもタニ君の歌がうまく聞こえました。声がのびやかできりやんと一緒に歌っても全然気になりませんでした。あの全国ツアーのジャズマニアの歌に辟易した私にはまあ、見違えるいや,聞き違えるほどでした。これなら,私にはタニ君の歌は、OKです。もともと声量はあるしね。ゆうひ君,首を振っているのは役作りなのでしょう・・なんかおかしかったです。そして,ケロちゃん,一緒に行ったガイズ初見の友達が、「この役の人いいね、この役もいいねえ。おもしろい。」とかなり気に入ってました。目立ちますし、存在自体が面白くていいですね。とにかく、5日よりも全体に月組のパワーが感じられてよかったです。ちょっと安心しました。昨日は3時公演の貸切も見ましたが、前売りで買った私よりも当日券で買った娘の方がいい席で見られました。3時公演もいい調子でした。この日が初見の友達はいい日に当たりました。やはり満足して帰りたいですものね。その友達はえみくらちゃんもかなり褒めてました。研3なのになかなかしっかりしているし、かわいいしと。後はパレードの歌をもう少し堂々と歌えるといいですね。
私はこれで最後ですので、またもっとよくなったという報告があればお聞かせください。

ルナ田
  Date: 2002-01-06 (Sun)

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
「ガイズ&ドールズ」を5日に見てきました。マミさんファンの友達2名,娘,そして,私の4人で行ってきました。友の会の席なんですが、なんと最前列でした。よく見えますね。つけまつげやお化粧もよく見えて・・近くで見ると舞台化粧はすごいですね。みなさん綺麗にお化粧してますが、やはりもう少し離れて見るのもですね・・。
肝心の舞台ですが、「とにかく歌のレベルをあげてほしい」この一言に尽きます。1部の最後のりかんさんの歌!感動して拍手ができないです。観客も拍手したいけど・・盛り上がらずに声が出ない、そんな状態の歌で終られてはいくらかっこよくてもわあ・・よかった!と拍手できないです。現に拍手はまばらでした。私も拍手はしましたが・・後味が悪かったです。りかさん、かっこいいし、スーツは似合うし、ソフト帽の扱いももしぐさも芝居はもう、完璧で好きですね。かっこいいです。ハバナに行ってえみくらちゃんが酔っ払ったときの二人だけの場面のりかさんの芝居いいです。サラを可愛く思い出している感じが伝わりました。ああいう表情のりかさん、好きですねえ。
えみくらちゃんは、歌も芝居もよく頑張っていますが、声量がないのかな・・歌が聞こえないときもありました。周りの音に消されてしまいます。タニは、これまたよく努力しているのでしょうねえ。思ったよりひどくはありませんでした。余裕がないので・これからを期待したいですね。きりやんは、期待以上でした。本当にミュージカル女優ですね。歌も芝居もボリュームもまさしく・・。このまま外部の役ができそうです。ゆきさんの退団後の初舞台の「ヴィクターヴィクトリア」に出てきた女優さんみたいです。全員がきりやんのレベルになるといいのにねえと思います。ゆうひ君は歌が多いので頑張って欲しい・・。見かけはいいですけど良く出るわりにいなくてもいいような役かなとも思えます。けろちゃん、貫禄有ります。表情を変えずに演技しているのが却って笑えますね。
初めての話で1度見ただけですが、きりやんとえみくらちゃんの歌でもう、結婚式になるっていうのが?でした。えみくらちゃんがりかさんを追いかけていくので二人の場面があるのかと思ったらないし・・この2組が最後にくっついたところが見たいと思いました。
ダンスやスーツの着こなしはいいし、話もまあ面白いので楽しめました。でも、私は歌で感動したいのでもっともっと頑張ってほしいですね。上手になれなくても心や気持ちが伝わる歌い方をしてほしいと思いました。
次は19日に見に行くので少しはかわってるかなと期待していきたいと思います。また、みなさんの感想も楽しみに読ませていただきます。

JIMMY
  Date: 2002-01-05 (Sat)

月組「ガイズ&ドールズ」、初日と2日の3時公演を観てきました!

前評にも書いた通り、初演の記憶はほとんどありません。でも、作品を知る人なら当然分かる、意外な配役。今回の公演の、ある意味目玉なのですが、冷静に見るとやはりバランスの悪さ如何ともし難く、レベルの低いミュージカルになってしまったと言わざるを得ません。ファンとして、他の人にはとてもお勧めできないです。

ファンとして見れば、各々見どころはあって、何より若手が活躍していて嬉しいです。主演陣にしても、配役のバランスが悪い事は分かりきっていたので、攻める気にはなれません。
ただ、ファン待望の名作を、こんな中途半端な形で上演した歌劇団に、「こんなので良いと思っているの?」と、聞いてみたいです。


スカイの紫吹淳。何よりスーツの着こなし、ソフト帽の扱い、しぐさがかっこ良い。
歌は苦しそうですが、「大海賊」の時のように体調の悪さを感じる事はなかったです。台詞も時々何を言っているのか分からないですが(^_^;)、そんな事を今更紫吹には望んでいません。
そんな事は気にならない位、圧倒的なムードで押すのが紫吹ではないですか? そのパワーが感じられないのが辛いです。
でも、紫吹一人を攻める気にはなれないんですよね・・。周りがあれだけかけ離れた若手だと、キャッチボールの仕様がないのではないかと・・、そんな気がしてしまいます。

サラの映美くらら。良く演じていると思います。評判通り、酔っぱらっている件は、ハジケっ振りが思い切り良く、ディズニーのキャラクターか、衣装の色合いでムーミンみたい(^_^;)。可愛かったです。

でも・・今更仕方ない事なのですが、やっぱりこの二人は似合わないです~。あの大人の紫吹が、あの可愛らしい映美に、本気で恋をするとは思えないんです。だから、続く「はじめての恋」を真剣に歌うスカイの気持ちについていけなくて。
もしスカイが大和悠河なら「可愛いな~(*^。^*)」って、恋しそう(^_^;)だし、「はじめての恋」を歌ったとして、共感できそうなのですが。

紫吹と映美に関しては、ハバナの場面よりも、出会いの教団内でのやりとりの方が、映美もしっかりしていたのが大人っぽく見えた分、良かったです。
紫吹は「女神よ今夜だけ~♪」の場面で、ギャンブラー達のセンターに立ち、「俺が今までもっと大きな勝負に勝ってきたのは知っているだろう?」なーんて言う所が、貫禄があって流石。説得力ありました(^_^;)。

ネイサンの大和。良くがんばっていると思います! どうしても中年には見えないし、でも皆は中年として扱っているので、摩訶不思議な人物になってしまっています(^_^;)。しぐさや台詞はとても工夫していると思います。健気だ・・がんばれ~。
大役を、美しさをヒゲで半減させ、可愛らしさを中年役で押さえつけられ、勝負しなければならないのは気の毒。
本来持っている筈の華やかさまで、他のギャンブラー達に埋もれてしまっているのは、前回ロックウェル役に引き続きで、気になります。
演技の幅が、これで広がれば良いね・・で、良いのでしょうか? 観客は良くないぞ(^_^;)。

アデレイドの霧矢大夢。これも霧矢個人で観ていたら、キュートで上手い。多少肝っ玉母ちゃん的ではあるけれど、霧矢ならではのアデレイドという事で、OKだと思います。
ただ、大和とは全然似合いません。仕方ないですが。ちっちゃな頭の大和が大人っぽく、大きな霧矢を背中から抱きしめても・・全然ドキドキしないのよ~(^_^;)。
また、大胆な衣装でショーで踊る場面があるのですが、色気がないのは役柄的に辛い。背中や腕が逞しくて、ちょっと恐いかも(^_^;)。
でも、2回観劇して、耳に残るナンバーは霧矢の「女は風邪こじらす~♪」と「山盛り大好き~♪」なんです。さすがですね。

ビッグ・ジュールの汐美真帆。・・恐いよ(^_^;)。子供連れで観たら、子供が泣いちゃうかもよ。
それだけに、秘密兵器が効いています。初演が話題になっていただけにプレッシャーがあったと思いますが、あの小道具はかなり良いのではないでしょうか。物語を見ていたら、あの小道具を持たなければならないビッグ・ジュールのお人柄が良く分かります(^_^;)。
大柄な越乃リュウと一緒が多い、という事で、小さく見えたらどうしようかと思っていたのですが、迫力があって目立ち、その心配はありませんでした。
似合いすぎて、ファン的には複雑かも(^_^;)。出番は少ないですが、存在感があるので、見ていて満足はできます。
越乃も貫禄たっぷりのギャンブラーで、他のネイサンの仲間達とは、明らかに違って見えるのがすごい。

ナイスリーの大空祐飛は、出番が多くて良いですね。歌も何曲かあって、まずまず。爽やかで可愛い下っ端ギャンブラーチームとして、月船さららと北翔海莉を率いている、という感じでした。
台詞が上滑りして、イマイチ伝わらない所があったのは、がんばって欲しいです。
月船はチョコマカと、北翔はぼーっとしている役作りのようで、ちゃんと違いが見えて良かったです。

他では、ミミの美々杏里。ポーっとしたおばかさんな役作りが上手かった~。そして、アーバイドの嘉月絵理の安定感が心地良い。やはり抜群に上手い二人だと思います。

ハバナのショー場面が若手中心で目新しく、瀧川末子、研ルイスは大抜擢。でも安心して観ていられる実力です。
アデレイドの仲間に椎名葵がいるのですが、色気があって役に良く合っています。「子供6人の親が皆違う」なんて台詞も、何とも魅力的(^_^;)。

フィナーレが少しつくのですが、内容よりも、汐美&大空らの金のスーツ、男役の群舞の水色のスーツ、紫吹と映美のデュエットの紫の衣装、どれもイマイチなのが残念。これを楽しみに通うのも、辛いのではないでしょうか。
ロケットのセンターには城咲あいが抜擢されていましたが、見た目は「血と砂」の時の方が良かったです。新人公演に期待しています。

http://waiwai.ciao.jp/takarazuka/sub/private.html


惑惑
  Date: 2002-01-04 (Fri)

「ガイズ&ドールズ」見て来ました。
初演のほうは見てないので比較できませんが、面白かったです。

ただ、この間まで宙組・小池修一郎のオシャレ(?)な
ギャングものを見ていたので、比べると少し古色蒼然として
見えました。
(スーツの柄が派手過ぎて、パジャマみたい… でも多分、
あの時代のスーツはああいうデザインだったんでしょうね)

ヒロインが「救世軍」の熱心な伝道女、という設定もピンと
こないです。
軍楽隊と教会がどう結びつくのかわからなくて…

でも、スーツ姿でのダンスは、宙より月のがカッコイイかも。

「ガイズ~」のブロードウェイでの初演は1950年だそう
ですね。
で、「カステル・ミラージュ」の話は30年代。
あれ? 「ガイズ~」のほうが時代は新しいんですね。
なんでこんなダサいの?と思ったら脚色・演出が酒井澄夫……
うむむ、酒井センセの演出って… もう少しなんとかならない
かなー。ショーにはいい作品が多いのに、なんで芝居の演出
にも出てくるの?
三木章雄の名前もあるのが救いですが。
(でも、なんとなく「蒲田行進曲」っぽい雰囲気も感じて
しまったから、石田昌也が演出してもよかったかも?)

紫吹淳と映美くららは良かったです。
東京の「大海賊」は見ていませんが、紫吹さんは実力あるから
余裕で演じているように見えて、安心でした。
えみくらちゃんは、まだ経験不足な感じがするけど充分に
頑張ってたし、「世間知らずの潔癖なお嬢さん」の役だから
不慣れなほうが初々しく見えて、ちょうど良かったです。
(あ、もしかして、そのための「ガイズ~」?)

紫吹さんの役のスカイは、大地真央がどんな感じで演じたかが
目に浮かぶ、明るくて人を食ったような楽しいキャラクター
でした。

あっちのミュージカルに多いパターンですが、主役と言っても
出ずっぱりでなくて、ワキ役の人たちの場面もけっこう長い
のは良いですね♪
(この場合、ネイサンとアデレイドもほとんど「主役」ですが)
ただプロローグの群舞は、人物や状況の説明を兼ねてるわけ
だからしっかり見ておかなくちゃ、と思ったけど、少し長く
感じてしまいました。「まだ本題に入らないの?」という
感じで…

ヒゲをつけた大和悠河と、女役の霧矢大夢は上手だったと
思いました。
2人の、ずっと前からのファンにとっては、あんまり嬉しく
ない役かもしれませんよね。
でも、私がもし宝塚を初めて見る団体客の1人だったと
したら、「外部の劇団と変わらないくらい達者な人がいる!」
と感心したと思います。
実は今回の私も、それくらいのレベルですが…
(とは言え、団体さんの素直な反応って、いいですよね。
こちらもつられて、初心に帰ります♪)

美々杏里が、せっかく歌えるのにロクな役じゃないのは
少し気の毒な気がしました。
いえ、充分印象に残る、魅力的な役でしたけど。
ホントなら霧矢さんの役をやったっていいくらいの実力に
思えるので、ちょっと物足りなかったです。

汐美真帆がやった「大物ギャンブラー」は楽しかった♪
私、こういう役が出来る人って大好きです。
笑っちゃうんだけど、カッコイイ!
こんな芝居もやれる人だったんですね。
今回、汐美さんのこと「アレクセイ・アシモフ Part2」
と呼ばせてもらっていいですか? ダメ?

ハバナの場面のダンサー達は、この場面のためだけに黒塗りを
して、すぐまたお化粧を変えるのでしょうか?
大変ですね…

月組の真琴つばさの「ウエストサイド・ストーリー」の時も
そうでしたが、終演後に出口に向かうお客を送る音楽が
オーケストラの生演奏でした。
これって、とってもゼイタクな感じがするから嬉しいです♪


  Date: 2002-01-03 (Thu)

月組大劇場公演「ガイズ&ドールズ」の初日・2日目を観てきました。

上質のブロードウェイミュージカルを、月組生が頑張って演じていて楽しめました。でも、コメディということもあり、1回2回の観劇はよくても、ご贔屓組ではあっても通うのは辛いかな~と思ってしまいました。
なんていうかこのデフレの時代に“インフレ”な公演だな、と思ってしまったのです。宝塚を観る以上は、決して安くない座席券の料金を支払うのですから、お芝居もショーも観て満足して帰りたい。1本モノであっても、たくさん観たぞ、楽しかったぞ、夢でお腹いっぱいだ~、と思いたいのですが、今回は物足りなかったです。座席券料金7掛け位が妥当のような気がします。

月組生はそれぞれ頑張ってやっているし、作品はきちんと完成されているものなのに。ストーリィを楽しむ作品ではなく、コメディとして場面場面を楽しめばいいのでしょうか。

私は初演は観ていないのですが、初演との変更点はほとんどないとか。2002年バージョンとしてパワーアップするとは書いてありましたが、どこがそうだったのでしょう?さすがに18年も前の作品をそのまま上演するのは無理があったのではないかと私は思います。時代が変わるとウケるポイントは変わってきますし、お芝居のテンポや展開はどんどん速くなっているはずです。そのままではどうしても何か物足りなさを感じてしまうのだと思います。セリフも多いのに、特に1幕目、舞台上に役者が2人しかいない場面、掛け合いになると間延びして感じてしまう。素材が同じでも、何か新しさを出さないと持たないのです。次の花組公演「琥珀色の雨にぬれて」もそこはちょっと危惧しています。

作品的に変更がないなら、それを補う、パワーアップさせるのは生徒、役者の役割でしょう。演出からの指示があるでしょうが、どこまで自分なりのオリジナリティを出せるか、現代風に変えられるか。でなければ再演する意味がない。

まずは大劇場のお披露目となったリカちゃん(紫吹淳)。
「大海賊」で体調不良からかご本人的にも楽しめなかったことが後を引いているのか、パワーを押さえ気味なのかな?フルパワーを出す事を恐がってるかな?と感じてしまいました。声自体は今回はよく出ていましたし、ダンスも踊れていた。スタイルはよくって、衣裳も似合って格好良かったです。
でも、舞台を観ていると、だんだんリカちゃんが寂しそうに見えてきたのです。まみさん(真琴つばさ)と一緒にいたときは、どんな役でも舞台上で寂しそうに見えるりかちゃんなんて見たことがないのに。
「大海賊」で、月組生+専科がどうも体調不良のリカちゃんに遠慮して遠巻きにしているような感じを受けたのですが、今回はそれとは違う・・・。パンフレットを読んでみると、スカイという役柄として“孤独感”を漂わせたいとご本人のコメントにありました。なら、それはそれで成功なのですが、“孤独感”の中にあってもいいはずの、強さとか余裕とかはなかった・・・孤独感というより寂寥感であるように思いました。
役としての感情もセーブしているかな?サラを愛しているってことは、パンフを読んでわかりました。愛する気持ちができてきたら、楽しくないのでしょうか?幸せな気分にならないのでしょうか?その気持ちが客席に伝わって来ないと、客席も幸せになれないです。
いずれにせよ、役作りがどうもまだまだ浅いような気がします。せっかくのトップ、主役なのですから、全体を多いつくすようなエネルギーと、役としての感情の深さを味あわせて欲しいです。リカちゃんならできると思うのです。

トップ娘役のえみくら(映美くらら)ちゃん。
痩せましたね~。救世軍の赤い制服がよく似合っていて、そのウエストの細いこと!髪型もよくって、キレイです。登場場面も多いですが、セリフもきちんと入ってるし、歌も歌えてるし、充分合格点だと思います。リカちゃんとの呼吸も合っているし、トップになったのもうなずけます。今後の公演も期待できます。

ネイサンのたにちゃん(大和悠河)。
実年齢より10歳は上の役柄。やはり無理があったかと思います。年齢のことは気にせず演じるように、という演出からの指示だったそうで、ならそれはそれでいいでしょう。見た目が賭博の元締めというよりも若いチンピラ兄ちゃんというように私は感じてしまい、苦笑してしまいましたが、しょうがないというかそれがタニちゃんというか。スタイルは良くて格好良すぎるぐらい。若くて格好良いのがタニちゃんの持ち味。新聞スタンドで売り子をしている姿が、意外というよりぴったりで、役作りを変え、ネイサンの年齢を下げた方がいいんじゃないか、と真剣に思いました。
歌も歌えていたと思うし、センターで歌い踊るダンスナンバーもきっちりこなしてました。こちらは、アデレイドを愛する気持ちがよく伝わってきました。ホント大好きなんだなぁ、と嬉しくなりました。
しかし、一番の不満は芝居です。ネイサンにはお話を進行させる上で重要なポイントになるセリフがいくつもあるのに、オジサンに演じることに気を取られていて、メリハリに欠けてしまっている。たとえば、チーズケーキなどのどっちでもいい話と、サラをハバナに連れていく賭けをスカイにけしかける重要な話のテンションが全く同じで、どっちが重要なのか伝わってこない。教団を賭博場に使うために、夜中に留守にさせるのはネイサンのたくらみ?それもよくわからなかった。バタバタしすぎているのではないでしょうか?セリフの多い主要な役を演じる経験値が欠けているはずがない。頑張って欲しいです。

アデレイドのきりやん(霧矢大夢)。
上手ですね~。もう本人が開き直っちゃってて、メール夫人とまでは行きませんが、“男役がやる女役”とすら思えて楽しかったです。ウェディングドレス着ていても、“本当は男役のきりやんです”って感じで笑えました。時折男役声まで出して笑いを取ったりしてました。
それは置いておいても、高いところまでちゃんと声が出ていたし、芝居の呼吸もいい。ダンスもダルマ姿でばっちり踊っていて、いいです。この人見ているだけでも飽きないかもしれません。

ビッグ・ジュールのケロちゃん(汐美真帆)。
最初に舞台に出てくるのは、1幕目も終わりの方。しかし目立つ白いコートを羽織り、体型も補正してがっちりさせているせいか、えらい存在感です。強面のオジサンなのに、同じ衣裳を着たかわいいテディベアを持っていて、なんだか可愛くて笑える。パンフで自分の役作りの狙いを「ビッグな存在感ででもコミカルに」と語っていましたが、狙い通りできていたと思います。
ただ、イッちゃってる雰囲気でやりすぎなキライはあるし、セリフも低音でがなってるので、最後まで持つかな~と心配です。
※尚、ファンモードのケロコメントは最後にもう一度書きます。

ナイスリー・ナイスリー・ジョンソンのゆうひくん(大空祐飛)。
セリフも歌も多い美味しい役。とくに歌は、これまでの大劇場公演で経験がなかったであろう多さです。主演経験が生きていて、よく歌えてました。ダンスナンバーでもセンターで踊っていることが多いです。しかし、印象が薄い。コメディは苦手なのでしょうか?ほっくん(北翔海莉)とさららん(月船さらら)と3人組に埋もれてしまいがち。肉布団を着ろとまではいいませんが(スタイルの良さが売り物なのだから無理する必要はないと思うので)、何か見た目的にも差を付けたほうが良かったかも。東京公演まで行っても、このままだとこれで終わってしまいそう。頑張れ!です。

あと、印象に残った人を挙げていきます。

ミミ役のちずさん(美々杏里)はうまい!甲高い声がイヤミなく可愛く、ダルマ姿のダンスもばっちり。見応えがあります。
アパーナシー役のえりちゃん(嘉月絵理)。包容力のある確かな人物像。出てくるとほっとします。
ジョーイ・ビルトモア役のすばるさん(光樹すばる)。タニちゃんと電話でのやりとりしながら、ギャングを撃ち殺すお茶目な役ですが、セリフの間の取り方とか上手いです。
カートライト将軍のゆらさん(夏河ゆら)。ゆらさんそのまんまの役で面白かったです。
ブラニガン警部の立組長。他のギャンブラーと一緒になってのコメディな場面もあって別な一面を見せてもらいました。

若手では、ハリー役のりゅうくん(越乃リュウ)は、長年積み重ねてきてやっと場面が与えられたという感じで、ファンの方は嬉しいんじゃないでしょうか。まだまだよくなりそうです。
ベニーのさららん。もうすっかり月組にとけ込んでいますね。踊りが上手いのかな?ラスティのほっくん。体当たりの三枚目役、良かったです。黙って立ってるとき、えらくキレイな華やかな顔立ちが目立ちました。
るいちゃん(紫城るい)は、どんどん男役らしくなってきてます。新公ではアデレイドですが、それも経験値のひとつとして、私は男役で頑張って欲しい。本人がやりたいこと、こだわっていることをやるのが一番です。
るいちゃん同様、ギャンブラーやクバーナの男で出番の多かったのぞみちゃん(楠恵華)も、ダンスのキレが相変わらず良かったです。
クバーナの女の末子ちゃん(滝川末子)良かったです。迫力あるダンスで、目立ってました。パンフにあったのですが初セリフが「ソナタ」だったとは驚きです。カフェのラスト、ラッパ飲みで締めくくるところ、最高です。

あとはホント、この作品、役がなくて、花瀬みずかちゃんとか、椎名葵ちゃんとかどこで何やってたかなぁと記憶が・・・。ロケットでは、センターが城咲あいちゃんで驚きました。ずっとセンターというわけではなかったですが、新公ヒロインといい、期待されているのですね。

ブロードウェイミュージカルですが、トップコンビお披露目のためか、フィナーレがついています。でも短いんですよね。最初はケロ&ゆうひ(+ほっくん、さららん)の銀橋渡りと若手男役のナンバー、続いてタニ・キリと娘役のデュエット、これはどちらも短くてあっというまに終わってしまいました。それから大階段を使ったリカちゃん中心の男役ダンス、リカ&えみくらのデュエットダンス。もう、みんな短い!もっともっと見たいです。


以下は、ケロファンとしてのファンモードコメントです(ファンでない方、相変わらずすみません・・・)。

オープニングでギャンブラー&街の男として踊ったあとは、出てくるのはホントに54分後で、ファン的には「また出番少ない~」と、とほほ気分なんですが、出てきたらすっごい目立ってて驚きました。
純白のコートを羽織って上手から出てきて、舞台中央奥に後ろ向いてしばらく立っているのですが、妙な迫力と存在感があります。やはりバウでのセンター経験って大きいなぁと痛感しました。振り向いてお芝居始めても、やはり目立ちます。2500の視線が集まっても、前だったら「え?私でいいんでしょうか?」というような戸惑いが感じられたのですが、もうないですね。客席のエネルギーをきちんとはね返せるようになったなぁと嬉しかったです。
見た目はコワイ系のメイクですが、クールな二枚目という感じで良く似合ってます。それがぬいぐるみをもって絶妙なタイミングで低い迫力ある声を発するので、客席大ウケです。
2幕目はけっこう出番があって、ダンスシーンでもよく踊ってます。なんかセリフもダンスもゆとりを感じてしまいました。きちんと主演経験を糧にしていて、主演させた歌劇団も甲斐があったと思っておられると思います。
セリフはずっと低いガナリ気味の声なので、最後まで喉がもつかな~、それにケロちゃんは公演が進むにつれてどんどん濃くなる質なので、これ以上濃くなってどうする~!?ってところが心配なんですが(笑)。

ベール
  Date: 2002-01-02 (Wed)

月組「ガイズ&ドールズ」の初日に行って来ました。
ちょっとした雑感ですが、お付き合い下さい。

何度か書いてるとおり、最近どの作品も結構素直に楽しめる状況にある私なので、今回も単純に楽しめました。そりゃ不満点はないわけではありませんが、基本的に宝塚が好きなんだな~と思う今日この頃。苦手な作品でさえなきゃ満足のようです・・・

まず今回、久々にりかちゃん(紫吹)が好きだということを思い出したというか復活したというか・・・。私的な好みですが、この人は娘役(女役でも可)と並んでる姿がハマります。私の中では「プロヴァンス」以来のヒット(私だけか・・・?こんな変な趣味は・・・^^;)。サラ(映美)と自分は釣り合わないと思いながらも戸惑いながら彼女に惹かれていく様が非常に愛らしく、酔っぱらったサラを介抱しながらの絡みは、今回の公演の一番のツボでした。

対するえみくらちゃん(映美)のサラは、なかなか大物娘役の予感。今回の役柄が彼女に合ってるせいもありますが、ほんとノビノビ演じていて見ていて安心できました。ただ、お芝居はいいのに、ショーのドレス姿になるとインパクト弱いんですよね・・・。また、歌が思ったより弱かったのも残念。でも、まだ初日なのできっとよくなっていくんだろうなと期待します。

タニくん(大和)のネイサンは、前夜祭で「良かった!」と思ったときよりは、インパクトが弱かったです。ハッタリくらいなら何とかなるけど、長丁場になるとちょっとツライですかね。でも、基本的にタニくん好きなんで、頑張ってるな~なんて微笑ましく見てしまったんですが・・・アデレイド(霧矢)とのラブラブぶりは、前夜祭以上に良くなってると思うけど(笑)。この辺りが私のツボでしょうか。

きりやん(霧矢)のアデレイドは、すっごくおばさんチックな容姿なんですが(笑)、愛すべき人というか見てて可愛い~♪と思ってしまう愛らしさ。また、歌える人が少ない月組で、やはりきりやんの歌は安心して聞けますし、前夜祭の時よりもかなり高い声が出るようになっていて、この分だとまだまだ変わりそうな予感がして楽しみです。肩や足を、なかなか惜しげもなく出してるのも必見かも・・・(^^;

ケロちゃんのビッグ・ジュールは、出番は少ないですがなかなかインパクトある役で、またそれを完全に自分のものにしてしまっていて、何より妙な迫力があります。祐飛くんのナイスリーは、よく出てくるわりにはインパクトが弱かったような気がします。もう少し弾けてくれてもいいかも・・・

今回一番よかった人はと聞かれればこの人かも・・・というくらい良かったちずさん(美々)のミミ。「ハウ・トゥー」のヘディ・ラルー(詩乃)を思い出すようなおとぼけぶりが最高!この人は歌手なだけでなく、役者でもあるんですね~。若手2人、月船・北翔。さららん(月船)は、初の大劇場での大役ですが、楽しそうに演じてるのが良い。ただ少し動きすぎのような気もするんですが、役作りのせいなのかな。みっちゃん(北翔)は、立ち姿が綺麗なのと歌が上手いのが印象的。演技は、ちょっとボ~っとした感じで、地なのかしら?なんて思ったりも・・・(笑)

また、主要な男役たちのダンスナンバーがいくつかあり、アデレイドを中心とした娘役たちのナンバーがあり、群衆でも結構役名が分かりやすい役が多く、下級生を見るにもなかなか楽しい舞台のような気がしました。問題は、私が月組の下級生をあまり知らないという事実・・・。分かればもっと楽しめるのに~とちょっと悔しいので、頑張って覚えなければと思ってしまいました(^^;

  Date: 2001-12-21 (Fri)

「ガイズ&ドールズ前夜祭」行ってきました。

こういう一回きりのイベント公演を観たのは始めてだったのですが、とても楽しかったです。初演も知らず、ゲストに来ていた初演メンバーを生で観たこともなく・・・の割には、こういう大作(?)のプレイベントとして、わくわく感を盛り上げようという雰囲気も楽しめました。過剰な期待をせずに行ったのがよかったのかもしれません。

まずはリカちゃん(紫吹淳)の開演のアナウンス。考えてみれば、これがトップとして大劇場最初の開演アナウンスですね。落ち着いたいい声だったと思います。

プロローグは、そのリカちゃんを中心に、スーツ姿の男役16名によるダンス。でもこれが短い!誰がどこにいるのかを見ているうちに(というよりケロちゃん探しているうちに)終わってしまいました・・・。みんな帽子かぶってますし、スポットは主にリカちゃんだけに当たっていたので、よくわからなかったんです。どんなダンスだったか、アンサンブルがどうだったか、全然印象に残っていません。ケロちゃん(汐美真帆)がリカちゃんのすぐ右、その反対側、ペアの位置にゆうひくん(大空祐飛)がいたことだけはわかりましたが。

それから幕がしまって、白いスーツ姿の立ともみ組長が下手から登場。カンタンに「ガイズー」の紹介をして、それからメインキャストをひとりずつ呼び出します。スカイ役のリカちゃん、サラ役のえみくら(映美くらら)ちゃん、ネイサン役のたにちゃん(大和悠河)、アデレイド役のきりやん(霧矢大夢)、ビッグジュール役のケロちゃん、ナイスリー役のゆうひくん、そしてカートライト将軍のゆら(夏河ゆら)さん、という順で出てきました。

それぞれ組長が紹介しつつ、自己紹介と自己アピール。たにちゃんはわざわざ片手に葉巻を持って登場、“髭も初めて、葉巻も初めて”といってました。見た目も相当頑張ってつくってますね。肌の色やらもみ上げの描き方、かなり研究しているように思えました。おじさん入ってました。

登場すると客席から笑いがもれていたきりやんですが、こちらも努力のあとが見られました。私はよく知りませんが、アデレイドはおばさんの役なんですよね?しっかりおばさんに見えました。“素のままで、このような姿をお見せするのは・・・”と照れていたのが微笑ましかったです。ただ、男役やっているときには小柄に見えるのに、ヒールが高いせいか、大女なんですよね。並ぶとたにちゃんより大きかったです。

えみくらちゃんも可愛かったです。ポスターよりずっとずっとよかった。大分痩せたのかもしれません。

ケロちゃん、ゆうひくんはストライプのスーツ。二人ともさすがにこういう姿はしっくりくるようで、格好よかったです。ゆうひくんは胴布団はいれずに、いつものスレンダーなゆうひくんスタイルでした。

8人がそろったところでカンタンなトーク。お稽古場での様子などを話してくれました。リカちゃん、えみくらちゃん、たにちゃん、みんな控えめです。ゆらさんはいつも通り、突っ込みを入れていて、笑えました。ケロちゃんの声がなぜかよく聞こえてくるな~と思っていましたが、一生懸命しゃべってました。組長以上にトーク盛り上げ役というか、仕切りというか、頑張ってしゃべっていたようです。総じて8人、月組公演を盛り上げようと一所懸命な様子が伝わってきました。

「大海賊」の時は、トップ就任直後ということでなのか、リカちゃんの体調の悪さからか、距離感がつかめず、どうも組子がリカちゃんを遠巻きに遠慮しているような感じを受けたのですが、今回はその間がだいぶ縮まったような気がします。ケロ&ゆうひもバウでセンターを経験して、センターの位置にいる人との距離の取り方で何か感じるところがあったのかもしれません。
ぜひ、この公演は、トップと組子ががっちり組んで、安心して観られる舞台を作っていただきたいです。

いろいろ不安なこと、嫌なことがありますが、それでも生徒さんたち、そして歌劇団は、組を盛り上げ、公演を精一杯つとめようとしている様子がよくわかり、なんだか安心しました。

8人がいったん袖に引っ込むと、幕があいて、「ガイズー」の舞台セットが現われます(余談ですが、幕の上下左右の飾り?はカスミラのままでした)。奥行を感じられる街角に、ネオンがきらめいていてとてもキレイでした。この前でダンスシーンが見られると思うとなかなかわくわくできました。

椅子が4つ置いてあって、マオさん(大地真央)、ショーコさん(黒木瞳)、ウタコさん(剣幸)と、立組長が登場。
プログラムにはリカちゃんとえみくらちゃんの名前もあったのですが、結局最後まで4人でした。スクリーンが降りて来て、初演のダイジェストビデオが見られました。画像が粗くてよくわからなかったのですが、楽しそうな雰囲気のミュージカルだな、と思いました。

3人ともさすがの存在感で、トークも上手だしキレイだし・・・退団して大分たつ(18年ぶりの再演といわれて3人とも驚いてました)のに、やはり“宝塚の舞台”の上にぴたっとはまってしまうんですね。馴染むというか・・・。私は3人とも退団後の姿しか知らないのですが、在団中の様子がなんとなく想像できてしまいました。
マオさんの気さくさ、ショーコさんの美しさはもちろん、ウタコさんの感じの良さが印象に残りました。この人が“オジサンネイサン”やっていたのか、とはスカート姿からは想像できませんでした。ぜひ歌って欲しかったです。

そして、下手カーテン前にゆらさんが登場して、場面再現の紹介、まずは「今回の公演の目玉」として、タニ・キリの銀橋のデュエットから。二人とも、もう「これに賭けてます!」といった気合を感じました。タニくんも限界一杯までおじさん度を上げて、きりやんに迫ってました。伊達にセンター経験を積んできたわけじゃない、客席への堂々としたアピール力はさすがです。一番心配だった歌も、同様に思いっきり歌っててよかったです。音程外すこともなかったです。

きりやんはもちろん上手いです。が、やはりもともとはしっかりした男役芸の人なので、仕種も歌も声も女にはなりきれてないような・・・。なりきれないところが面白味なんでしょうね。下手になりきっちゃうよりいいのかもしれません。

そして、組子たちが登場してクラブ(?)の場面。黒塗りだったので誰が誰だか見極めるのが大変。最初に出て来てうたったのはルイスくん(研ルイス)ということでしたが、よく歌えてました。それから舞台のセンターで歌い踊ってたのすえこ(瀧川末子)さんのど迫力!印象に残りました。その左右で踊ってた男役、右側はのぞみちゃん(楠恵華)だとわかったのですが、左がわからない・・・と思っていたらるい(紫城るい)ちゃんでした。本人が望むせいもあるんでしょうが、どんどん男くさくなってきてますね。
総じて、新しい人が出てきたな、と感じました。

これだけテンションの高い場面を1場面だけきりとってやるのは大変なことなのではないでしょうか。でも頑張って盛り上げてました。

その中で、リカちゃんとえみくらちゃんが芝居とデュエット。たった1回きりのこのお芝居を堂々とこなしてしまうえみくらちゃんの度胸は大したものです。また、「大海賊」で観たときよりも2人がよくかみ合うようになっていたように思います。

最後は銀橋を渡り終わったリカちゃんが、スモークがたかれた舞台に一人残って、幕が下ります。そうそう、幕が下りる前にリカちゃんがちょっとすねたような感じで床を蹴飛ばすワンアクションがなんだか可愛くてよかったです。

リカちゃんの声はいつも通り、くぐもったような声でしたが、安定していたのではないでしょうか?ほっとしました。そして、やはり本拠地に帰ってきた安心感というかかなりゆとりを感じることもできました。

幕が上がってフィナーレ。場面再現に出ていなかった組子(えりちゃんとか、すばるさんとかちずさんとか)も定番の白いスーツとドレス姿でずらりと並びます。並びは、下手からゆらさん、ケロちゃん、たにちゃん、ショーコさん、マオさん、ウタコさん、リカちゃん、きりやん、ゆうひくん、組長・・・だったと思います。ゲスト3人の並びがはっきりしませんが、そんな感じです。それから銀橋渡りがあったのですが、そのメンバーにはりゅうくん(越乃リュウ)やたまこちゃん(椎名葵)がいたようです。

一番心配していたタニちゃんは、本気でおじさんやるぞ!の気合を感じさせてもらいました。懸命に彼女であるきりやんをエスコートしていたのも好感が持てましたし。あとは、これが本公演に入ってどうなるか、でしょうか。果たしてリカちゃんとかみ合うのか・・・。
ゲストさん方がしきりに「この作品は登場人物が個性的で工夫のしがいがあって・・・それが楽しめて・・・」というようなことを言っていたのです。どうしても「メイン4人以外は出番なし」という先入観が私にはあったので、“ホント~!?”とイマイチ信じられないのですが、それでもそうおっしゃるならちょっと楽しみが出てきました。

そうやってタニ・キリが自分の役に慣れたり、他のメンバーが工夫したりして、作品全体がかみ合って盛り上がっていって、見ごたえが出てくるのは、もしかすると後半かもしれません(月組だし)。ただ、リカちゃんの声が最後まで持つ、という前提でなのですが。


最後にまとめてケロ情報。

ケロちゃん、見た目はものすごくいいです!スーツは新調かな?体にフィットしてました。髪型は横分けを撫で付けているのですが、ぴたっと、ではなく軽くウエーブを生かしているというか・・・お化粧も目の描き方が濃すぎず薄すぎず、ちょうどいい具合。とにかく、格好いい!いえ、格好いいというよりキレイ!なんです。こんなにキレイな大物ギャンブラーがいていいんでしょうか!?フアン・ガルラードよりも私はビッグジュールの方が見た目はいい!と思いました。期待していてください!・・・・お芝居に入るどとうなるかわかりませんが(笑)。それに前夜祭限定バージョンだったらごめんなさい。

トークのときには「私が登場するのは、オープニングの後は54分後(!!!)なので、汐美真帆さんはどこへ行ったのだろうと言われないように、存在感を出したい・・・」というようなことを言ってました。54分~!?1幕目はほとんど出てこないってことですね。ゆうひくんは逆に幕開き最初の発声があるそうで・・・いいなぁ。

ぺろぺろキャンディーを舐めるかどうかは企業秘密(笑)だそうです。

あと、ケロちゃんに限ったことではないのですが、プロローグとか帽子をかぶっているので、顔が見えにくい。これから席を選ぶなら(今公演は選べますよね)2F席より1F席の方がいいかもしれません。といいつつ、友会さまが私に下さった席は数回分2F席で・・・しくしく。



ベール
  Date: 2001-12-20 (Thu)

「ガイズ&ドールズ」前夜祭に行って来ました。
前夜祭は前回の「ベルばら」に続いて2回目。構成としては似たような感じでした。

第1場~プロローグ。幕が開くとりかちゃん&ギャンブラー16名(汐美・大空・大樹・越乃・有香・一色・楠・月船・良基・研・紫城・夏芽・北翔・真野・青樹・彩那)によるダンスナンバー。結構照明が暗くて、誰がいるんだろう~と双眼鏡を覗いてるうちにあっという間に終わってしまいました(^^;。かなり短かったです~。おかげで全体が見れてなくて、どんなダンスだったかいまいち記憶が・・・
とりあえず、皆スーツ姿で格好良かった気がする・・・

第2場~組長挨拶~出演者紹介。出演者は、立・夏河・紫吹・汐美・大空・霧矢・大和・映美。とりあえずゆらちゃんが可笑しい。りかちゃんは結構おとなしめ。えみくらちゃんは殆ど話さず(下級生だから仕方ないか)。ケロちゃんよく話す(かなり気を使う人?)。祐飛君はケロちゃんの横でおとなしく頷いてる(^^;。きりやんは、女物の衣装なのであまり身動きがとれないらしい(笑)。タニくんは役付きいいのに、やはり下級生って感じで可愛い。グラフでの男役特集の時も思いましたが、この4人(汐美・大空・霧矢・大和)ってホント仲良さそう。役付き等で色々ありそうな気もするのに、雰囲気良くて嬉しいです。きりやんをエスコートしようとするタニくんと、タニくんに寄り添うきりやんが、やけに可愛かったです。

第3場~ゲスト・コーナー。真央ちゃん(大地)・ウタコさん(剣)・しょうこちゃん(黒木)&立さん。最初にスクリーンに昔の映像がハイライトで写りました。画像が粗くて少し見にくかったですが、楽しそうな雰囲気が伝わってきました。真央ちゃんとしょうこちゃんは、思い出話で盛り上がり、ウタコさんはそんな2人の話を知らなかった~と横で驚いてました。真央ちゃんって結構よく話す人なんですね。

また、この作品は、真央ちゃんがずっとやりたいと思って実現した作品だったと熱く語られてました。ウタコさんは、とにかく、今度のこの再演を1ファンとして非常に楽しみにしてるようでした。立さんの思いつきにより、曲をちょっと歌ってとのリクエトで「初めての恋」を真央ちゃんとしょうこちゃんが少しデュエットすることに。歌詞を覚えてないという真央ちゃんにしょうこちゃんが歌詞を教えながら少しリハーサル(?)して、アカペラで歌い出したんですが、今までのトークとは全然別の声になる真央ちゃんがスゴイ。声が男役してる・・・(^^;。ウタコさんはひたすら全然覚えてないの一点張りで、歌は結局歌われませんでした。

第4場~アデレイドとネイサン。ゆらちゃん曰く、月組の目玉商品のこの2人。確かに、ある意味今回一番の注目の2人かも・・・(笑)。14年間結婚を逃げ回っていたネイサンにアデレイドが爆発するナンバー。ポスターの写真を見たときからタニくんの容姿は結構イケてるなと思ったけど、今日見て動いてるタニくんも良かったです。心配だった歌も、今回歌った曲については、音を外すということはなく素直に良いと思えました。きりやんは、声がちょっと低めなのが気になりますが歌は安定してるし、あとはもう少し歌詞が聞き取りやすかったらいいなと思いました(かなり早口のナンバーで難しそうですが)。見た目は、男役だと小さめなのに女役だと大きく見えてしまうのがツライ。でも、ちょっと楽しみなカップルです。

第5場~キューバのバヴァナ。サラが酔っぱらう場面です。クバーナの歌手(男)の研が男らしい。歌も上手いし、なかなかオイシイ役ですよね。クバーナの女Sの瀧川は、何か妙な存在感があります(どうも目が引き寄せられる人^^;)。サラのえみくらちゃんはホント可愛い。酔っぱらう様もチャーミングで、お姫様よりこういう普通のお嬢さんっぽくちょっとボケた(?)役が似合いますね。でも、あまりに激しく動きすぎたせいかお衣装がぐちゃぐちゃになっていたので、こういう点は気をつけて欲しいです。りかちゃんは、そんなえみくらちゃんをちょっとからかったり、優しく見守ったり、オロオロしたり、色んな表情を見せてくれました。この時点でのスカイのサラへの気持ちがよく分からないので、いまいち状況が見えてないんですが、ダンサーやシンガーたちと繰り広げられるこのナンバーは、本公演で物語の中で見たら、もっと楽しいだろうなと思いました。

第6場~初めての恋。宝塚でも何度も歌われてるこの名曲。最初2人でデュエットして、その後りかちゃんが銀橋で1人で歌い上げます。大海賊での話を色々と聞いていたので、まずは普通に歌えてることにちょっと安心しました。私的にりかちゃんの声が好きなんで、久々に聞けて嬉しかったんですが、高音部はちょっとつらそうかな。

第7場~フィナーレ。組長さんの挨拶とゲストの方に一言ずつ、そして皆で主題歌を歌いながら銀橋をパレードします。ガイズって「初めての恋」とか「女神よ今夜だけ」と有名なナンバーがありますが、主題歌というのは、あまり有名ではないんでしょうか?私は聞き覚えなかったので、今日ちょっとびっくりしました。

そして、この時にやっと皆の顔を見れたんですが、さららん(月船)の顔(というかメーク?)がさえちゃんに似てる!リーゼントの作り方が似てるのかな?越りゅうはやはり格好良い。まあまあ良い位置にいました。みっちゃん(北翔)は、さららんと対の位置。背が高くスラっとして見えました。黒塗りなので人の顔が分かりにくく残念ですが、下級生まで結構目立ちそうな公演なので、私としては非常に嬉しいです。とりあえず、前夜祭を見て、今回の公演がちょっと楽しみになりました。頑張って初日見てきます!!

JIMMY
  Date: 2001-12-19 (Wed)

「ガイズ&ドールズ」、初演は観たのですが、残念ながらあまりに昔すぎて、ほとんど覚えていないんです。
サラとアデレイドが、理想のスカイとネイサンを想像している場面で、まおさん(大地真央)がパンツを干していて、うたこさん(剣幸)がじょうろで水をやっている所だけ、子供心に面白かったのか、妙に目に浮かびます(^_^;)。

でも、プログラムや当時の「歌劇」誌を持っているので、だいたい話は分かっています。やはりびっくりなのは、たにちゃん(大和悠河)のネイサンですよね。どうなるんでしょう?
りかちゃん(紫吹淳)は、「大海賊」が不調でかなりがっかりしたので、もとの元気な、余裕しゃくしゃくのりかちゃんが観られるかどうかがポイントです。大丈夫だろうと、信じています。

前からもう一度観たいと思っていた作品ではあるので、良いナンバーが見られるかな・・というのが、楽しみな所でしょうか。

皆様の書き込みをお待ちしております!

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